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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

現地アナリストがレポート!2年連続でTOP4争いに食い込んだウェストハムが18位に転落した理由。

2020-21シーズンのプレミアリーグは19勝8分11敗で6位、昨季は16勝8分14敗で7位。2シーズン連続でTOP4争いに加わったウェストハムは、大型補強を敢行してCL出場権を獲りにいきました。ナイフ・アゲール、ケーラー、エメルソン、コルネ、ルーカス・パケタ、ヴラシッチ、スカマッカ。総額2億6000慢ポンドはマン・シティを上回り、プレミアリーグ5位のビッグディールです。

彼らより多額の投資をしたのは、プレミアリーグ史上最高額を記録したチェルシーと、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、ニューカッスル。やりすぎたブルーズ以外の3チームは、優勝争いやTOP4を巡るバトルに参加しています。ハマーズも、ここにいるはずでした。しかし現在のポジションは18位。最下位セインツと2ポイント差の降格候補となっています。

デヴィッド・モイーズの下で着実に成長していたチームは、なぜここまで落ちてしまったのか。プレミアリーグ24節までの戦績を見ると、問題は明確です。失点29は、少ないほうから数えてリーグ7位。クレスウェル、ズマ、ケーラー、ツォウファルを軸とした守備陣は、昨季と同等の強度をキープしています。一方、19ゴールはリーグ16位で、前年の同時期の半分以下です。

「スカイスポーツ」のアナリスト、アダム・スミス記者のレポートによると、ゴールの期待値(XG)のランキングでハマーズは29.62で9位。実際のゴール数とのギャップはマイナス10.62で、今季プレミアリーグの最下位です。最も多くのチャンスをつぶしているのはジャロット・ボーウェン。2021-22シーズンに12ゴールを決めたアタッカーは、4ゴールに留まっています。

昨季は10ゴール8アシストだったマイケル・アントニオも、現在は2ゴール2アシスト。前線のキーマンが失った決定力を、ベンラーマ、スカマッカ、ルーカス・パケタはカバーできずにいます。2021-22シーズンは6ゴールでリーグTOPだったカウンターは、未だゼロ。14ゴールで5位だったセットピースも、4ゴールで16位に落ちています。

空中戦の勝利数365は3位なのに、ヘディングで決めたのは1発のみ。味方に届いたクロス482本も3位ですが、リーグ唯一のノーゴール。カウンターもクロスも決まらず、セットピースの威力もダウンし、クリーンシートでの敗戦を10回繰り返した結果が降格ゾーンというわけです。

プレミアリーグでは絶不調ながら、公式戦トータルの戦績は15勝5分14敗。ヨーロッパカンファレンスリーグは予選から8戦全勝で、FAカップは5回戦に進出しています。初戦で敗れたカラバオカップはPK戦負け。リーグでは絶不調だったボーウェンは、欧州と国内カップでは8戦4発と結果を残しています。

苦しい戦いが続くハマーズの好材料は、ボーウェンが直近5戦で3発と復活の兆しを見せていることと、年明けの8試合で7失点と守備は機能していることです。チェルシーとニューカッスルに引き分けたチームは、前線の選手たちが得点力を取り戻せば、11ポイント差の10位には迫れるのではないでしょうか。

冷静に見ると、指揮官の失敗はスランプの主力を使い続けたことだけで、中盤から後ろは機能不全に陥ったわけではありません。現地ではモイーズ解任&ベニテス招聘というゴシップが流れているようですが、拙速な巻き返し策に打って出ることなく、2年連続で欧州行きのチケットをゲットしたマネージャーを信頼し続けていただければと思います。


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