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現地メディアがレポート!「ジンチェンコがアーセナルのプレースタイルにフィットする理由」

アーセナルがリサンドロ・マルティネスを獲りにいくと聞いたとき、「CBは間に合っているじゃないか」と思ったグーナーもいたのではないでしょうか。私も、記事の見出しに触れた第一印象は「もしかして、3バック!?」でした。ガブリエウ、ベン・ホワイト、ホールディング、ウィリアム・サリバがいて、冨安健洋もまわせるチームは、中盤センターの強化が最重要テーマだったはずです。

その後、アヤックスのCBはマンチェスター・ユナイテッドとの争奪戦となり、4300万ポンドという数字が出たあたりでガナーズのアクションは止まりました。リサンドロ・マルティネスを諦めると、セカンドチョイスはオレクサンドル・ジンチェンコ。なるほど、アルテタ監督とエドゥTDのターゲットは、当初より「左SBと中盤センターをこなせるレフティ」だったのかもしれません。

そんなことを考えながら、「スカイスポーツ」の記事を読むと、ますますジンチェンコが最適な人材に思えてきます。タイトルは、「Why Manchester City player fits Arsenal’s style of play under Mikel Arteta」。サム・ブリッツ記者が語る「マン・シティの左SBがアルテタのプレースタイルに合う理由」は、ジャカとジンチェンコのスタッツを比較する1枚の図に集客されています。

この興味深いレポートは、2人のレフティを並べる前に、アルテタ監督の補強の狙いを明確にしています。手薄だった左サイドの強化。フルバックはティアニー、センターはジャカだけだったエリアにユーティリティーの高い選手が必要というお話です。

「左SBにおいては、キーラン・ティアニーが過去2シーズン、重要な局面で長期離脱を余儀なくされている。昨夏、カバーする役割としてヌーノ・タヴァレスと契約したが、若いポルトガル人フルバックは大事な場面で苦戦。シーズン終盤には、左SBの序列でセドリク・ソアレスとグラニト・シャカに遅れを取ることになった」

「中盤では、ジャカがアルテタのチームの主力だが、彼の役割には競争相手がいない。トーマス・パーティー、モハメド・エルネニー、アルベルト・サンビ・ロコンガが中盤の底という同じポジションを争い、ジャカはNo.8をまかされている。ジャカ、マルティン・ウーデゴーア、3500万ポンドの新戦力ファビオ・ヴィエイラで中盤を構成するとなると、10番の経験者が2人もいるので、多少のリスクを伴うだろう」

ジンチェンコは2つのポジションを埋められる存在と主張するサム・ブリッツ記者が、比べる相手をティアニーではなくジャカにしたのは、彼らのプレースタイルに共通項があったからです。

「ミッドフィールドでのプレイは、ジンチェンコがインターナショナルレベルでいつも引き受けている役割で、アーセナルではジャカと競合することになる。昨季のそれぞれのヒートマップを詳しく見てみよう。ウクライナ人は左SBでプレイし、アーセナルの選手は中盤を仕切っていたのに、2人はピッチの同じ領域でプレイしていることがわかる」

スタッツを見ると、マン・シティでは地味だったジンチェンコがいかに素晴らしい選手かがよくわかります。90分あたりの前方へのパス本数は24.7対19.7、チャンスクリエイトは1.38対1.24、パス成功率は90.7%対87.8%と、パスに関する数字ではウクライナ代表が上回っています。

これだけだと、「攻撃力があるマン・シティだから」と見る向きもあるでしょう。しかし、守備のスタッツにおいてもジンチェンコは優秀です。90分あたりの空中戦勝利は1.29対1.04、タックル成功は1.21対0.69、インターセプトも1.21対0.81で完勝。守備の時間が少ないチームで出した数字には説得力があります。

昨季プレミアリーグで15試合しか出番がなかったマン・シティのSBは、90分あたりのタッチ数がリーグ3位でパス成功率は6位、ファイナルサードへのパス本数はTOPだったそうです。テクニックがあるチームメイトを3人選べといわれたカイル・ウォーカーは、「TOP3はジンチェンコ、マフレズ、ベルナルド・シウヴァ。2タッチゲームもヘッドテニスもうまい。デブライネ、フォーデン、カンセロを外したのは、あの3人には及ばないからだ」と答えています。

マン・シティ時代に、フルバックとしての戦い方をジンチェンコに叩き込んだ指揮官は、サイドでも中盤センターでもフィットすると確信しているのでしょう。最後に、アルテタが好むポイントをもうひとつ、紹介しましょう。ウクライナ代表のキャプテン。ウーデゴーアをはじめ、最近のアーセナルは「リーダーシップ採用」ですよね。


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