【Everton×Tottenham】いつの間にやら「守備のチーム」…ヴィラス・ボアス監督に打開策はあるか!?
結果、このゲームは想定内のスコアレスドローに終わり、トッテナムは4位、エヴァートンは7位という着地になりました。7位といっても、2位から7位までが勝ち点1差のなかにひしめいている状態なので、悪くないポジションです。交代はすべて同じポジション同士で、守備を壊さないことが最優先。マルティネス監督も、ヴィラス・ボアス監督も、リスクをとって勝ちにいくより、負けないことを選びました。
トッテナムの攻撃は、両サイドのタウンゼントとレノンへの依存度が高く、ホルトビーとソルダードのコンビネーションは今ひとつ。サンドロとパウリーニョのセンターMFも安全運転で、56分のパウリーニョのシュート以外に、前線の人数を増やして何が何でも点を獲りにいく、というシーンはほぼありませんでした。エヴァートンもほぼ同様で、サイドのミララスとピーナールに、SBレイトン・ベインズやコールマンが絡んでいく攻撃は、中央の厚みがなく、ルカクの個人技以外にさしたるバリエーションがありません。サイド攻撃が成功したかと思われた71分のマッカーシーのクロスは、ニアに入ったルカクのタッチが浅く、枠を捉えられずにボールは左に流れていってしまいました。
これ以外の両チームの攻撃について書こうとすると、「ミドルシュートを放った選手リスト」を提出するにとどまってしまいます。最大のトピックスは、ルーズボールを追いかけたルカクとトッテナムGKロリスの接触でしょうか。ルカクは膝を打撲し、大事をとってイェラヴィッチに交代。ロリスは頭を打ち、おそらく脳しんとう状態だったかと思われますが、フリーデルとの交代を断って意地のフル出場です。結局、交代で入ったトッテナムのデンベレ、シグルズソン、エリクセン、エヴァートンのロス・バークリー、デュルフォー、イェラヴィッチは、それぞれ誰もインパクトを残せず、0-0でタイムアップです。
そうするとおのずと、もうひとつのほうに目が向くわけです。すなわち「トップ下の舵取りと、センターMFの押し上げにより攻撃のバリエーションを創っているチーム」です。マンチェスター・シティはダヴィド・シルヴァとヤヤ・トゥレ、アーセナルにはエジルとラムジー、チェルシーはオスカル、ラミレス。これを現状のトッテナムにあてはめると、「パウリーニョには中盤からのオーバーラップや前への効果的な配球が期待できるが、トップ下が定まっておらず、ソルダードとの絡みも少ないため、タウンゼントなどサイドへの依存度が高くなり、単調になりがち」となります。
では、この状況を変えるための方法として、どんな形がありえるでしょうか。思い切った案を2つ、考えてみました。
1)FWソルダード(あるいはラメラ)、トップ下タウンゼント、サイドMFは右にレノン、左にシグルズソン、センターMFパウリーニョ、エリクセン
2)FWソルダード、トップ下ラメラ、右にタウンゼント、左シグルズソン、センターMFパウリーニョ、エリクセン
両方とも、セカンドトップに点の獲れる選手を置き、センターMFには攻撃センスがあって前にパスが出せるエリクセンを起用する、というものです。現在、ソルダードの後ろに入る機会が増えているホルトビーはいい選手なので、彼を固定して使い、多少我慢もしながら完全に定着させるというのもひとつのアイデアですが、トップ下をまかせるにはシュートや前線への飛び出しが少ないのが難点です。むしろタウンゼントやラメラなど、シュートが打ててFWとしての動きもできる選手を置いたほうが、先々、ブレイクする余地が大きいと考えたのですが、いかがでしょうか。現在のラメラをいきなり重要なポジションで使うのは難しいという声があるのは重々承知のうえで、それでもセリエAで15点を獲ったポテンシャルを眠らせておくのはもったいないと思う次第です。
すみません。「広く浅く」の私よりも、トッテナムサポーターの方のほうが、このあたりはご意見も思うところもあろうかと思いますので、このへんにしておきましょう。ひとつだけ気になるのは、ヴィラス・ボアス監督に、将来への展望や軸のようなものがないように見えるのですが、それはうがった見方なのでしょうか。大きなメンバーチェンジがあった今シーズンですが、プレミアリーグも10試合を消化しました。そろそろテストの季節も終わり、核となるメンバーとフォーメーションを明確にして熟成させていく時期に入っていかないといけません。トッテナムが、これからどう変わっていくのか。よくなるほうに期待しながら、引き続き試合を観ていきたいと思います。
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This is crystal clear. Thanks for taking the time!
I think you hit a bullseye there fellas!