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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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マンチェスター・ユナイテッドのこだわりは…「BBC」が報じたワン・ビサカ移籍交渉の舞台裏!

スウォンジーに所属していたウェールズ代表MFダニエル・ジェームズを1500万ポンドで獲得したマンチェスター・ユナイテッドが、この夏2人めの新戦力獲得に漕ぎ着けました。クリスタル・パレスの右SBアーロン・ワン・ビサカ。3500万ポンドから始まったオファーは、一時はサウスロンドンが断ったと報じられた5000万ポンド(約68億円)で妥結したようです。マンチェスター・ユナイテッドが前払いで4500万ポンドを出すと伝えた「BBC」は、ポグバ、ルカク、ディ・マリアに次ぐクラブ史上4位の高額移籍と報じています。

11歳でクリスタル・パレスのアカデミーに加わったワン・ビサカは、2018年2月に行われたプレミアリーグ28節のトッテナム戦でデビュー。2017-18シーズンは、出場した7試合のうち4試合がビッグ6という印象深いシーズンで、ワールドクラスとの駆け引きによってステップアップの足がかりをつかみました。ロイ・ホジソン監督の信頼を勝ち取った2018-19シーズンに、21歳の生え抜きSBはブレイクします。2節のリヴァプール戦でいきなりレッドカードをもらう波乱のスタートでしたが、1試合のサスペンデッドでスタメン復帰。プレミアリーグ35試合出場、タックル成功129本はリーグ3位、インターセプト84回はカプェに次ぐ2位という秀逸なスタッツを残しており、守備力と予測力の高さを発揮した1年でした。

2017年の夏にマンチェスター・シティに加わったカイル・ウォーカーがSBとして史上最高額の5400万ポンド、同じ年にプレミアリーグに参入したバンジャマン・メンディが5200万ポンド。ワン・ビサカの5000万ポンドは、歴代3位の高評価となります。クリスタル・パレスで得ていた週給1万ポンド(約137万円)は、8万ポンド(約1090万円)にジャンプアップ。クラブ、個人とも合意に達し、24時間以内にメディカルチェックが行われる見通しです。

「BBC」の記事で興味深かったのは、マンチェスター・ユナイテッドとクリスタル・パレスの交渉経緯です。これまでは、5000万ポンドのオファーに対してプレミアリーグ12位が「安い」と拒否したと伝えられておりましたが、バトルが繰り広げられたポイントは移籍金総額ではなかったそうです。両者がこだわったのは、ウィルフリード・ザハの売却時の契約。2015年2月、クリスタル・パレスが600万ポンドでスピードスターを買い戻した際に、「次にザハを売ることがあれば、マンチェスター・ユナイテッドが移籍金の25%を受け取る」というセルオン条項が含まれており、クリスタル・パレスはこの料率を減らしたい(あわよくばチャラ…)と申し出ていたようです。

これを入れたからこそ安価で売ったのだと、マンチェスター・ユナイテッドは突っぱねたとのこと。「BBC」は、ザハが売却されるまで「4年前の遺恨」は議論のネタになるだろうと報じています。商談成立の報に「クリスタル・パレスは5000万ポンドを断ったんじゃなかったの⁉」と思いましたが、なるほど、それなら納得です。5月にマンチェスター・ユナイテッドが再度ザハを買い戻すという話が出回りましたが、評価額が6000万ポンドなら4500万ポンドでゲットできるというわけですね。選手の売買における交渉ノウハウや契約条件の話は、なかなか奥が深いとあらためて感じた次第です。

すったもんだの末、期待のヤングスターを手に入れることができたようで、何よりです。次の話題はポール・ポグバかブルーノ・フェルナンデスか。マンチェスター・ユナイテッドサポーターは、この先6週間ほど落ち着かない夏を過ごすことになりそうです。

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