偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグで12連敗は、同一チームに対する最多の数字です。アーセナルVSマンチェスター・シティ。ガナーズが最後にポイントをゲットしたのは、2017年4月2日の2-2ドロー。アーセン・ヴェンゲルが指揮を執るチームは、コシールニー、アレクシス・サンチェス、エジル、ベジェリン、コクランといった懐かしい名前があり、ゴールを決めたのはウォルコットとムスタフィでした。

勝利となると、さらに16ヵ月ほど遡ります。2015年12月21日、エミレーツで2-1。レスターが優勝したシーズンの前半戦です。ウォルコットのミドルとジルーの1発で勝ったゲームは、2アシストのメスト・エジルがマン・オブ・ザ・マッチ。「ウォルコットは26歳にして真のストライカーに進化しつつある」という「BBC」のレポートを読むと、「フィル・マクナルティ記者の黒歴史？」とドキドキしてしまいます。

当時のマン・シティの指揮官は、マヌエル・ペジェグリーニ。彼らの足跡は、「ペップ就任以降、無敗」「ヴェンゲル退任以降、全敗」と表現することもできます。屈辱の12試合は5ゴール33失点。2019年12月に古巣に招聘されたミケル・アルテタは7連敗中です。2019-20シーズンのFAカップ準決勝と、今季のコミュニティシールドでは勝っているのですが、プレミアリーグでは3ゴール19失点という冴えないスコアしか残せていません。

さて、今回のシックスポインターはどうなるのでしょうか。アーセナルにとっては、ノッティンガム・フォレスト戦で1発レッドのロドリがサスペンデッドという千載一遇のチャンス。彼が中盤の真ん中にいるプレミアリーグのゲームでは、13%しか負けていないペップのチームは、不在となると33%が敗戦です。

一方、ガナーズの最大の懸念は、ブカヨ・サカのコンディションでしょう。アルテタ監督がノースロンドンに復帰してから、プレミアリーグのマン・シティ戦でゲットした3ゴールのうち、エミレーツの2発は右サイドのレフティが決めています。彼がいる試合は勝率60%、いないと45.5%。直近のプレミアリーグ8試合で7ゴールに絡んでいる選手が欠場となれば、苦戦必至です。

試合前のプレスカンファレンスに臨んだアルテタは、チャンピオンズリーグのランス戦でハムストリングを痛めたサカについて問われると、「どこまで回復するか見てみよう」と明言を避けています。対戦した24チーム中、23チームに勝っている指揮官は、右サイドにジェズスをまわすか、ファビオ・ヴィエイラを配するかを考えているのかもしれません。

グーナーにとって嫌なデータを、さらに2つほど追加しましょう。「マン・シティは、2018年12月のクリスタル・パレス戦とレスター戦以来、プレミアリーグで連敗なし」「アーリング・ハーランドは、ロンドンでのプレミアリーグで4戦連発」。ロドリ欠場以外のポジティブな話は、昨季のホーム＆アウェイで3ゴールのデブライネがいないことぐらいです。

エミレーツで開催されたリーグ戦の直近10試合で、クリーンシートが1回しかないガナーズは、7戦8発のハーランドだけでなく、3ゴール4アシストのフリアン・アルバレスも止めなければなりません。サカは間に合うのか。ガナーズは屈辱の記録にピリオドを打つのか。「スカイスポーツ」でスコア予想を続けるジェームズ・ノウズさんは、「ボックス外からの16本のうち、オンターゲット9本のフリアン・アルバレスが決めて0-2」といっていますが…？