偏愛的プレミアリーグ見聞録

ジェイミー・ヴァーディの11試合連続ゴール、メスト・エジルの6試合連続アシストと、今季のプレミアリーグでは華々しい新記録が続々と飛び出しています。シブいところでは、セルヒオ・アグエロがプレミアリーグ通算85ゴールめを決め、同郷のテベスを抜いて「南米出身選手の最多ゴール」を達成。今季中に決まるであろう記録として、マンチェスター・ユナイテッドで172ゴールを積んだウェイン・ルーニーが、あと3つに迫っている「単一クラブにおけるプレミアリーグ通算ゴール数」という記録もあります。昨シーズンは、ジョーイ・バートンの7試合連続イエローカードや、ピーター・クラウチの「ヘディングで46ゴール」などといった微妙な記録やシブすぎる記録がありましたが、2015-16シーズンはこれぞレコードというべき王道ばかりです。これだけ揃えば、既にごちそうさま状態ですが、私たちは、さらに2つの偉大な記録を目撃するかもしれません。

ひとつめは、ペトル・チェフがアストン・ヴィラ戦でトップタイに並んだ「クリーンシート試合数」です。来週の月曜日にマンチェスター・シティとの2位3位対決を控えているアーセナルは、170試合というチェフの素晴らしい新記録達成とともに、勝利を祝いたいところです。これまでのレコードホルダーであるデヴィッド・ジェームズは572試合で達成したのに対し、チェフはたったの349試合！2試合やれば、どちらかは完封というものすごいペースで新記録にリーチをかけています。チェフがアーセナルでもレジェンドと呼ばれるような選手になれば、クリーンシートは300を超える可能性があり、誰にも破れない記録となるでしょう。マンチェスター・シティ戦が終盤まで0-0で進むような展開になれば、勝負に加えてチェフも気になるハイテンションな時間を過ごせそうです。

そしてもうひとつは、「6試合連続」「開幕から最短で10アシストに到達」と、アシスト記録を次々と塗り替えているメスト・エジルです。彼が次に達成しそうなのは、「シーズン最多アシスト」。こちらのレコードホルダーはクラブの大先輩ティエリ・アンリの20アシストですが、現在15試合出場で13アシストのエジルは、1月にあっさり並んでしまう驚異的なペースでゴールをお膳立てしているのです。

【プレミアリーグ　シーズン最多アシスト数ランキング】
1位/20アシスト　ティエリ・アンリ（アーセナル→2002-03）
2位/18アシスト　セスク・ファブレガス（チェルシー→2014-15）
2位/18アシスト　フランク・ランパード（チェルシー→2004-05）
4位/17アシスト　セスク・ファブレガス（アーセナル→2007-08）
5位/16アシスト　エリック・カントナ（マンチェスター・ユナイテッド→1992-93）
6位/15アシスト　スティーブ・マクマナマン（リヴァプール→1995-96）
6位/15アシスト　マット・ル・ティシエ （サウサンプトン→1994-95）
6位/15アシスト　ロベール・ピレス（アーセナル→2001-02）
6位/15アシスト　ノルベルト・ソラーノ（ニューカッスル→1999-2000）
6位/15アシスト　デヴィッド・ベッカム（マンチェスター・ユナイテッド→1999-2000）
6位/15アシスト　ダヴィド・シルヴァ（マンチェスター・シティ→2011-12）
　　13アシスト　メスト・エジル（アーセナル→2015-16）

というわけで、みなさん、ぜひ観てください。プレミアリーグ17節のアーセナルVSマンチェスター・シティは、「よくぞ、このタイミングに置いていただきました！」と拍手したくなるような、絶妙なマッチメイクとなりました。グディソン・パークのエヴァートンがレスター相手にがんばってくれれば、エミレーツで勝ったほうが首位に躍り出ます。アグエロ、コンパニ、アレクシス・サンチェスは間に合うか微妙で、カソルラとコクランがいないのも寂しいですが、ジルー、エジル、ウォルコット、デブライネ、ダヴィド・シルヴァ、ヤヤ・トゥレ、チェフ、ジョー・ハートと名前を並べるだけでも、否応なく盛り上がります。どちらが勝つと思いますか？いや、今回は予想はやめておきましょう。チェフの記録達成が頭から離れず、どうしても情が入ってしまいますので。