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経営合理化と再建は新たな3人で…?アーセナルのサンジェイ電撃辞任の背景と狙いを探る。

バルセロナからやってきたヘッド・オブ・フットボールが、わずか2年半でアーセナルを去ることになりました。ラウル・サンジェイの辞任を発表した公式サイトは、同時に「ヴィナイ・ヴェンカテシャムマネージング・ディレクターがクラブを前進させる役割を担う」とアナウンスしています。プレミアリーグ2019-20シーズンを8位で終えたクラブは、コロナウイルス蔓延によるマッチデー収入激減という危機のなかで、収益性重視の経営に舵を切るようです。まずは、スタン・クロエンケとジョシュ・クロエンケが発したメッセージを紹介しましょう。

「ラウルは私たちとともに、多大な貢献をしてくれました。これからも、常にアーセナルファミリーの一員であり続けるでしょう。彼の奮闘と専門知識に感謝するとともに、今後の成功を祈っています」
「ヴィナイがクラブを前進させる適切な人物であることは間違いありません。現在の危機に際して、卓越したリーダーシップを発揮しており、クラブの内外で高い評価を得ています。私たちは、誰もが彼の下に結集し、成功に向かって突き進めると確信しています」

2018年2月にノースロンドンにやってきたラウル・サンジェイは、2ヵ月後のイヴァン・ガジディスCEO退任に伴い、フットボール面の最高責任者に昇格。マネージング・ディレクターのヴェンカテシャム、チーフスカウトのスヴェン・ミスリンタートとのトロイカ体制で、チームを運営していくことになりました。ディレクターが自分の上に立つことに不快感を示したアーセン・ヴェンゲル監督は、2017-18シーズンのプレミアリーグでTOP4に返り咲けず、シーズン終了後に辞任。サンジェイは、ウナイ・エメリ監督を招聘した際に中心的な役割を果たしたともいわれています。

3人のエキスパートによって、新たなクラブに生まれ変わるかと思われたアーセナルに亀裂が入ったのは、2019年2月でした。スヴェン・ミスリンタートが1年3ヵ月で辞任。オーバメヤン、ムヒタリアン、ベルント・レノ、ルーカス・トレイラといった即戦力をお買い得価格で連れてきた敏腕スカウトは、精緻なデータ分析とフラットな評価による補強に定評があったのですが、ネットワーク重視のサンジェイとことごとく対立してしまったとも伝えられています。2019年の夏には、サンジェイの意向を受けたエドゥがテクニカルディレクターに就任。7200万ポンドという大金が必要なニコラ・ペペは、ミスリンタートなら手を出さなかったでしょう。

アーセナルを自分のカラーに染め続けたサンジェイの立場を難しくした3本の矢は「経営不振」「コロナウイルス」「エドゥ」だったのではないかとにらんでいます。4シーズン連続でチャンピオンズリーグ出場権を逃したため、収益を伸ばせなかったクラブは欧州の売上ランキングTOP10から陥落。スポンサー開拓が思うように進まず、厳しい状況に追い込まれていたところにコロナウイルスが乗っかり、頼みの綱だったマッチデー収入まで失いました。

潤沢な資金があったバルセロナで辣腕を振るったスペイン人のビジネスマンは、守りの経営には向かないと判断されたのかもしれません。補強に予算を割けない状況では、有力な選手を口説き落とすことができるエドゥとアルテタがいればOKで、サンジェイのネットワークの価値は下がってしまったはずです。

先日発表された55人の解雇は、今回のサンジェイ辞任と係り結びだったのではないでしょうか。オーナーサイドは、10年かけて信頼関係を築いてきたヴィナイ氏と、クラブOBのテクニカルディレクターに経営の合理化とチームの再建を託したのだと思われます。グーナーにとっても、悪い話ではないでしょう。クラブから政治が去り、残るべきプロフェッショナルたちによってシンプルに前進していく体制が整ったのですから。


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