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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ベニテス退任発表、ランパードは交渉開始…プレミアリーグの監督トピックス!

ニューカッスルが、ラファエル・ベニテス監督の退任を発表しました。「サポーターこそが最大の敗者」という刺激的な見出しを立てた「BBC」のフィル・マクナルティ記者は、別れの理由は指揮官とオーナーそれぞれが考える補強予算に大きなギャップがあったからと喝破しています。1年前のトランスファーマーケットで、1000万ポンドを下回る武藤嘉紀が最高額という渋すぎる補強(プレミアリーグ20クラブ中18位の低額!)しかしなかったマイク・アシュリー氏は、今年も投資をする気はさらさらなかったようです。

戦力不足のスカッドを強いられながら、クラブをプレミアリーグ残留に導いたベニテス監督は、元より補強において妥協しない監督です。マクナルティさんはバレンシア時代の名言「I hoped for a sofa and they bought me a lamp(ソファーを頼んだらランプが届いた)」を紹介しながら、アシュリーとベニテスの思惑がいかにずれているかを克明に記しています。補強予算6000万ポンド(約82億円)、年俸600万ポンド(約8億2000万円)の1年契約では、欧州制覇の経験があるスペイン人指揮官を納得させることはできなかったようです。「BBC」のジャーナリストは、「セント・ジェームズ・パークに集うサポーターは、低リスクの経営を楽しみに来るのではない」といいたかったのでしょう。

思うような補強ができない苦しみを味わうのは、ニューカッスルの新監督やウナイ・エメリだけではありません。補強禁止処分を喰らったチェルシーにやってくる指揮官も、アザールなきチームでプレミアリーグのTOP4をキープしなければなりません。本命と目されているフランク・ランパードについて、現在の雇い主であるダービー・カウンティが声明を発信しました。「チェルシーにランパードとの交渉を許可した。スタンフォード・ブリッジで空いているマネージャーに関するものである。両クラブともプレシーズンを目前としており、議論を迅速に終わらせるために」。41歳の若き指揮官は、チェルシー監督就任の条件として何を求めるのでしょうか。「若手を抜擢するなど、中長期的な強化を進めさせてほしい」という要望をアブラモヴィッチ氏とマリナ・グラフノスカイアさんが呑んだら画期的です。

新しいチャレンジを求めてユーヴェの誘いを受けたマウリツィオ・サッリ前監督は、エデン・アザールを活かす難しさについてこう語っていました。「アザールは変化をもたらすことができる存在。われわれは、彼に対応しなければならなかった。明確な対策が必要なほど、守備の問題を引き起こしていたから」。プレミアリーグ16ゴール15アシストという出色のスタッツを残した絶対的エースは、4-3-3をベースとするサッリボールの美学を変容させるほどの劇薬だったというわけです。アザールの弱点を埋めつつ、マルコス・アロンソに最適な役割を与えたコンテの3-4-3は、秀逸なアイデアだったのだなとあらためて思います。

ランパードがチェルシーを選べば、サッリとは逆の悩みに直面することになります。「個の力で決められるアタッカーがいれば…」。守備力と連携のクオリティを高め、サイドアタックやカウンターでゴールを奪いにいくとなれば、ポゼッションをベースとした昨季のプレミアリーグとは違う戦い方を選ぶ可能性が高そうです。ズマ、バカヨコ、ヴィクター・モーゼス、バチュアイ、タミー・アブラハム、メイソン・マウントらをチームに加えることができ、ドリンクウォーターやアンパドゥも戦力化するなら、3-4-1-2や3-4-2-1といった布陣も現実的になります。

ジルー、バチュアイ、タミー・アブラハム、プリシッチ、ペドロ、ウィリアン、ロス・バークリー、メイソン・マウント…。長期離脱中のハドソン=オドイとロフタス=チークも年明けには戻ってきてくれるはずで、現有戦力のみでもまずまず戦えそうです。次にいつ来るかわからないチャンスと見るか、時期尚早と踏み止まるか、ベニテスと同じ判断をするか…。レジェンドの決断に注目しましょう。

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