偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグも大詰め…と、何回同じことをいっているのかと我ながら思います。残り2試合になっても、優勝の行方はまったくわからず。4月に入った頃は、リヴァプールVSマンチェスター・シティ、リヴァプールVSチェルシーの直接対決の結果次第で優勝が決まる見通しだったのですが、プレミアリーグからの降格回避に必死のチームの粘りで、ここまでもつれてしまいました。

本日から3日間は、負けたチームが脱落する「3強サドンデス」。とりわけ注目の試合は、今夜開催されるエヴァートンVSマンチェスター・シティです。マン・シティはこの試合に勝てば、残り2試合はホームで戦えるので、8割方優勝決定といったところでしょう。しかし、彼らが負けた場合はリヴァプール優勢。さらにリヴァプールも、5日にこのところ5勝1敗と絶好調のクリスタル・パレス戦が控えており、これにレッズが敗れると、はじめてチェルシーにチャンスがまわってくるという構図です。

とまあ、ここまでの話だけだと、「何だ、マンチェスター・シティで決まりじゃないですか」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、事はそう簡単ではありません。マンチェスター・シティは、エヴァートンの本拠地、グディソン・パークでのゲームに滅法弱いのです。プレミアリーグ創設以降、マン・シティは、マージ―サイドの青いスタジアムでは16戦でたったの2勝。その間の得点は、1試合あたり1点に満たない12にとどまります。

「昔のマンチェスター・シティはただの中堅クラブだったから…」という方には、もっと強烈なデータをご紹介しましょう。ここ4シーズンに限れば、アウェイでのマンチェスター・シティは何と4戦全敗、得点はわずか1点。ましてや今季は、さらに強くなったマルティネス監督のエヴァートンです。彼らにも、わずかながらチャンピオンズリーグ出場権獲得の可能性が残されており、マルティネス監督は「2連勝で例年のプレミアリーグ4位水準である勝ち点75に到達したい」と語っています。これはおもしろいですね。ダヴィド・シルヴァが復帰するマン・シティは、圧倒的不利という過去のデータに抗えるのか!?

リヴァプール（勝ち点80）　　　　　＝5/5クリスタル・パレス（A)、5/11ニューカッスル（H)
チェルシー（勝ち点78）　　　　　　＝5/4ノリッジ（H)、5/11カーディフ（A)
マンチェスター・シティ（勝ち点77）＝5/3エヴァートン（A)、5/7アストン・ヴィラ（H)、5/11ウエストハム（H)

こうなると、私の予想は「マンチェスター・シティとリヴァプールが敗れ、チェルシー逆転優勝」ですね。前節、アンフィールドでジェラードのミスによってチェルシーに敗れたリヴァプールは、ショックから立ち直れないまま、難敵クリスタル・パレスにやられてしまうのではないでしょうか。チェルシーのチャンピオンズリーグ敗退は、相手が相手だけにチームの雰囲気を悪くする要因にはならないでしょう。プレミアリーグ残留を賭けて必死といえども、ノリッジとカーディフならまず負けないはずのチェルシーが、最後の最後で上位2チームを差しきって頭差の勝利。競馬なら、こんな表現がぴったりです。

レッズサポーター、チェルシーサポーターのみなさん、今夜の1時半から、みなさんの運命をのせたゲームが始まります。レッズの優勝を願っている方々にとっては、同じ街のライバルであるエヴァートンを応援する機会など、なかなかないのでは？現在、プレミアリーグ優勝の行方を握っているのは、間違いなく「エヴァートンの意地の強さ」です。