偏愛的プレミアリーグ見聞録

GK/イラリオ、DF/クリステンセン、カラス、ナタン・アケ、MF/ミケル、ランパード、マティッチ、マルコ・ファン・ヒンケル、FW/サラー、シュールレ、デンバ・バ。さて、これ、どこのチームでしょう？…どうやら、日曜日のプレミアリーグでリヴァプールとの大一番を戦うチェルシーは、相当メンバーを落とすようです。上記のフォーメーションはイギリスメディア「メール・オン・サンデー」が予想したという、何とも極端なスタメンですが、ホントに3-4-3だったらびっくりですよね（筆者注：元の記事では「ミケルCBの4-5-1」とのこと。これでも思い切ってます）。

見た瞬間、思わず笑ってしまいましたが（チェルシーサポーターのみなさん、すみません）、どこまでやるかはともかくとして、チェルシーは現在、今季最大のピンチを迎えています。絶対的守護神、GKチェフは肩を痛めて今季はジ・エンド。テリー、エトー、アザールが負傷で、いつどのくらいで戻ってこられるかは不透明。ランパード、ミケルはアトレティコ・マドリードとのチャンピオンズリーグ準決勝第2戦は累積警告で出場停止。そして、ラミレスがサンダーランド戦の暴力行為を重くとられ、プレミアリーグ4試合出場停止でこちらもひと足先にシーズンオフです。アトレティコ・マドリード戦後に「スカイスポーツ」に語ったモウリーニョ監督のコメントが、緊張感たっぷりです。

「私ひとりで決めることはできない。クラブの考えを確認しなければならないだろう。私はただの監督であり、クラブの一部だ。それより大きいものではない。日曜日の試合は、私の手の中にない問題だ。われわれはイングランドサッカーを代表して、ヨーロッパで戦っている唯一のチームだ。（リヴァプール戦は）来週の水曜日にプレイしないであろう選手を出すと思う」

ああ、これは相当、チャンピオンズリーグシフトをかけるでしょうね。今季の大混戦プレミアリーグを締めくくるにふさわしい大激戦を期待していた私としては、非常に残念です。もうひとつの優勝候補、マンチェスター・シティも、ダヴィド・シルヴァとヤヤ・トゥレがアウト。優勝に向かってひた走るリヴァプールのサポーターのなかには、ヘンダーソン出場停止で青くなっていたところにライバルから続々とリタイアが出て、内心ほっとしている方もいるのではないでしょうか。

このうえは、プレミアリーグ代表のチェルシーにはぜひ、チャンピオンズリーグの決勝にいってもらいたいですね。対レアル・マドリードのモウリーニョ監督遺恨試合も、対バイエルン・ミュンヘンという2年越しのリターンマッチも、盛り上がるじゃないですか。スタンフォード・ブリッジで戦えるとはいえ、メンバーがぎりぎりで予断を許さない状況ですが、パリ・サンジェルマン戦で見せたモウリーニョマジックを、もう一度披露していただければと思います。

それにしても、日曜日のプレミアリーグを冒頭のメンバーで来られたら、ロジャース監督は逆に戦いづらいですね。日頃試合に出られない選手たちが活き活きと監督にアピールし始めたら、もしかして…。なかなかお目にかかれない、予測不能のフレッシュチェルシー。こちらもまた、観てみたい気がします。