彼らはなぜ負けないのか…!? 数字で見るリヴァプール【後編】
まずは、後方に構えるワールドクラスを見ていきましょう。最初に紹介したい素晴らしいスタッツは、アリソン・ベッカーです。前半戦の負傷の影響で16試合出場に留まりながら、クリーンシート8試合はプレミアリーグNo.1。クリーンシート率50%も当然のTOPです。40本のオンターゲットのうち34本をストップしており、シェフィールド・ユナイテッドのディーン・ヘンダーソンの75.3%を大きく上回るセーブ率85%は、まさに別世界。90分あたりの失点も、2位ヘンダーソン(0.87)の半分以下となる0.39という驚異的な数字で、15勝1分も納得です。
守護神の数字が秀逸なのは、堅守と攻撃力を併せ持った最終ラインのサポートによるところも大きいでしょう。今季プレミアリーグのパス本数TOPは、1972本のヴィルジル・ファン・ダイク。2位はトレント・アレクサンダー=アーノルドの1646本で、逆サイドのアンディ・ロバートソンは1620本で3位につけています。ボールタッチでは順位が変わっており、1位アーノルドは2457、2位ファン・ダイクは2229、3位ロバートソンは2181。21歳の右SBは、プレースキックでバロンドール候補のCBに差をつけているのでしょう。
昨季プレミアリーグで23アシストの両SBは、2019-20シーズンも快調に数字を伸ばしています。シーズン12アシストというDFとしてのレコードを持つアーノルドは現在10アシストでリーグ2位、ロバートソンも6アシストで8位につけています。アーノルドの247本のクロスは、リーグTOP。セットピースで武器になるファン・ダイクのヘッドは既に4発決まっており、最終ラインで7ゴールはアーセナルをひとつ上回るプレミアリーグNo.1です。安定的なビルドアップと疲れを知らないオーバーラップ。セットピースから11ゴール(2位)という数字も、キッカーのアーノルドとフィニッシャーのファン・ダイクを抜きにして語れません。
ビルドアップについては、こちらのスタッツにも着目しておきたいと思います。アリソン249、ファン・ダイクが127、アーノルドは122、ヘンダーソンが93。リヴァプールのロングフィード1551本のうち、38%を占める591本がこの4人から出ています。中盤からの楔が入らなければ、後方から1発で3トップを動かせるのも、彼らの強みのひとつです。
さて、前線に目を移しましょう。モー・サラーのシュート数81、オンターゲット35本はいずれもTOP。フィルミーノは74本のシュートを放ち、ラウル・ヒメネスに次ぐ3位にランクインしています。3トップのスタッツで気になるのは「ビッグチャンスにおけるミス」。マネが15回で2位、フィルミーノは13回で6位、サラーも8つのミスを記録しています。ちなみにマン・シティを見ると、ガブリエウ・ジェズス15、スターリングが11、アグエロが8回と好勝負。レッズの3人がもっとチャンスを活かしていれば…いや、勝ち点を2つしか落としていないチームに「たら・れば」は必要ありませんね。
以上、2019-20シーズンのリヴァプールがいかに素晴らしいかを数字で紹介させていただきました。彼らに足りないパーツがあるとすれば、ケヴィン・デブライネの超絶プレーメイクと、ジャック・グリーリッシュのミドルシュートでしょう。中盤の得点力UPは、シェルダン・シャキリ、ナビ・ケイタ、オックスレイド=チェンバレンに託したいところなのですが…。残り14試合は、前半戦で不遇だったアタッカーたちの巻き返しに注目しましょう。
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更新ご苦労様です。
今シーズンは最小得点差をモノにする勝負強さが際立ってますね。ヴィラ戦の劣勢に中から同点、アディショナルタイムのマネの劇的ゴールなどは、チームとして諦めない姿勢のあらわれかと思います。以前のチームならこうはいかなかったですね。あとは選手が怪我で欠けても、代役がしっかり仕事を引き継ぐ点がチームとして強くなっている証ではないでしょうか。GKやCBにアンカーが欠けたスクランブル時でも、アドリアンにゴメスにヘンダーソンとしっかり仕事をこなしてくれました。いよいよ30年ぶりのタイトルが現実味を帯びてますが、私はシャキリとララーナの活躍がもっと観たいですね。
管理人さんがおっしゃる通り守備は文句ないんですが攻撃に関してはまだまだ調子が上がってない感じがするんですよね。
ファンからするとそこがなかなか強い!って思えない部分だと思います。
それでこの成績なんですから本当に驚きです。
これからもっと前線の精度も上がればプレミア無敗優勝とCL連覇の偉業も夢ではないと思うので期待してます。