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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.CITY×Norwich】怒涛の7ゴールに見る「マンチェスター・シティのトリセツ」ご紹介!

ノーウィッチファンの方には申し訳ないのですが、この試合は「驚きを通り越し、感動…をも突き抜け、思わず笑ってしまった」ゲームでした。7-0という、なかなか見ない結果自体もさることながら、ゴールシーンの多彩さがとにかくおもしろい!このゲームのハイライト映像に、この日なかったPKをつけたら、「これがマンチェスター・シティのゴールの獲り方見本です。どうです、魅力的でしょう?あなたもファンになりませんか?」とでもいうような、サポーター勧誘のパンフレットが完成します。プレミアリーグ第10節、マンチェスター・シティは完膚なきまでにノーウィッチを叩き、あらためてこのチームの怖さを世に知らしめました。この稿では、その7点をプレイバックしながら、これから当たる各チームのみなさんへの注意事項を添えたいと思います。

1点め:「サイドで数的優位にさせるのはやめましょう」
結果的にはオウンゴールでしたが、左サイドでどフリーになったクリシーがダヴィド・シルヴァからボールを受けた時点で、もう相当やばかったですね。クリシー、コラロフ、サバレタ、ナスリ、ヘスス・ナバス、ミルナー。マンチェスター・シティのクロスの正確さはプレミアリーグ屈指です。このゴールは、まだタッチライン沿いからのボールなので「危険度B」ですが、これがペナルティエリア脇に入り込んだ選手のグラウンダーとなると、危険度はA。プレミアリーグのクラブのなかでも、マンチェスター・シティがいちばんといっていいほど、このエリアを使います。SBがオーバーラップしてくるのを見たら、「中を抑えておけば大丈夫」などという横着な気持ちは捨てて、しっかり追いかけるようにしましょう。

2点め:「アグエロの裏への抜け出しに要注意(初級編)」
先週のプレミアリーグで、チェルシーは直接同点ゴールを決められましたが、アグエロはいつもDFラインの裏を見ています。このゴールの最大のポイントは、アグエロに縦に突破させてしまったことですが、もうひとつ留意点があるとすれば、「マンチェスター・シティはリアリスト揃いなので、強引に打っても無理そうならあっさりパス。パスを出すときは、ニアにいるゴールに近い選手」という鉄則です。スアレスやスタリッジ、ファン・ペルシなら強引に打ってきそうなところで、この日のアグエロは「ハットトリックなど興味ありません」とばかりに2本、さらっとパスを選択。そのパスも、エジルやルーニー、マタならおしゃれしちゃいそうなシーンでも、「まっすぐ、足元」です。この2点めは、ニアに走り込んだダヴィド・シルヴァに軽く落とし、スペイン代表のテクニシャンは教科書通りの左足シュートをクロスに決めました。

3点め:「セットプレイのご提供は少なめに」
ナスリのCKから、ナスタシッチがヘッドで競り勝ち、あっさり3点めです。このゴールはよく見ると、DFに当たってコースが変わったようで、GKグザンはやや不運でした。いずれにしても、ダヴィド・シルヴァ、ヤヤ・トゥレ、ナスリ、ヘスス・ナバスと、正確なプレースキッカーをこれでもかと揃えたマン・シティに、むやみにセットプレイのチャンスを渡すのは自殺行為です。

4点め:「もう1回いいます。アグエロの裏への抜け出しに要注意(中級編)」
これこれ、これです!ヤヤ・トゥレの浮き球スルーパスを、裏に抜けてゴールエリア右脇で受けたアグエロは、「ゴールまで数メートル、前にいるのはGKのみ」という状況からでも何の躊躇もなく中のネグレドの足元に強いグラウンダー。「私、失敗しないから」とでもいいたげな、心憎いばかりのリアリズムです。

5点め:「ヤヤ・トゥレにFKを決められても落ち込まないこと」
ペナルティエリア外、やや左。ゴールまで20メートル前後。このエリアでレフェリーにファールの笛を吹かれたDFを観ると、思わず深く頭を垂れて、両手を合わせ「残念ですが…」とつぶやいてしまいます。このうえは、FKからのゴールを防ぐことを考えるより「どうやって次の1点を獲るか」に頭を切り替えましょう。そのくらい、ヤヤ・トゥレの直接FKの精度は高いです。壁をずらすなり、ゴールにDFを入れるなりの極端な「ヤヤ・トゥレシフト」を取る、というのは興味深い作戦ではありますが、何のことはない、そうなったら涼しい顔をしてダヴィド・シルヴァが左足で決めてくるので、徒労感が深まるだけです。「マンチェスター・シティのピッチはペナルティエリアが他のクラブの1.5倍広い」と腹をくくって、ファールをやめるか、彼らよりも多く点を獲るかをいさぎよく決めたほうが賢明というものです。

6点め:「間違ってもクリアをアグエロの前に出さないように」
合理的で、常にゴールの確度が高い方法を選ぶアグエロですが、彼のシュートは人一倍正確で、とりわけボレーは絶品です。この6点めのシーンは、ダヴィド・シルヴァに左からほぼフリーでクロスを入れられた時点で危険度Aですが、中途半端なクリアがアグエロの足元にいったことで、完全に「終了」です。もっとも、この日のノーウィッチにしてみれば、ここまでやられればもはや戦意喪失で「反省しても仕方ない」という気分なのかもしれませんが。

7点め:「ジェコの後ろ向きトラップはシュートの合図」
ジェコが中央でDFを背負ってトラップしたときは、間違いなく振り向きざまにシュートを打つことを考えており、問題は「どちらから振り向くか」だけです。ノーウィッチのDFは間合いを詰めようとしましたが、ここは足を出してシュートをブロックすることだけを考えたほうがよかったと思われます。

どうでしょう、みなさん。マンチェスター・シティサポーター以外の方々は、胸に手を当てて、自分の愛するクラブが過去にどういうシュートでやられたかを振り返れば、いくつか思い当たるシーンがあるのではないでしょうか。以上、プレミアリーグにおける最大のライバルに対して最高のリスペクトを込めた「マンチェスター・シティ サポーター募集のご案内 2013年秋版」でございました。ふう。7点分書くのはそれなりに大変です。

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“【MAN.CITY×Norwich】怒涛の7ゴールに見る「マンチェスター・シティのトリセツ」ご紹介!” への5件のフィードバック

  1. 浮気性なリバサポ より:

    鬱々とした気持ちが少し晴れました。どうもありがとう。
    ……ってよく考えたらまだシティ戦消化していない、はぁ……。

  2. makoto より:

    浮気性なリバサポさん>
    ありがとうございます!今年のリヴァプール、いいじゃないですか。前と後ろは本当によくなったので、マンチェスター・シティ戦も戦い方を間違えなければ、充分いけると思いますよ!

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