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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Saints×Arsenal】ついに首位陥落か…フラミニの一発レッドで勝利を諦めたアーセナル、痛恨のドロー

いつも思うのですが、ヴェンゲル監督のハーフタイムの指示は、プレミアリーグナンバーワンなのではないでしょうか。アーセナルの試合では、前半ひどい内容の試合をしていても、後半に入ると別なチームに生まれ変わったように戦う集団が出来上がっているのをよく目にします。この日のセインツ戦も、最悪の前半の後、たった7分で2発ゲットし、あっけなく1点のビハインドをひっくり返しました。ロッカールームでの10数分を、アーセナルの選手たちはどう過ごしているのか、ぜひ教えてほしいものです。

とはいえ、プレミアリーグ首位チームの勝ちパターンだったこの日のゲームは、2-2のドロー決着でした。これはアーセナルが落としたというより、セインツが粘ったといったほうがいいでしょう。ケガ明けのワンヤマはコンディションが上がっておらず、リッキー・リー・ランバート、デヤン・ロブレン、オズバルドら主力を欠いたセインツでしたが、前半の彼らは素晴らしいのひとこと。圧勝したマンチェスター・シティでも3点を獲られたアーセナルの強力攻撃陣に、ここまで何もさせなかったチームはありません。21分にフォンテのヘッドで先制し、アーセナルDF陣の再三のミスを突いてギャラガーやララナがきわどいシュートを放つなど、一方的な試合展開。アーセナルのチャンスは、前半終了直前、CKに飛び込んだコシールニーが至近距離から放ったシュート1本です。セインツは理想的な展開で45分を終え、後は今まで通りに同じ時間の長さを過ごせばいいだけでした。

アーセナルは、結果的にモンレアルの起用が裏目に出ましたね。8分にペナルティエリア内でボールを奪われてギャラガーのシュートを喰らい、先制点のシーンでは左SBルーク・ショーのクロスへの対応が遅れ、フォンテに競り負けてしまいました。37分にギャラガーが外してくれて事なきを得た大ピンチの原因もモンレアルで、後半に入ってからも不用意なパスを獲られるシーンが目立ちました。ドローに終わった犯人探しをすれば、最初に彼の名前を挙げざるをえません。

今日はセインツの日かと思われたゲームは、後半、ハーフタイムにヴェンゲル・マジックを受けたであろうアーセナルが豹変し、前半とは別な戦いになります。48分、モンレアルのクロスが逆サイドに流れたところを、サニャが拾って縦に突破。シュート性のクロスを、ジルーがインサイドで巧妙に角度を変えて左隅に流し、さっそく同点です。このシーンは、ジルーについていた吉田麻也が足を出さなければならなかったところ。デヤン・ロブレンの不在は、セインツ最大のネックです。

そして52分、右サイドをドリブルで上がったエジルのパスを受けたカソルラが、ペナルティエリア外から左足アウトにかけた絶妙なシュートを左サイドネットに決め、逆転。こうなると強いのが、5連勝中のプレミアリーグ首位チームです。ホームチームのサポーター以外の誰もが、セインツは本拠地セント・メアリーズで勝ち点ゼロに終わると思ったのではないでしょうか。そのくらい、この時間帯のアーセナルの切れ味は抜群でした。

しかし、セインツは踏ん張ります。ここで崩れなかった最大の理由は、逆転ゴールの2分後に追いついたことでしょう。アストン・ヴィラに敗れたプレミアリーグ開幕戦以降、マンチェスター・シティ以外にほとんど崩されていなかったアーセナルDF陣は、イングランド代表コンビに完璧にやられてしまいました。左サイドから得意のドリブルで仕掛けるジェイ・ロドリゲスにサニャがかわされ、カバーに入ったメルテザッカーの股間を通すラストパスが、フリーで走り込んだララナの足元に届きます。彼のシュートはGKシュチェスニーに当たりますが、GKの目の前で強く打たれれば、多少のディフレクションでは枠外にボールが出ていくことはありません。後半開始から10分もしない間に、両チーム合わせて3発が決まり、2-2です

ここから優位に立ったのは、セインツのほうでした。アーセナルはパスミスが多く、60分に単独突破を仕掛けたエジルが左足シュートをバーに当てた以外、これといったチャンスはありません。そして首位チームが勝ち点を失うことを覚悟したのは、81分のフラミニの一発レッドです。大したピンチでもない場面で、意味のない両足タックルを仕掛けたフラミニの不用意なプレイに、レフェリーは容赦ありませんでした。ラスト10分を切り、ポドルスキやベントナーの投入で勝ち越し点を奪おうとしていたはずのヴェンゲル監督は、10人になったことでゲームプランの変更を余儀なくされ、不安定だったモンレアルのサイドにSBギブスを充てて、勝ち点ゼロの回避に走ります。結果、ドロー。トッテナムと当たるマンチェスター・シティはわかりませんが、チェルシーはウエストハムには負けないでしょう。アーセナルは、明日の夜、長く守ってきたプレミアリーグ首位の座を明け渡すことになりそうです。

いや、セインツ、がんばりましたね。ホームチームらしくアグレッシブで、ジェイ・ロドリゲス、ギャラガー、ララナを中心とした攻撃はよかったと思います。一方、気になったのは、吉田麻也のマークの緩さ。同点ゴールのシーンだけでなく、彼の「強く当たれない弱さ」がセインツのピンチの元凶になっていたように思います。能力の問題もあるかもしれませんが、まだ、体のなかに眠っている闘志と集中力を前面に出せていないのではないでしょうか。今となっては、失うものなどないので、とにかく持っているものを出しきってほしいですね。ロブレンはともかく、フォンテをベンチに追いやるくらいなら、できないことはないと思います。

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“【Saints×Arsenal】ついに首位陥落か…フラミニの一発レッドで勝利を諦めたアーセナル、痛恨のドロー” への3件のフィードバック

  1. ちくちく より:

    自分は実はガナファンなので、これは本当に悔しいです。何が悔しいってこのパターンでシティとチェルシーが3ポイント取りのがす事はあり得ない!!と思います。その勝負強さに、嫉妬。。マタ加入のユナイテッド記事も楽しみにしております!

  2. ちくちく より:

    自分は実はガナファンなので、これは本当に悔しいです。何が悔しいってこのパターンでシティとチェルシーが3ポイント取りのがす事はあり得ない!!と思います。その勝負強さに、嫉妬。。マタ加入のユナイテッド記事も楽しみにしております!

  3. makoto より:

    ちくちくさん>
    ミッドウィークのゲームは、開始時間がほぼ同時なので観戦が大変です(笑)。アーセナルは、残念でしたね。あれだけセインツにがんばられると、厳しいです。12月にマン・シティも引き分けたチームですから。

    マンチェスター・ユナイテッドの記事は本日夜、UP予定です。ぜひ、読んでいただければと思います。よろしくお願いいたします。

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