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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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バルサを制してベルグヴァル獲得!若手の育成を推進するポステコグルーのチーム作りに注目!

正直にいいます。ポチェッティーノ監督の「走るフットボール」に眩惑されていた私にとって、解任後のトッテナムの3年半は「困惑の時代」でした。モウリーニョとコンテは、スパーズには合わない指揮官としか思えなかったのです。ビッグ6のなかでは資金力が高いとはいえないクラブで、締まり屋のダニエル・レヴィ会長とうまくやっていけるはずは…。

2019年11月にバトンを受けたモウリーニョは1年5ヵ月しかもたず、勝率51.2%はキャリアワーストで初の無冠。ヌーノ・エスピーリト・サントは4ヵ月で解任となり、コンテが力を発揮したのはTOP4に食い込んだ2021-2022シーズンだけでした。ワールドクラスを集めて、うまく動かすのが得意な名将は、ビジネス重視で選手を売買する経営トップにはストレスが溜まるだけでしょう。

そんななかでやってきたアンジェ・ポステコグルーに、当初はピンと来ていなかったのですが、今は期待感が膨らんでいます。前線と中盤は完全リニューアル。昨季プレミアリーグで15試合以上先発した前線と中盤の選手で、今も主力としてプレイしているのは、キャプテンになったソン・フンミンと運動量が豊富なクルゼフスキだけです。

夏にハリー・ケインが去り、実績があるストライカーを連れてくるかと思いきや、前線の補強はブレナン・ジョンソンとマノー・ソロモンの若手2人のみ。ロリスの後釜として連れてきたヴィカーリオ、ウディネーゼから獲得したウドジェもさほど話題にならず、ビッグネームといえるのはレスターから来たプレーメイカー、ジェームズ・マディソンぐらいでした。

前のシーズンで30発の絶対的エースを失い、得点力ダウンが懸念された新チームは、22節までで47ゴール。2022-23シーズンの41発を大きく上回っています。12ゴールのソン・フンミンと5ゴールのクルゼフスキは既に昨季のトータルを上回っており、1ゴールだったリシャルリソンは19戦8発と復活。プリシッチのリタイアもセセニョンの長期離脱も、問題にはなりませんでした。

ジェームズ・マディソンも負傷をきっかけに崩れかけたチームは、クルゼフスキのトップ下が機能し始めてから巻き返し、直近のプレミアリーグ7試合を5勝1分1敗で4位に復帰。ホイビュルクとベンタンクールだった中盤センターを、イヴ・ビスマ&パペ・マタル・サールというフレッシュなコンビにスイッチしたのも大当たりで、中盤の層は確実に厚くなっています。

ジェームズ・マディソンとブレナン・ジョンソンに加えて、後方のヴィカーリオ、ファン・デ・フェン、ウドジェと新戦力は全員機能しており、9月にリタイアしたマノー・ソロモンも5戦2アシストと結果を出しています。1月に入団したヴェルナーは、プレミアリーグ2試合で2アシスト。慣らし運転中のドラグシンは、2月が楽しみです。

ニューフェイスをうまく起用するだけでなく、昨季までビジャレアルに貸し出されていた放出候補のロ・チェルソも、プレミアリーグ10戦2発2アシストと蘇生させてしまいました。強い言葉で若手を委縮させることがあるモウリーニョや、自らの戦術に沿わない選手に冷酷だったコンテより、迷える選手のモチベートがうまいポステコグルーのほうがクラブに合っているのでしょう。

「私がここに来てから、われわれを見てきた人なら誰でも、どんなチームでありたいかわかっているはずだ。口でいっているだけでなく、実際に行動している。オッケー、完成形ではない。でも、若い選手にチャンスを与えている。デスティニー(・ウドジェ)、パペ(・マタル・サール)、ミッキー(・ファン・デ・フェン)、みんな20代前半で既に重要な役割を果たしている」

「われわれはチームを作っている。現状の見通しは喜ばしい限りで、才能ある若手選手が好んでプレイするクラブになればと願っている。隠れた逸材はそれほど多くない。われわれの差別化ポイントであり、最大のセールスポイントはフットボールだ。その証拠となるようなプレイを見せられるといいね」(アンジェ・ポステコグルー)

昨日、バルサとの争奪戦を制してユールガルデンに所属していた17歳の逸材、スウェーデンのMFルーカス・ベルグヴァルを獲得。ポステコグルー監督は、ユース強化も推進していくといっています。今季、TOP4を奪還すれば、2024-25シーズンは次なるチャレンジの年。ポチェッティーノが届かなかったタイトルをめざす指揮官のチームづくりを追いかけたいと思います。


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