2021.08.30 アーセナルの話題
選手の評価、采配、交代策…すべて失敗したアルテタ。今後も彼が適任なのか?
この日のマンチェスター・シティは、決していい出来ではありませんでした。いや、15分までに勝負が見えたので、「いい出来である必要がなかった」という表現のほうが妥当なのかもしれません。アーセナルの見せ場は、最初の5分のみ。オーバメヤンのクロスをセドリク・ソアレスが競った2分のチャンスと、スミス・ロウの中央を切り裂くドリブル、ウーデゴーアのサイドチェンジからティアニーのクロスをサカが膝に当てたシーンは、いずれも期待が高まるアタックでした。
最大の敗因は、アルテタ監督の人選と戦術でしょう。3バックにするなら、まずはウィリアム・サリバ…もとい、ビッグロンドンダービーでコンビを組んだホールディングとパブロ・マリに、スコットランド代表で前線へのフィードを担っているティアニーという組み合わせが最適だったのではないでしょうか。右のウイングバックはチャンバースかセドリク、左はサカ、センターにサンビ・ロコンガとジャカを並べ、ウーデゴーア&スミス・ロウの前にオーバメヤンなら、よりスムーズに戦えたはずです。
アルテタ監督の最初の過ちは、カラバオカップ2回戦のWBA戦でCBに入ったコラシナツと、右サイドのチャンバースを評価してしまったことでしょう。昨季プレミアリーグ王者とのアウェイゲームは、ポゼッション74%を記録したチャンピオンシップのクラブ(しかもU-21が6人)との一戦とは別物と考えるべきでした。付け焼刃だった3バック、いや5バックは、チャンバースがクロスの目測を誤ってギュンドアンのヘディングを許し、セドリクのクリアミスからフェラン・トーレスに難なく決められると、規律のない集団と化してしまいました。
アーセナルの5バックがいかに機能していなかったかは、スタッツが雄弁に物語っています。デュエルは8勝19敗。空中戦に至っては、11戦全敗!浮き球で勝負するのが得意でないチームに対して、後手に回っていたのがよくわかる数字です。ちなみに、ガナーズと同様に後半から10人で戦い、リヴァプールをPKのみに押さえたチェルシーは、DFとWBで起用された7人がデュエル31勝19敗で、負け越したのはリース・ジェームズのみ(ガナーズは勝ち越しゼロ)。ファン・ダイクやマティプと争うシーンが多かった空中戦も7勝9敗と踏ん張りました。
とりわけひどかったのはセドリク・ソアレスで、パス成功率44%、デュエルは8戦全敗、空中戦は5戦全敗、自らが上げたクロスはゼロ。前半は対面にいたジョアン・カンセロは、パス成功率91%、デュエル9勝1敗、空中戦5勝1敗という対照的なスタッツを残しています。彼と同じサイドを主戦場として、アシストを記録したグリーリッシュは、気持ちよくプレイできたのではないでしょうか。
アルテタ監督は、ジャカをアンカーに据えるという戦い方が失敗したのをわかっていたはずです。スミス・ロウやウーデゴーアに中盤からのフィードをチェックさせつつ、CBの前をしっかりカバーするというよくばり戦術は成立しませんでした。ハーフタイムのサカをエルネニーは、中途半端な交代策に見えました。攻撃の可能性を残すなら、セドリクをサンビ・ロコンガ、コラシナツをパブロ・マリの4-4-1。後半は守備が落ち着いたという収穫を残すなら、セドリクをエルネニー、ウーデゴーアをパブロ・マリ、ティアニーとコラシナツをスイッチさせて5バック続行という策がよかったのではないかと思います。
DAZNのプレミアリーグ解説でおなじみのベン・メイブリーさんは、「今日や、先週の試合でアーセナルとアルテタの評価を決めてはいけないと私は思っている。心配は心配だが、コロナや怪我の影響もあり、相手が世界一と二のチームだから、元からハードルが高かった」とツイートしています。「昨季終了で解任しないならこの3試合で解任したりするのはおかしい」というのは、ひとつの見識として理解するものの、試合内容とマネジメントが悪すぎはしないでしょうか。
プレミアリーグ王者との大事な一戦に、放出候補といわれていたコラシナツやエルネニー、メートランド=ナイルズが出場し、パブロ・マリ、サンビ・ロコンガ、マルティネッリは最後までベンチ。5-4-1で守ると思いきや、中盤の顔ぶれは攻撃的で、実際は5-1-3-1になってしまうちぐはぐな布陣。急造3バックは瓦解し、次につながる収穫もなし。ひとつ上にいるノリッジとの一戦まで時間があるこのタイミングで、適任と考えられる指揮官の了承を得られるのであれば、チームにポジティブなマインドか明快な戦術をインストールしてくれる存在にスイッチしてもいいのではないでしょうか。
ミケル・アルテタには、「レジェンドによる名門復活」という物語を期待しながら、ずっと疑問を抱いていました。あまりにも厳格で、可能性がある選手をオミットしすぎて、チームの一体感や個々のモチベーションを削いでいるのではないか、と。目の前の3連敗ではなく、1年8ヵ月の足跡を振り返れば、彼にはこのプロジェクトは難しいという結論を導く材料は充分揃っています。他の監督なら、例えばこんなチームでTOP4返り咲きをめざしていたかもしれません。
GKエミリアーノ・マルティネス、DFアーロンズ、ウィリアム・サリバ、ガブリエウ・マガリャンイス、ティアニー。2センターはトーマス・パーティーとルーカス・トレイラ、2列めはニコラ・ペペ、スミス・ロウ、サカ、最前線はオーバメヤン。グエンドゥジやパブロ・マリ、マルティネッリをうまく活かして、ラムズデール、ベン・ホワイト、サンビ・ロコンガを買わなくてすむようにすれば、ルカクと同等の移籍金が必要なビッグネームを手に入れることもできます。
ノリッジとバーンリーに勝ったとして、その向こう側に栄光に向かう道は続いているのでしょうか?大陸でもイングランドでも、ガナーズを強化してくれそうな指揮官が次のチームを探しています。アントニオ・コンテ、パウロ・フォンセカ、エディ・ハウ。グーナーのみなさんから「アーセナルらしくない」「お金がかかりそう」とブーイングが飛んできそうな方もいますが、果たして…!?
最大の敗因は、アルテタ監督の人選と戦術でしょう。3バックにするなら、まずはウィリアム・サリバ…もとい、ビッグロンドンダービーでコンビを組んだホールディングとパブロ・マリに、スコットランド代表で前線へのフィードを担っているティアニーという組み合わせが最適だったのではないでしょうか。右のウイングバックはチャンバースかセドリク、左はサカ、センターにサンビ・ロコンガとジャカを並べ、ウーデゴーア&スミス・ロウの前にオーバメヤンなら、よりスムーズに戦えたはずです。
アルテタ監督の最初の過ちは、カラバオカップ2回戦のWBA戦でCBに入ったコラシナツと、右サイドのチャンバースを評価してしまったことでしょう。昨季プレミアリーグ王者とのアウェイゲームは、ポゼッション74%を記録したチャンピオンシップのクラブ(しかもU-21が6人)との一戦とは別物と考えるべきでした。付け焼刃だった3バック、いや5バックは、チャンバースがクロスの目測を誤ってギュンドアンのヘディングを許し、セドリクのクリアミスからフェラン・トーレスに難なく決められると、規律のない集団と化してしまいました。
アーセナルの5バックがいかに機能していなかったかは、スタッツが雄弁に物語っています。デュエルは8勝19敗。空中戦に至っては、11戦全敗!浮き球で勝負するのが得意でないチームに対して、後手に回っていたのがよくわかる数字です。ちなみに、ガナーズと同様に後半から10人で戦い、リヴァプールをPKのみに押さえたチェルシーは、DFとWBで起用された7人がデュエル31勝19敗で、負け越したのはリース・ジェームズのみ(ガナーズは勝ち越しゼロ)。ファン・ダイクやマティプと争うシーンが多かった空中戦も7勝9敗と踏ん張りました。
とりわけひどかったのはセドリク・ソアレスで、パス成功率44%、デュエルは8戦全敗、空中戦は5戦全敗、自らが上げたクロスはゼロ。前半は対面にいたジョアン・カンセロは、パス成功率91%、デュエル9勝1敗、空中戦5勝1敗という対照的なスタッツを残しています。彼と同じサイドを主戦場として、アシストを記録したグリーリッシュは、気持ちよくプレイできたのではないでしょうか。
アルテタ監督は、ジャカをアンカーに据えるという戦い方が失敗したのをわかっていたはずです。スミス・ロウやウーデゴーアに中盤からのフィードをチェックさせつつ、CBの前をしっかりカバーするというよくばり戦術は成立しませんでした。ハーフタイムのサカをエルネニーは、中途半端な交代策に見えました。攻撃の可能性を残すなら、セドリクをサンビ・ロコンガ、コラシナツをパブロ・マリの4-4-1。後半は守備が落ち着いたという収穫を残すなら、セドリクをエルネニー、ウーデゴーアをパブロ・マリ、ティアニーとコラシナツをスイッチさせて5バック続行という策がよかったのではないかと思います。
DAZNのプレミアリーグ解説でおなじみのベン・メイブリーさんは、「今日や、先週の試合でアーセナルとアルテタの評価を決めてはいけないと私は思っている。心配は心配だが、コロナや怪我の影響もあり、相手が世界一と二のチームだから、元からハードルが高かった」とツイートしています。「昨季終了で解任しないならこの3試合で解任したりするのはおかしい」というのは、ひとつの見識として理解するものの、試合内容とマネジメントが悪すぎはしないでしょうか。
プレミアリーグ王者との大事な一戦に、放出候補といわれていたコラシナツやエルネニー、メートランド=ナイルズが出場し、パブロ・マリ、サンビ・ロコンガ、マルティネッリは最後までベンチ。5-4-1で守ると思いきや、中盤の顔ぶれは攻撃的で、実際は5-1-3-1になってしまうちぐはぐな布陣。急造3バックは瓦解し、次につながる収穫もなし。ひとつ上にいるノリッジとの一戦まで時間があるこのタイミングで、適任と考えられる指揮官の了承を得られるのであれば、チームにポジティブなマインドか明快な戦術をインストールしてくれる存在にスイッチしてもいいのではないでしょうか。
ミケル・アルテタには、「レジェンドによる名門復活」という物語を期待しながら、ずっと疑問を抱いていました。あまりにも厳格で、可能性がある選手をオミットしすぎて、チームの一体感や個々のモチベーションを削いでいるのではないか、と。目の前の3連敗ではなく、1年8ヵ月の足跡を振り返れば、彼にはこのプロジェクトは難しいという結論を導く材料は充分揃っています。他の監督なら、例えばこんなチームでTOP4返り咲きをめざしていたかもしれません。
GKエミリアーノ・マルティネス、DFアーロンズ、ウィリアム・サリバ、ガブリエウ・マガリャンイス、ティアニー。2センターはトーマス・パーティーとルーカス・トレイラ、2列めはニコラ・ペペ、スミス・ロウ、サカ、最前線はオーバメヤン。グエンドゥジやパブロ・マリ、マルティネッリをうまく活かして、ラムズデール、ベン・ホワイト、サンビ・ロコンガを買わなくてすむようにすれば、ルカクと同等の移籍金が必要なビッグネームを手に入れることもできます。
ノリッジとバーンリーに勝ったとして、その向こう側に栄光に向かう道は続いているのでしょうか?大陸でもイングランドでも、ガナーズを強化してくれそうな指揮官が次のチームを探しています。アントニオ・コンテ、パウロ・フォンセカ、エディ・ハウ。グーナーのみなさんから「アーセナルらしくない」「お金がかかりそう」とブーイングが飛んできそうな方もいますが、果たして…!?
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たしかに監督の手腕は疑問なんですが、はたして監督を替えたらどうにかなるレベルなのでしょうか……セドリクやマリの出来を見ていると、少しアルテタが可哀想に思えます。選手も監督も編成のどこから手をつけるべきなのか他サポの私も考えさせられるくらい、今のチームはヤバいですね
過去を振り返るのはやめましょう。
エミマルを残してレノを移籍させるなんて決断は当時の状況を鑑みれば出来なかったはず。
ここ最近の試合を観ていると監督交代は必要に感じますね。
自分はチェルシーファンですが、正直ランパードからトゥヘルになって明確にチームとして強くなりました。
監督の持つ戦術やモチベーションアップは、同じ陣容でも効果があることはブルーズが証明してると思います。
その分継続性とかはないんですけどね(笑)