好きなロンドンか、確実なタイトル獲得か…どうする、アレクシス・サンチェス!
「スカイスポーツ」が掲載した「Alexis Sanchez opens up about future and fuels Chelsea talk(アレクシス・サンチェスが未来について明らかにし、チェルシー移籍話を燃え上がらせる)」という記事を読んでも、ご本人の言葉にロンドンのライバルの名前は出てきておりません。「ロンドンに満足しており、契約を全うしたい。あの街には留まりたいけど、勝つための要素、勝者のメンタリティを持つクラブにいたいんだ。28歳だから、この先は何年もある。自分自身を見つめたい」というコメントをがんばって意訳したとしても、「アーセナル残留が本線ではあるものの、クラブが本気でビッグタイトルを獲りにいく姿勢を見せなければ考え直したい」とするのが精一杯です。「ロンドンにいたい+勝てるチームでプレイしたい=チェルシー」という数式はさすがに乱暴でしょう。
アレクシスについて聞かれたヴェンゲル監督は、「彼らが母国でインタビューを受ける際は、注意しなければならない。翻訳はいつも正しいとは限らないからね。幸いなことにロンドンにはクラブがひとつしかないので、彼は満足だろう。タイトルを欲しがっているだけだろう。みんなそうだけどね」と、ジョークを交えながらチェルシーの噂を一蹴しました。アレクシス・サンチェスもエジルもアーセナルに残留したいと考えており、オフシーズンになったらクラブは彼らと新契約を結ぶというのがボスの主張。「最後の2~3ヵ月はシーズンに集中するもの。しばらくはのんびりしていてほしい」「エジルはアゼルバイジャン戦で20分プレイしたけど、今週はハードワークしているよ」。プレミアリーグで20年、同じような質問を受けてきたヴェンゲル監督は、いつもどおり泰然と受け流しています。
1月以降目立ち始めたピッチでの苛立ちや、ベンチでの振る舞いを見て、アレクシス・サンチェスはノースロンドンを離れることを考え始めているのではないかと思っていたのですが、このたびのインタビューからは、ロンドンでプレイしたいという意志のほうを強く感じました。どうしてもタイトルを手に入れたいなら、バイエルン・ミュンヘンやユヴェントスに移籍したほうが確実でしょう。ただし、ドイツやイタリアには、どこが優勝するかわからないスリリングな展開は望めません。どうする、アレクシス・サンチェス!その答えは、今季のアーセナルの着地によって変わるのかもしれません。ヴェンゲル監督が恒例の追い込みを見せてチャンピオンズリーグ出場権を獲得し、自らのレコードを塗り替える7度めのFAカップ制覇を果たせば、全員新契約締結というハッピーエンドにたどり着くのではないかと思います。もし、来季の舞台がヨーロッパリーグとなったら…。アレクシス・サンチェスはもちろん、メスト・エジルも大陸に活躍の場を求める可能性が高まります。まずは、週末のマンチェスター・シティ戦を勝ちきって、自力で4位に滑り込めるポジションに近づかなければなりません。
しかしまあ、「スカイスポーツ」もまた、「ゴシップ大好きイギリスメディア」ですね。データ分析やプレミアリーグのプレビュー記事が充実しているこのメディアは、「ザ・サン」「デイリー・メール」とは一線を画していると位置づけているのですが、アレクシス・サンチェスのチェルシー行きの噂、それを打ち消すヴェンゲル監督のコメント、指揮官自身の去就の記事を立て続けに3連発です。全部読んでしまった私は、完全に中毒患者ですが…。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
仮にサンチェスがチェルシー行きを頭にイメージしている、という前提での話をします。
アーセナルで(もといプレミアで)プレーしてる選手達は、アーセナル→チェルシーの移籍をどう考えてるのでしょうかね?
アシュリーコールやセスクの移籍を見る限り、ファンからかなり厳しい目線を向けられることは明らかだと思うのですが。
サラリーやタイトルは魅力でしょうけど、それならユーベやバイエルンなどの国外に出て行く方がお互いにスッキリする気はするのですが・・・。
この辺は、実際にロンドンでの空気感みたいなものを感じないとよく分からない事情なのかなと思います。
あ、もちろん三人全員残ってほしいです。
更新ご苦労様です。
契約を全うしたいという発言よりも聞き手の解釈で意味が変わる発言をより取り上げる辺りがゴシップなのでしょう。私は笑って楽しんでおけばいいと思っています。
私にはサンチェスやエジルの慰留は今季のアーセナルの着地点よりその後の姿勢の方が重要に思えます。チェルシーもマン・Uも今季はCLに出ていません。ですがその事を理由に主力選手が強硬に移籍志願したでしょうか?すぐにその座を取り戻すという強い
姿勢がクラブから見えさえすればさほど大きな問題にはならないと思いますよ。
逆に言えば今季の着地点がCL出場権の確保では危険かもしれません。それは定位置を
確保するいつものシーズンですから。メディアとファンがいかに騒ごうが劇的な変化は起こらないでしょう。アーセナルが現在の考え方を変え新たな道を模索するにはかなり
大きな危機感が必要だと私は思います。その危機感はCL出場権を逃すくらいの衝撃が丁度いいかもしれません。もちろん・・・生みの苦しみはあるでしょうが・・・
このままではまずい!とクラブ側が思わない限り
—–
ひろとさん>
私も、アーセナル→チェルシーのルートで、ロンドン暮らしとタイトルとリスペクトをすべて得ようというのは難しいと思います。特に、3つめですね。ドイツでリベリーのポジションに入るのがいいのではないでしょうか。
tomoさん>
「すぐにその座を取り戻すという強い姿勢」を、アレクシス・サンチェスが認めるか、でしょうね。一方で、「CL出場権の確保=いつもどおりだから危険」というのは、「CL出場権を手離したら危機感が高まって変われる」ということでしょうか。こちらは、指揮官選びを失敗したら、そうはいかないのではないかと危惧します。リヴァプールやマンチェスター・ユナイテッドは、危機感はあったにもかかわらず、一度落ちてから苦労しておりますので。いつになるかはともかく、ヴェンゲル監督の後任をしっかり選ぶことが最重要だと思います。「衝撃=危機感=本気で立て直し」という方程式は、外圧に敏感な、いわば日本的発想なのではないでしょうか。今のアーセナルは、「危機感がないからいつもどおりで終わっている」わけではないという認識です。有能な監督の下で必死で戦わなければ4位には入れないという時代は、数年前から始まっていますので。