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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

現地メディアが警鐘!中盤と右サイドを補強しなかったアーセナルは、昨季の失敗を繰り返すのか?

マンチェスター・シティはドルトムントのCBマヌエル・アカンジ、リヴァプールはユヴェントスのMFアルトゥール、チェルシーもユーヴェからデニス・ザカリア。近年のプレミアリーグとチャンピオンズリーグを制したクラブは、デッドラインデーに精力的に動き、負傷者が出てしまったポジションを補強しています。

一方、プレミアリーグで5戦全勝と最高のスタートを切ったアーセナルは、ドゥグラス・ルイスを獲りにいったものの、アストン・ヴィラに3度めのオファーを拒否されてタイムオーバー。メートランド=ナイルズとベジェリンを放出しただけでマーケットを終えました。

ニコラ・ペペの後釜も、トーマスの代役も押さえなかったプレミアリーグ首位チームは、ヨーロッパリーグの開幕を控えているとは思えないソリッドなスカッドです。「トランスファーマーケットでやりたいことはまだまだある」といっていたアルテタ監督は、補強が進まなかったことをどう捉えているのでしょうか。「スカイスポーツ」のジャック・ウィルキンソン記者が配信したレポートから、指揮官のコメントをピックアップしてみましょう。

「何かが起こり、リアクションしなければならないことがときどきある。われわれはトライするとともに、クラブとチームにとって適切なプレーヤーという規律を守り続けた」

「これまで多くのことをやってきた。そしてこのスカッドは、まだまだやらなければならないことがたくさんある。獲得した選手に対する退団の多さを見れば、わかるだろう。クラブは驚異的な仕事をしてくれた。われわれが求めるすべての選手のプロフィールをテーブルに並べていた」

「しかし残念ながら、直近の72時間でトーマスが以前と同じところを負傷し、モー(エルネニー)は長期離脱となってしまった。われわれはマーケットでの対応を強いられた。今まで試行錯誤を続け、失敗から多くを学んでいる。最終的には、クラブにふさわしい選手を獲得しなければならない」

「われわれは、チームの成長を推進してきた。できる限りベストな選手を迎え入れようとがんばってきた。それは、一定のレベルで達成できたと思う。しかし今回は時間的な限界があった。必死に動いたけど、適切な選手を見出せなかった」

なるほど。「出さなければならない選手もいたから」ともいっていた指揮官は、チームの一体感と規律を重視し、余剰戦力が生じるのを嫌ったのでしょう。しかし、現状を見ると、明らかに中盤は人数が足りず、右サイドもサカの負担が大きくなっています。

各クラブの補強を総括した「スカイスポーツ」は、アーセナルについて「ガブリエル・ジェズス、ウィリアム・サリバ、ジンチェンコはチームに影響を与えており、いくつかのビジネスはよかった。しかし、負傷者の続出をカバーできずにポジションを下げた昨シーズンと同じ問題が、ポジティブなスタートを頓挫させる理由になるかもしれない」と指摘しています。

「先週あたりから、アーセナルは手薄になりつつある。これからは、平均すると3.5日に1試合のペースを超える。決して楽な戦いではない。次の6週間で、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナム、リヴァプール、マンチェスター・シティが予定されている」

「チェルシー、リーズ、ブレントフォードと、オランダ、ノルウェー、スイスへのヨーロッパリーグ遠征も控えている。アーセナルは成長するだろう。しかし必要な厚みがあるといえるのか?」

「今のアーセナルは、3人が並ぶ中盤ピボットの底にアルベルト・サンビ・ロコンガしかおらず、求めていた選手はいない。オレクサンドル・ジンチェンコ、グラニト・ジャカ、ベン・ホワイトはそこで機能するが、理想的なリストからはほど遠い」

トーマスが負傷してすぐに動いていれば、カンテやチアゴを失ったブルーズとレッズのような補強はできたのではないでしょうか。フラム戦で脇に預けるパスが目立ち、前への推進力を欠いたエルネニーを見て、アーセナルは中盤の右を補強すべしと感じたのを思い出します。トロフィーを得ずとも、プレミアリーグのTOP4を達成すればよしとするなら、「長期的なプランに必要な選手のみ獲得」というこだわりを貫いてもいいのかもしれませんが…。

オールド・トラフォードに乗り込むビッグサンデー。エリクセン、サンチョ、マラシアが殺到するエリアをカバーするのはサンビ・ロコンガか、あるいはベン・ホワイトか。1年限りになってもやむなしというドライな補強をよしとしなかったアルテタ監督が、どんなやりくりで危機を乗り越えようとするのかに注目したいと思います。


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