2024.02.03 アーセナルの話題
現地メディアが徹底検証!アルテタ監督がこぼした「アーセナルのスカッドは薄い」は正しいのか?
「Is Mikel Arteta right to say Arsenal’s squad is ‘thin’?(スカッドが薄いというアルテタ発言は正しいのか?)」。ノッティンガム・フォレスト戦を控えたプレスカンファレンスで、ミケル・アルテタ監督は選手層の厚みを課題と捉えているといっています。これは事実なのか?今回は、ガナーズの現状をリサーチした興味深い記事を紹介しましょう。
冒頭のタイトルで記事を書いたのは、「アスレティック」のジョーダン・キャンベル記者とマーク・キャリー記者を中心としたチームです。彼らが最初に指摘しているのは、データ分析の専門企業であるトゥエンティ・ファーストグループが発表したスカッドの市場価値ランキング。アーセナルは11億3000万ポンドで、マンチェスター・シティに次ぐ2位となっています。
3位はレアル・マドリード、4位がパリで5位バイエルン。ガナーズが急上昇したのは、サカ、ウーデゴーア、デクラン・ライス、ガブリエウ・ジェズス、マルティネッリが8000万ポンド以上と評価されているからです。チーム1位のサカは、ベリンガムとハーランドに次ぐ世界3位。7150万ポンドのサリバは、DFではルベン・ディアスに次ぐ2位に入っています。
つまり、スカッド全体の充実度は欧州屈指というわけです。アカデミー出身の選手を除くと、アルテタ就任時に既にいたのは、マルティネッリとエルネニーのみ。2019年の夏にサンテティエンヌから移籍したサリバは、当時は古巣にレンタルされており、アルテタによって磨かれたひとりとカウントしていいでしょう。エドゥSDが、いかに素晴らしい補強をしたかがわかる事実です。
「アスレティック」の記者たちは、これを前提として今季のスタッツと起用法を掘り下げています。アーセン・ヴェンゲルが指揮を執っていた2017-18シーズンには30人だったスカッドは、アルテタが来てから年々減っており、昨季は26人でリーグ17位、現在は23人で何と最下位。その一方で、チームの総試合時間の2/3以上に出場している選手は9人で、リーグ4位となっています。
彼らよりもガチガチのメンバー固定で戦っているのは、10人がレギュラークラスのウェストハム、アストン・ヴィラ、マン・シティのみ。もともと少数精鋭主義のペップは、デブライネとジョン・ストーンズを起用できず、コヴァチッチとマテウス・ヌネスをフィットさせるのに時間がかかったために、主力依存度が高まっているようです。
記事が示しているデータで興味深いのは、リヴァプール、アーセナル、マン・シティの選手たちの出場時間数と年齢の関係です。リヴァプールを見ると、総時間数の75%以上に出場しているのは、サラー、アリソン、ファン・ダイクのベテラン勢とショボスライ、アーノルドのみ。前線も中盤もターンオーバーが機能しており、25%以下の7人は、U-22が6人とGKケレハーです。
ペップとアルテタは傾向が似ており、両者ともに75%以上が7人。カイル・ウォーカー、エデルソン、ベルナルド・シウヴァ、ロドリ、ルベン・ディアスと、26歳以上が5人のペップに対して、アーセナルはラヤ以外が全員25歳以下です。決定的に違うのは25%以下の顔ぶれで、マン・シティは若手、負傷者、GKが大半。アーセナルは、単に出番が少ない選手の比率が高くなっています。
ペップがうまく起用できなかったのは、マテウス・ヌネスとカルヴァン・フィリップスだけ。アルテタとともにベンチにいる時間が長いのは、ジョルジーニョ、キヴィオル、エルネニー、スミス・ロウ、ネルソンです。長期離脱も3対2でアルテタがひとり多く、ペップよりも選択肢が少ないスカッドで戦っていることになります。
記事のテーマである「スカッドが薄いというのは正しいのか?」に対する答えとして、「アスレティック」のチームは「スミス・ロウなどフリンジプレーヤーとなっていた選手たちが活躍すれば、薄いと嘆かなくてすむようになる」とまとめています。今回のデータや分析を通じて、導き出した私の見立てはこんな感じです。
「若手シフトで強化を図ったアーセナルは発展途上で、とりわけサブの選手のクオリティはマンチェスター・シティに一日の長あり」
「ティアニーのローン移籍、ティンバーのリタイア、冨安健洋のアジアカップ出場、キヴィオルは微妙と4つのマイナスが重なったSBは、指揮官のいうとおり一時的に層が薄くなっている」
アーセナルがさらに強くなるためには、力量が足りないサブの選手を放出して新たな戦力を獲得し、総力を高めていくプロセスが必要です。冬のマーケットで噂になっていたオシムヘン、ザークツィー、ズビメンディ、ドウグラス・ルイスは、この文脈の上で検討されていたターゲットなのだと理解しています。
そんななかで気になるのは、サカとマルティネッリを追いかける次世代のヤングスターが出てきていないこと。選手の入れ替えで強化を図るうえでは、移籍金がかからずサラリーも安い若手の台頭が最も効果的です。マン・シティはオスカー・ボブとリコ・ルイス、マン・ユナイテッドはガルナチョ、メイヌー、フォーソンといった有望株が頭角を現しています。
リヴァプールは、クアンサー、ブラッドリー、ベン・ドーク、マコーネル、クラーク、バイチェティッチ。20代後半から30代が少ないアーセナルは、下を見ても21歳以下のプレミアリーグ出場がゼロです。ここはメルテザッカーやジャック・ウィルシャーにがんばってもらわないといけませんね。エドゥとアルテタのタッグによって、黄金時代を築き上げるために。
冒頭のタイトルで記事を書いたのは、「アスレティック」のジョーダン・キャンベル記者とマーク・キャリー記者を中心としたチームです。彼らが最初に指摘しているのは、データ分析の専門企業であるトゥエンティ・ファーストグループが発表したスカッドの市場価値ランキング。アーセナルは11億3000万ポンドで、マンチェスター・シティに次ぐ2位となっています。
3位はレアル・マドリード、4位がパリで5位バイエルン。ガナーズが急上昇したのは、サカ、ウーデゴーア、デクラン・ライス、ガブリエウ・ジェズス、マルティネッリが8000万ポンド以上と評価されているからです。チーム1位のサカは、ベリンガムとハーランドに次ぐ世界3位。7150万ポンドのサリバは、DFではルベン・ディアスに次ぐ2位に入っています。
つまり、スカッド全体の充実度は欧州屈指というわけです。アカデミー出身の選手を除くと、アルテタ就任時に既にいたのは、マルティネッリとエルネニーのみ。2019年の夏にサンテティエンヌから移籍したサリバは、当時は古巣にレンタルされており、アルテタによって磨かれたひとりとカウントしていいでしょう。エドゥSDが、いかに素晴らしい補強をしたかがわかる事実です。
「アスレティック」の記者たちは、これを前提として今季のスタッツと起用法を掘り下げています。アーセン・ヴェンゲルが指揮を執っていた2017-18シーズンには30人だったスカッドは、アルテタが来てから年々減っており、昨季は26人でリーグ17位、現在は23人で何と最下位。その一方で、チームの総試合時間の2/3以上に出場している選手は9人で、リーグ4位となっています。
彼らよりもガチガチのメンバー固定で戦っているのは、10人がレギュラークラスのウェストハム、アストン・ヴィラ、マン・シティのみ。もともと少数精鋭主義のペップは、デブライネとジョン・ストーンズを起用できず、コヴァチッチとマテウス・ヌネスをフィットさせるのに時間がかかったために、主力依存度が高まっているようです。
記事が示しているデータで興味深いのは、リヴァプール、アーセナル、マン・シティの選手たちの出場時間数と年齢の関係です。リヴァプールを見ると、総時間数の75%以上に出場しているのは、サラー、アリソン、ファン・ダイクのベテラン勢とショボスライ、アーノルドのみ。前線も中盤もターンオーバーが機能しており、25%以下の7人は、U-22が6人とGKケレハーです。
ペップとアルテタは傾向が似ており、両者ともに75%以上が7人。カイル・ウォーカー、エデルソン、ベルナルド・シウヴァ、ロドリ、ルベン・ディアスと、26歳以上が5人のペップに対して、アーセナルはラヤ以外が全員25歳以下です。決定的に違うのは25%以下の顔ぶれで、マン・シティは若手、負傷者、GKが大半。アーセナルは、単に出番が少ない選手の比率が高くなっています。
ペップがうまく起用できなかったのは、マテウス・ヌネスとカルヴァン・フィリップスだけ。アルテタとともにベンチにいる時間が長いのは、ジョルジーニョ、キヴィオル、エルネニー、スミス・ロウ、ネルソンです。長期離脱も3対2でアルテタがひとり多く、ペップよりも選択肢が少ないスカッドで戦っていることになります。
記事のテーマである「スカッドが薄いというのは正しいのか?」に対する答えとして、「アスレティック」のチームは「スミス・ロウなどフリンジプレーヤーとなっていた選手たちが活躍すれば、薄いと嘆かなくてすむようになる」とまとめています。今回のデータや分析を通じて、導き出した私の見立てはこんな感じです。
「若手シフトで強化を図ったアーセナルは発展途上で、とりわけサブの選手のクオリティはマンチェスター・シティに一日の長あり」
「ティアニーのローン移籍、ティンバーのリタイア、冨安健洋のアジアカップ出場、キヴィオルは微妙と4つのマイナスが重なったSBは、指揮官のいうとおり一時的に層が薄くなっている」
アーセナルがさらに強くなるためには、力量が足りないサブの選手を放出して新たな戦力を獲得し、総力を高めていくプロセスが必要です。冬のマーケットで噂になっていたオシムヘン、ザークツィー、ズビメンディ、ドウグラス・ルイスは、この文脈の上で検討されていたターゲットなのだと理解しています。
そんななかで気になるのは、サカとマルティネッリを追いかける次世代のヤングスターが出てきていないこと。選手の入れ替えで強化を図るうえでは、移籍金がかからずサラリーも安い若手の台頭が最も効果的です。マン・シティはオスカー・ボブとリコ・ルイス、マン・ユナイテッドはガルナチョ、メイヌー、フォーソンといった有望株が頭角を現しています。
リヴァプールは、クアンサー、ブラッドリー、ベン・ドーク、マコーネル、クラーク、バイチェティッチ。20代後半から30代が少ないアーセナルは、下を見ても21歳以下のプレミアリーグ出場がゼロです。ここはメルテザッカーやジャック・ウィルシャーにがんばってもらわないといけませんね。エドゥとアルテタのタッグによって、黄金時代を築き上げるために。
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