2023.02.22 アーセナルの話題
現地メディアの記者がデータ分析!「アーセナルが不振に陥った3つの要因」
アストン・ヴィラ戦は、追加タイムにジョルジーニョとマルティネッリが決めて2-4。劇的な勝利を目撃した多くのグーナーが、テンションMAXになったのではないでしょうか。マン・シティがノッティンガム・フォレストに引き分けたため、プレミアリーグ首位の座を奪還。アーセナルは、順調に歩を進めているように見えます。
しかし、引いた位置から戦況を俯瞰してみると、ノースロンドンダービーでスパースに快勝した後は2勝2分1敗。マンチェスター・ユナイテッド戦とヴィラ戦は、90分まで同点というきわどい勝利でした。一時はマン・シティと8ポイント差だったガナーズは、2ポイント差に詰め寄られ、テン・ハフのチームとも5ポイント差と接近しています。
アルテタ監督が指揮を執る首位チームは、なぜ停滞期を迎えたのでしょうか。ヴィラ戦の前に、「テレグラフ」のサム・ディーン記者が興味深い考察を配信しています。「The three key reasons behind Arsenal’s slump(アーセナルのスランプの裏にある3つの要因)」と題したレポートに掲載されている気になるデータを紹介しましょう。
ひとつめは、先発メンバーを変えた回数。プレミアリーグはレギュラー固定、ヨーロッパリーグと国内カップはサブ中心で戦っているアルテタ監督は、マン・シティ戦までの22試合で延べ16人しかスタメンを変えていません。TOPのチェルシーは79人!選手層が厚いビッグ6は、ガナーズ以外の平均が59人です。
19位のニューカッスルは23人で、ぶっちぎりの最下位。負傷者続出でメンバーを固定できなかったチェルシーとリヴァプールや、試行錯誤が続いたトッテナムに対して、ジェズス以外は全員元気だったガナーズは戦術の徹底度が高いチームでした。前半戦はアドバンテージだった「いつもの11人」は、タイトなスケジュールに突入した今、疲労の原因になってしまっているようです。
2つめのデータは、出場選手の平均年齢。1位フラムが28歳246日、2位ウェストハムは28歳160日、3位はトッテナムで28歳46日とロンドン勢が上位を独占しています。リヴァプール、マンチェスター勢、チェルシーが27歳台でTOP10に名を連ねるなかで、ガナーズの24歳255日はセインツと並んで最年少です。
勢いがあったヤングスターたちは、首位に立てば初めてプレッシャーと戦うことになります。「テレグラフ」の記者は、エヴァートン戦とブレントフォード戦は若手が低調だったとして、「ジンチェンコ、ジョルジーニョ、トーマス・パーティーなど、経験豊富な選手のリードで冷静さを保つ必要がある」とレポートしています。
さて、最も興味深いのは、左サイドの変化を物語る3つめの数字です。記者が立てた見出しは「ジャカとマルティネッリのドロップオフ」。2022年は16試合7ゴール2アシストだったマルティネッリは、年明けからのプレミアリーグ6試合をノーゴールで過ごし、ヴィラ戦のカウンターは久々の1発でした。
より変化が激しいのは、ジャカのほうです。マン・シティ戦の前までの公式戦30試合をチェックしてみると、最初の15戦は4ゴール3アシスト、直近の15戦はノーゴール2アシスト。シュート20本だった前半戦は、ボックス内から4発を決めているのですが、後半に入るとシュートは13本に減っており、ボックスに入って打ったシュートは3本のみです。
今季のアーセナルは、左右で別な顔を持つチームです。右サイドのサカ、トーマス、ベン・ホワイトは、「ハイクオリティな選手がフツーのフットボールをするサイド」。対して左サイドは、クセがすごい3人によるトリッキーなアタックがセールスポイントでした。
左SBのくせに中盤センターでプレイするジンチェンコ、セントラルMFなのにボックスに入り込んで決めるジャカ、ウイングながら中央にカットインして打つシーンが多いマルティネッリ。タイプが違う左右をつなぐのがウーデゴーア、両サイドに流れて決めるのがジェズス&エンケティアという布陣です。
前半戦はうまくいっていた左サイドは、ジャカとマルティネッリがおとなしくなってしまい、サイドアタックを喰らう頻度が高まりました。エヴァートン戦はサイドを封じられ、ブレントフォード戦で決めたのは代役のトロサール。マン・シティ戦は、自陣左サイドで奪われて2失点を喫しています。
テクニックはワールドクラスのジンチェンコは、守備は一流とはいえません。アルテタ監督のミッションは、ジャカとマルティネッリの復活と、ジャカとマルティネッリを休ませることです。ヨーロッパリーグが再開するなかで、トロサールやティアニー、スミス・ロウ、ファビオ・ヴィエイラを活かすプランBの開発は急務になっています。
今週末のプレミアリーグはアウェイでレスター、その次は敵地で敗れたエヴァートンをエミレーツに迎えます。40歳の若き指揮官は、ヤングスターたちとベテランを融合して、2つのビッグタイトルを手にすることができるでしょうか。マンチェスター・ユナイテッドが苦戦したレスターとの一戦は、左サイドに注目しましょう。
しかし、引いた位置から戦況を俯瞰してみると、ノースロンドンダービーでスパースに快勝した後は2勝2分1敗。マンチェスター・ユナイテッド戦とヴィラ戦は、90分まで同点というきわどい勝利でした。一時はマン・シティと8ポイント差だったガナーズは、2ポイント差に詰め寄られ、テン・ハフのチームとも5ポイント差と接近しています。
アルテタ監督が指揮を執る首位チームは、なぜ停滞期を迎えたのでしょうか。ヴィラ戦の前に、「テレグラフ」のサム・ディーン記者が興味深い考察を配信しています。「The three key reasons behind Arsenal’s slump(アーセナルのスランプの裏にある3つの要因)」と題したレポートに掲載されている気になるデータを紹介しましょう。
ひとつめは、先発メンバーを変えた回数。プレミアリーグはレギュラー固定、ヨーロッパリーグと国内カップはサブ中心で戦っているアルテタ監督は、マン・シティ戦までの22試合で延べ16人しかスタメンを変えていません。TOPのチェルシーは79人!選手層が厚いビッグ6は、ガナーズ以外の平均が59人です。
19位のニューカッスルは23人で、ぶっちぎりの最下位。負傷者続出でメンバーを固定できなかったチェルシーとリヴァプールや、試行錯誤が続いたトッテナムに対して、ジェズス以外は全員元気だったガナーズは戦術の徹底度が高いチームでした。前半戦はアドバンテージだった「いつもの11人」は、タイトなスケジュールに突入した今、疲労の原因になってしまっているようです。
2つめのデータは、出場選手の平均年齢。1位フラムが28歳246日、2位ウェストハムは28歳160日、3位はトッテナムで28歳46日とロンドン勢が上位を独占しています。リヴァプール、マンチェスター勢、チェルシーが27歳台でTOP10に名を連ねるなかで、ガナーズの24歳255日はセインツと並んで最年少です。
勢いがあったヤングスターたちは、首位に立てば初めてプレッシャーと戦うことになります。「テレグラフ」の記者は、エヴァートン戦とブレントフォード戦は若手が低調だったとして、「ジンチェンコ、ジョルジーニョ、トーマス・パーティーなど、経験豊富な選手のリードで冷静さを保つ必要がある」とレポートしています。
さて、最も興味深いのは、左サイドの変化を物語る3つめの数字です。記者が立てた見出しは「ジャカとマルティネッリのドロップオフ」。2022年は16試合7ゴール2アシストだったマルティネッリは、年明けからのプレミアリーグ6試合をノーゴールで過ごし、ヴィラ戦のカウンターは久々の1発でした。
より変化が激しいのは、ジャカのほうです。マン・シティ戦の前までの公式戦30試合をチェックしてみると、最初の15戦は4ゴール3アシスト、直近の15戦はノーゴール2アシスト。シュート20本だった前半戦は、ボックス内から4発を決めているのですが、後半に入るとシュートは13本に減っており、ボックスに入って打ったシュートは3本のみです。
今季のアーセナルは、左右で別な顔を持つチームです。右サイドのサカ、トーマス、ベン・ホワイトは、「ハイクオリティな選手がフツーのフットボールをするサイド」。対して左サイドは、クセがすごい3人によるトリッキーなアタックがセールスポイントでした。
左SBのくせに中盤センターでプレイするジンチェンコ、セントラルMFなのにボックスに入り込んで決めるジャカ、ウイングながら中央にカットインして打つシーンが多いマルティネッリ。タイプが違う左右をつなぐのがウーデゴーア、両サイドに流れて決めるのがジェズス&エンケティアという布陣です。
前半戦はうまくいっていた左サイドは、ジャカとマルティネッリがおとなしくなってしまい、サイドアタックを喰らう頻度が高まりました。エヴァートン戦はサイドを封じられ、ブレントフォード戦で決めたのは代役のトロサール。マン・シティ戦は、自陣左サイドで奪われて2失点を喫しています。
テクニックはワールドクラスのジンチェンコは、守備は一流とはいえません。アルテタ監督のミッションは、ジャカとマルティネッリの復活と、ジャカとマルティネッリを休ませることです。ヨーロッパリーグが再開するなかで、トロサールやティアニー、スミス・ロウ、ファビオ・ヴィエイラを活かすプランBの開発は急務になっています。
今週末のプレミアリーグはアウェイでレスター、その次は敵地で敗れたエヴァートンをエミレーツに迎えます。40歳の若き指揮官は、ヤングスターたちとベテランを融合して、2つのビッグタイトルを手にすることができるでしょうか。マンチェスター・ユナイテッドが苦戦したレスターとの一戦は、左サイドに注目しましょう。
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