イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

アーセナルの年か、偽の夜明けか…「スカイスポーツ」が、ヴェンゲル監督のスカッドを徹底調査!

Arsenal’s year or another false dawn? Examining the Gunners’ Premier League title credentials(アーセナルの年か、あるいはもうひとつの偽の夜明けか?ガナーズにプレミアリーグタイトルを獲得する資格があるかを探る)」。イギリスメディア「スカイスポーツ」が、毎年恒例の話題について記事にしています。「アーセナルはプレミアリーグで優勝できるか?」「今年のリヴァプールは本物か?」は、いつの頃からか定番となった秋の2大テーマ。彼らがペップのマンチェスター・シティと勝ち点で並んでいる現状は、例年以上に話を盛り上げます。両者が激突したプレミアリーグ開幕戦は、サディオ・マネの破壊力でリヴァプールが殴り合いを制しましたが、アーセナルはその後のプレミアリーグで8戦無敗。クリーンシート4つと守備の安定感が増しており、9月にプレミアリーグデビューを果たしたムスタフィは、未だ負けを知りません。

「チャンピオンズリーグとEFLカップでもより強くなった」と「スカイスポーツ」が評価するチームは、ミドルズブラ戦の取りこぼしを笑い飛ばせるぐらいの快進撃を見せるのか、最近2年は2勝2敗、1分2敗と停滞している「怪しい11月」を過ごすのか。記事では、アーセナルの変化として、より厚くなった選手層を挙げています。確かに、ジャカとムスタフィの加入は大ヒットの予感。EFLカップ4回戦のレディング戦の中盤は、エルネニー、メートランド=ナイルス、ジェフ・レーヌ=アデレード、チェンバレン、イオビと、レギュラーを4人外しています。今までのアーセナルは、ここまでのターンオーバーをすれば、延長戦に持ち込まれたりジャイアントキリングを許すなど、大変な目に遭っていたところです。しかし、この試合は違いました。チャンピオンシップのチームをエミレーツで迎え撃った彼らは、危なげなく試合を進め、チェンバレンの2発で文句なしの2-0勝利。「スカイスポーツ」にフォーメーション図で紹介されている2つのチョイスを紹介しましょう。

■ファーストチョイス
GKチェフ、DFベジェリン、ムスタフィ、コシールニー、モンレアル、MFカソルラ、ジャカ、ウォルコット、エジル、イオビ、FWアレクシス・サンチェス
■セカンドチョイス
GKオスピナ、DFジェンキンソン、メルテザッカー、ガブリエウ/ホールディング、ギブス、MFコクラン、エルネニー、チェンバレン、ラムジー、ルーカス・ぺレス(左サイドですか!?)、FWジルー/ウェルベック

「ここ10年、CBはアーセナルのウイークポイントだったが、シュコドラン・ムスタフィは一貫して優秀なコシールニーの隣にうまく入っている」「オスピナはチェフの代役として能力に疑いがない」「左サイドのモンレアルとギブスの間には健全な競争がある」「ベジェリンの右サイドはやや手薄だが、レディング戦ではジェンキンソンが勇気づけられるプレイを披露し、構想の中に戻ってきた」。イギリスメディアは、メルテザッカー、ガブリエウ、ホールディングなどの選択肢もあるアーセナルの守備陣が量・質とも向上したと主張しています。攻撃においては、アレクシス・サンチェスのトップ起用という最大の変革の効果で、エジルとウォルコットが自由に動けるようになったと評価。「昨季は依存度が高かったジルーが、突然プランBになったように見える」と、激化したレギュラー争いについて表現しています。選手層の充実で弱点が強化され、タイトなスケジュールに放り込まれても崩れにくくなったのは間違いありません。

一方で、記事では気になるデータも紹介しています。アーセナルの1試合あたりのゴール数は、2015-16シーズンの1.7から今季は2.1に上がっており、ショットコンバージョンレート(総シュート数に対する得点率)も15.6%から20.7%にUP。この数字は、プレミアリーグNo.1です。ところが、チャンスメイクの数字は試合あたり12.3から10.6にダウン。昨季よりも落ちた数字が、後に問題を起こす可能性を指摘しています。9試合を終えてもエジルにアシストがない状況が、数字に表れているのでしょうか。アレクシス・サンチェスとのコンビネーションで3ゴールをゲットしているコントロールタワーが、ジルーとのホットラインでピンポイントのクロスを決めさせる「プランB」で数字を伸ばせれば、アーセナルはプレミアリーグ優勝により近づけるのではないかと思います。

本拠地エミレーツでミドルズブラの堅守に苦戦し、カウンターを許したチームが、試合のなかで戦術を変えることによってイーブンのゲームをものにできるようになれなければ、今まで何度も見てきた偽の夜明けで終わってしまうでしょう。いま一度、セカンドチョイスのメンバーを眺めてみましょう。カソルラがいない夜、アレクシスが抑えられて闇に消える夜に光を灯す選手は誰か。私が期待しているのは、背番号を8に変えたウェールズ代表MFの飛び出しとミドルシュート、昨季プレミアリーグで16ゴールを積み上げた「元エース」がクロスに合わせるヘディングとボレー、今季新加入のスペイン人ストライカーが一瞬空いたスペースに入り込んで決めるワンタッチゴールです。ノースロンドンダービーとマンチェスター・ユナイテッド戦が待つ11月を終えないと、本当の夜明けがくるかどうかは何ともいえませんが…。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“アーセナルの年か、偽の夜明けか…「スカイスポーツ」が、ヴェンゲル監督のスカッドを徹底調査!” への4件のフィードバック

  1. ミハル より:

    栄光の時代の終焉直後からのファンなので、
    ヴェンゲル監督がトロフィーを掲げる姿を観たい!
    最大の好機を逃した昨季の悔しさがあるのは
    ファンも同じなので、ぜひとも選手たちには
    がんばって貰いたいです^^

  2. 新参 より:

    アーセナルファンが抱える期待と不安を見事に指摘したコラムですね。
    サンチェス、ウォルコット、イウォビの躍動もあり、そう易々とはスタメンに入れないであろうジルー、ラムジー、チェンバレンですが、スタメンに戻る上で大事なのは、チームに足りない要素を自分らが持ち合わせていることを意識し、発揮できるかではないでしょうか?

    中央固められたときにサイドを攪乱して守備を横に広げられるチェンバレン、ミドルを狙ったり裏抜けしたりでディフェンスラインを上下に揺さぶるラムジー、ショーパス主体のチームにクロスやセットプレーの選択肢を与えるジルー。
    これらのオプションを手に入れられるなら、アーセナルは本物になれると思います。
    なにはともあれ、まずはトッテナム、ユナイテッドに勝てるかどうかですね。

  3. レッズサポ より:

    アーセナルが本物になれるかどうかは、けが人次第。
    だいたい、毎年怪我が足を引っ張ってるしねぇ

  4. ヤンガナ大好き! より:

    自分はこのファーストチョイスの中で、今シーズンに限ってはジャカをコクラン、モンレアルをギグスに入れ替えて欲しいですね!もともとクレバーだったコクランの素質が今シーズン見事に開花し、ワンランク上に行ったと思っています。守備で無理なファールが激減し、パスセンスやオフザボールの動き、読みが冴え渡っています!逆にジャカはロングシュート、ロングパスセンスがあるので、今シーズンに限ってはプレミアへのフィットまでセカンドチョイスの方が面白いと思います!

    また、ゼロトップは、強豪相手のカウンター狙いには有効ですが、引いて守ってくる中堅から下位チーム相手はジルーワントップをファーストチョイスとし、コンテさんやペップさんの様に試合途中でプランB、Cに変化させることが出来たら面白いですね。運動量豊富で何でも出来るラムジーもイオビの成長があるので途中出場の方が輝くように思います。

    いずれにしても攻撃オプションを増やせるのもムスタフィ加入とコクランの成長で後ろのスカッドが安定しているからだと思っています!また、ジェンキンソンの復活も右サイドがターンオーバー可能になり、本当に大きいですね。ベンゲルさん唯一苦手なターンオーバーをCLやカップ戦含めしっかり行い選手達のモチベーションを上手く維持し、怪我人を最小限に抑えられたら、11月から年末にかけての苦手な時期も何とか乗り切れるのではないかと思います!

コメントを残す