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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

彼らはなぜ負けないのか…!? 数字で見るリヴァプール【前編】

プレミアリーグ24戦23勝。クロップ監督率いるリヴァプールは、史上最強ともいわれています。世界屈指の守護神アリソン、最終ラインを統率するファン・ダイク、オーバーラップが脅威となっているアーノルド&ロバートソン、中盤の底を仕切るファビーニョ、運動量豊富なワイナルドゥム、攻守のバランスが秀逸な主将ヘンダーソン、破壊力抜群の最強3トップ。無敗で快走するプレミアリーグ首位チームの強さをフラットに把握するべく、あらためて2019-20シーズンのスタッツをチェックしてみたいと思います。まずは、チーム全体の数字から追ってみましょう。

最初に目につくのは、今季プレミアリーグ最少の15失点とクリーンシート10試合です。シュートブロック47回はマン・シティの次に少なく、イエローカード24枚もレスターと1枚差の19位。PKを1度も与えていないのは、リヴァプールとニューカッスルのみです。不利な態勢になる前にボールを刈り取り、攻撃に転じるスタイルを徹底できているのが、これらの数字からもわかります。

攻撃に関するスタッツをひとことで表現すると「偉大なる2位」。プレミアリーグ56ゴール、パス本数14802本、オンターゲット147本、ポゼッション58.3%は、すべてマンチェスター・シティの後塵を拝しており、セットピースからの11ゴールは、12発のニューカッスルに次ぐ数字です。主要スタッツで唯一TOPなのはカウンターからのゴールで、レスターと並ぶ6発はマン・シティの2倍。リヴァプールが昨季王者に19ポイントの差をつけている最大の理由は、ファン・ダイクやファビーニョを中心に組織化された守備力の高さであることは間違いありません。

レッズの戦術が反映された特徴的な数字をいくつか拾ってみましょう。ボックス内からのシュート比率64%がリーグTOPで、ボックスの外からのミドルは28%で19位。ラシュフォードやフレッジ、マクトミネイ、マティッチが遠めから狙うシーンが多いマンチェスター・ユナイテッドが48%をボックス外から打っているのに対して、既に16アシストを記録しているアーノルドとロバートソンのクロスが武器のレッズは、ボックスの周囲を連携で崩してワンタッチゴールで仕留める形を徹底しています。

今季から増えたのは、ファン・ダイクやヘンダーソン、アーノルドらがロングフィードを前線に合わせるシンプルなアタックです。2018-19シーズンのロングフィードは2250本で、1試合あたり59.2本はリーグ15位。今季は既に1551本で1試合あたり64.6本に増えており、6位にジャンプアップしています。他のビッグ6とレスターは、すべて1300本に満たず15位以下を占めており、ポゼッションとロングフィードを両立させているのはレッズだけです。トータルにデータを見ると、クロップ監督が意図的にロングを入れさせているのがよくわかります。

今回、あらためてスタッツをチェックしたなかで、最も興味深かったのはこちらです。「1試合あたりの被ファール7.4と、ファール数8.3はいずれも最下位」。リヴァプールの試合は、最も止まらないスリリングな90分ということになります。奪われた瞬間、前で囲い込む守備によって不利なシチュエーションになりにくく、ボールを持つタイプがサラーのみで大半の選手が当たられる前にさばくので、ファールが少ないのではないかと思われます。

尖った数字が多いリヴァプール。プレミアリーグの公式サイトや、現地の分析記事などからスタッツをチェックする作業はテンションが上がります。後編では、個人記録にフォーカスして無敵のチームをリスペクトしたいと思います。主役は、GKと最終ライン。ご期待ください。

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