偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグ2019-20シーズンも、残り9試合となりました。マン・シティがマンチェスターダービーで敗れたため、リヴァプールは2勝7敗で優勝決定。ペップ・グアルディオラにとって、シーズン7敗は指揮官としてのキャリアのなかでワーストレコードです。彼らがUEFAから喰らったCL出場禁止のペナルティについては、CAS（スポーツ仲裁裁判所）に上訴中で、解除や延期になる可能性はゼロではありません。TOP4争いを続けているクラブは、5位でもOKとは考えないほうがいいでしょう。プレミアリーグ3位のレスターと7位シェフィールド・ユナイテッドの差は10ポイント。勝ち点48で4位につけているチェルシーが停滞モードに入れば、41のトッテナムや40のアーセナルにもチャンスがまわってきます。

一方、残留争いの結末はどうなるのでしょうか。この稿のテーマは、こちらです。最下位ノリッジは勝ち点21と苦しい状況に陥っており、残留ラインと6ポイント差。19位のアストン・ヴィラは25で、ウェストハム、ボーンマス、ワトフォードと2ポイントしか差がありません。29ポイントで15位のブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンまでが降格候補と考えていいでしょう。勝ち点35のニューカッスルと、34のサウサンプトンにも可能性はありますが、全敗に近い戦績に陥らなければセーフの彼らを候補に入れるのは、残り5試合になっても現在と勝ち点が変わらないのを確認してからでいいでしょう。

ボトム6について、後半戦の戦績と今後の対戦相手をチェックしてみました。ノリッジは2勝3分5敗、アストン・ヴィラが2勝1分6敗、ボーンマス2勝1分7敗、ウェストハム2勝2分6敗、ブライトンは1勝6分3敗。5クラブが7～9ポイントの間に収まっているなかで、ワトフォードだけが4勝2分4敗と飛び抜けていますが、リヴァプールを潰したチームも直近6試合は1勝1分4敗と苦しい戦いを強いられています。今後の対戦相手が最も厳しいのはブライトンで、ホーム5試合のうち4つがアーセナル、マンチェスターの2クラブ、リヴァプールと強豪ばかり。最終節にはアウェイのレスター戦が組まれており、上位と5試合を残しているのは彼らだけです。

逆に上位との対戦が最も少ないのはノリッジで、アーセナル、チェルシー、マン・シティはすべてアウェイ。ホームゲームはセインツ、ブライトン、ウェストハム、バーンリー、エヴァートンで、ここから4勝が彼らのミッションです。彼らとウェストハムは、「直接対決」を3つ残しており、すべて勝てれば降格回避の可能性が高まります。下位との戦いがひとつもないのはボーンマスのみ。エディ・ハウ監督のチームは、マンチェスター勢とレスター、ウルヴス、トッテナム、エヴァートンと厳しい相手が多く、クリスタル・パレス、ニューカッスル、セインツという3つのホームゲームをものにできなければ、5シーズンぶりに下部リーグで戦うことになりそうです。

調子と相手関係を確認したところで、降格予想をしてみましょう。私の3チームは、ノリッジ、アストン・ヴィラ、ボーンマス。現在のボトム3が、そのままチャンピオンシップ行きとなるのではないでしょうか。ボーンマスは、プレミアリーグTOPの10人の負傷者が最大のネック。デヴィッド・ブルックスとジョーダン・アイブの長期離脱、ジョシュア・キングの不振、ソランケのノーゴールは、エディ・ハウにとって大きな誤算でした。4連敗中のヴィラは、ホームで戦える直接対決がゼロで、前半戦5ゴールのウェズレイを前十字靭帯断裂で失ったのも大きなマイナスです。

ノリッジも、今季プレミアリーグで11ゴールのプッキが決められなくなっており、後半戦はPK2発のみ。直近5試合で1ゴールのチームは、17位との6ポイント差を埋められずに終わる可能性大です。15位ブライトンから19位ヴィラまで4ポイント差の激戦は、どんな着地となるでしょうか。CL出場権争いの行方も気になりますが、こちらも目が離せません。エディ・ハウのボーンマスは残ってほしいのですが…。