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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

アストン・ヴィラ戦は完璧!アーセナルの守備が格段に安定した理由。

アーセナルの守備が格段によくなったと感じたのは、ニューイヤーズデー開催のマンチェスター・シティ戦でした。59分にガブリエウがレッドカードを喰らい、ラスト30分を10人で戦いながら、90分までPK以外のオンターゲットを1本も許さなかった試合です。追加タイムにロドリに決められ、1-2で敗れたものの、後半戦の巻き返しを期待できるナイスゲームでした。

あの試合を観た後、いつから守備が改善したのだろうとスタッツを調べてみました。プレミアリーグ15節のエヴァートンで逆転負けを喫した後、4連勝ではあったのですが、3-0快勝のセインツ戦は序盤からラムズデールが忙しかった試合で、ハマーズ戦はツォウファルが退場となっています。リーズはあまりにも守備が悪く、前半の3ゴールで終了。0-5で勝ったノリッジは、いかんせん最下位です。

なるほど。年末の4試合で14ゴールを決めており、守備を評価できるような展開が少なかったということがわかりました。

昨季プレミアリーグ王者に惜敗してからも、ガナーズの守備に注目していたのですが、明らかに相手に攻め込まれる展開が減りました。今ひとつの出来だったのは、枠に7本打たれたワトフォード戦と、珍しくラムズデールがニアに決められてしまったリヴァプール戦の後半ぐらいです。ガナーズの後方の安定感は、スタッツにも如実に反映されています。

今季プレミアリーグ28試合で打たれたオンターゲットは108本で、1試合あたり3.9本。ラムズデールがいなかった最初の3試合を引いても、25試合で90本は3.6本です。ところが、後半戦の9試合をピックアップしてみると、23本で1試合平均は2.6本。マン・シティとレッズを足して5本は、並のチームには残せない数字です。

アーセナルの守備がよくなった要因を、いくつか挙げてみましょう。セットピースの守り方の改善、ラムズデールのセービング。確かに、そうです。今季プレミアリーグでCKからの失点はゼロ。前シーズンのレノがセーブ率69.2%だったのに対して、新守護神は78.7%でリーグ3位です。しかしこれらは、通年の改善ポイントで、後半戦からよくなった理由としては説得力に欠けるでしょう。

最も大きいのは、トーマス・パーティーの好調とジャカのフィットではないでしょうか。今季のジャカは、開幕直後の混乱の後、ノースロンドンダービーに出ただけで負傷リタイアしてしまい、復帰したのは逆転で敗れたエヴァートン戦でした。一方、ケガで出遅れて3連敗の後に登場したトーマスは、尻上がりに調子を上げ、今や中盤になくてはならない存在です。

彼らの連携のクオリティが向上したことで、ベン・ホワイトに余裕が生まれ、得意の先読みでラインの裏に出るボールをケアできるようになりました。相棒への理解度と信頼感が高まったガブリエウも、危険なエリアにいる選手から目を離すシーンが減り、クロスを冷静に跳ね返しています。

「冨安がいないと厳しい」といわれていた右サイドで、セドリクがうまくやれるようになったのは、トーマスとベン・ホワイトのサポートがあるからでしょう。守備時は4-4-2、攻め込めるときは4-2-3-1、サイドアタックをケアしたい展開ではウーデゴーアが右に引いて4-3-3、試合を畳む時間帯はホールディングが加わり3-4-2-1。戦い方を共有できているチームは、最終ラインを崩される失点が激減しました。

アルテタ監督が就任した2018-19シーズン以降、プレミアリーグにおけるクリーンシートを数えてみると、8回、10回、12回。今季はラムズデールが12回、レノが1回で既に昨季を超えており、残り10試合の半分をゼロで抑えれば、2位フィニッシュだった2015-16シーズンの18回(チェフ16回!)に並びます。ラムズデールのクリーンシート率は50%。クリアできない数字ではありません。

10戦のうち8戦がロンドンで、長距離移動はニューカッスルのみのチームは、順調にTOP4に近づいています。インターナショナルブレイク明けのクリスタル・パレス戦も、最終ラインのパフォーマンスに注目しましょう。ヴィエラのチームも守備がいいので、シブい試合になりそうですね…。


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