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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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熟成度が大量補強を上回る…アーセナルがマンチェスター・シティに3-1快勝!

スロースタート、決定力、ハイボールやクロスへの対応…先週のガラタサライ戦では、昨季プレミアリーグの上位クラブとの対決で見せた弱点がすべて露呈してしまい、ドログバに完全にやられたアーセナル。しかし昨日は打って変わって、自分たちのペースでゲームを掌握し、マンチェスター・シティを3-1で下しました。オフシーズンに大量補強や監督交代などのチーム改革を行ったクラブは、戦力的には向上していても、攻守のコンビネーションをはじめチームとしての熟成度が低く、その変化が大きいほどまとめるのに時間がかかります。現在のマンチェスター・シティはまさにそんな状態。ネグレドやヨヴェティッチ、フェルナンジーニョの能力が高いのは間違いありませんが、彼らが文句なしにフィットするまでは、もうしばらく試行錯誤が続きそうです。

ヘルシンキで行われたこのテストマッチで目立ったのは、ダイレクトパスやスルーパスを効果的に使ったアーセナルの鋭い攻撃です。先制点は、引いて守るマンチェスター・シティのわずかなスキをついた完璧なスルーパスで決まり。右サイドからDFの裏に走り込んだウォルコットが完全にフリーとなり、GKハートの動きを見て軽いチップキックで左隅へ。2点めは、見事な3本のダイレクトパス交換から今度はラムジーが右サイドを抜け出し、GKまで抜き去って余裕のゴール。3点めは、右からの大きなロングボールにジルーが素早く反応すると、ゴール正面で完全にフリー。トラップもループシュートも完璧で、またもハートは何もできず。マンチェスター・シティの新戦力、CFネグレドに突破を許して1点を返されたものの、スコアも内容も完勝といっていいゲームでした。

アーセナルのキャプテン、アルテタは「信じられないくらいチーム状態がいい」と語り、一方でマンチェスター・シティのペジェグリーニ新監督は「4人の素晴らしい選手を獲得したわれわれがイングランド最強」とコメントしておりましたが、この日のところはコンディションと熟成度が高いチームが、戦力ナンバーワンを上回ったようです。

アーセナルのプレミアリーグ開幕戦は8月17日。エミレーツに乗り込んでくるのは、デンマーク代表の大型FWニクラス・ヘレニウスなど、やはりこのオフ大量補強を敢行したアストン・ヴィラです。ベンテケが残留し、前線の決定力は侮れませんが、継続性と熟成度に勝るアーセナルがホームで負ける相手ではないでしょう。マンチェスター・シティは2日遅れの19日、こちらもホームでニューカッスルを迎え撃ちます。ただでさえ昨季、アストン・ヴィラやウィガンらと降格争いをしていたチームが、6人を放出しながら獲得したのはロイク・レミーのみ。マンチェスター・シティのコンビネーションづくりはこれからだといっても負けるシーンは考えられません。両者とも、初戦は順当に勝利するはず。その真価が最初に問われるのは、3節のノースロンドン・ダービー、5節のマンチェスター・ダービーでしょう。いよいよ来週から、数多くの新監督を迎えた新しいプレミアリーグが始まります。

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