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ヴェンゲルらしさはいずこへ…。現地メディアが「アーセナルが新監督候補をリサーチ」と報道!

Arsene Wenger’s position to be reviewed at end of season in biggest threat to 22-year Arsenal reign(アーセン・ヴェンゲルのポジションはシーズン終了後に見直される。22年に及ぶアーセナルの統治において最大の脅威)」。プレミアリーグで6位に沈み、カラバオカップ決勝ではペップ・グアルディオラに力の差を見せつけられた今、「デイリー・ミラー」の見出しは決してセンセーショナルではありません。タブロイド紙は、アーセナルが次期監督候補のリサーチを始めているとレポート。モナコの若き指揮官レオナルド・ジャルディム、ドイツ代表監督として3度めのワールドカップに臨むヨアヒム・レーヴ、セルティックで無敗優勝を遂げたブレンダン・ロジャース、マンチェスター・シティでペップの片腕となっているミケル・アルテタの4人を後継者候補としています。

「68歳になるヴェンゲルは800万ポンドの契約をもう1年残しており、断固として辞めないと主張し、最後の年を見たがっている。しかし、アーセナルの関係者は”大人の会話”がなされる可能性があると示唆している。彼らが検証するのはヴェンゲル監督がクラブを前進させられるかどうか、そして最も重要なチーム全体のパフォーマンスだ」

58歳のレーヴ監督以外は、若い候補を揃えているあたりにリアリティを感じます。「BBC」は、「ヴェンゲル監督がアーセナルのマネージャーを続けることはできない」と断ずるイアン・ライトさんの見解を掲載していますが、先の記事と共通しているのは「オーナーのスタン・クロエンケは断固としてヴェンゲル監督を支持し続けている」「必要なのは抜本的な改革」という2点です。レジェンドの声に耳を傾けてみましょう。

「アーセナルはどのくらいで巻き返せるだろう?数年はかかるだろうね。TOP5はみんな前進しているけど、アーセナルは別な方向に進んでしまっている。選手を前に導けるマネージャーによって、この流れを止めないといけない。長い道のりだろう」「誰か若い人材を探さないと。アンチェロッティが話題になってるけど、マウリシオ・ポチェッティーノのように自分のやり方でビルドアップできる監督を見出す必要がある」

クロエンケに問題意識があればヴェンゲル監督と2年契約を結ぶことはなかったと嘆く往年のストライカーは、プレミアリーグ経験があるマルコ・シウヴァを推しています。「彼自身の野望のためのステップになるだろう。哲学があり、情熱的にドライブをかけられる人物がいい。われわれがマンチェスター・シティで見てきたようにね」。ハル・シティとワトフォードにアグレッシブな戦い方を植え付けたポルトガル人監督は、モナコに攻撃サッカー革命を起こしたジャルディム監督のようなジャンプアップを実現するかもしれません。ジャルディム43歳、マルコ・シウヴァ40歳。アーセナルの指揮を執ることが決まったとき、「Arsène Who?」と書かれたフランス人監督は46歳でした。

ヴェンゲル監督がプレミアリーグやチャンピオンズリーグでもうひと花咲かせることを信じて、アーセナルに注目し続けてきましたが、どうやら歓喜のシーンに出会えないまま後姿を見送ることになりそうです。昨季プレミアリーグの前半戦で見せたアレクシス・サンチェスのゼロトップが最後のヴェンゲルサッカーだったのではないでしょうか。年明けのつまづき、バイエルン戦の惨敗、長いスランプ、3バックへの移行、チャンピオンズリーグ出場権の喪失、アレクシス・サンチェスをはじめとする主力の放出…。ザ・インヴィンシブルズを率いて唯一のプレミアリーグ無敗優勝を遂げた名将は、どこで自らのスタイルとめざすべき道を見失ったのでしょうか…。

アウェイで3勝4分7敗はTOP6の数字ではありません。13勝6分8敗は昨季プレミアリーグで7位だったエヴァートンを1ポイントしか上回っていません。ウェンブリーで見せた5バックに、われわれプレミアリーグファンがよく知るヴェンゲル監督らしさは感じられませんでした。ポジティブな未来を示せなくなれば、指揮官は任を解かれるのがこの世界の慣わしです。そろそろ、しかるべき人物がリングにタオルを投げ入れなければならないようです。いつもは感情的に煽る現地メディアも、今は冷徹な筆致でアーセナルの現状と未来について語っています。

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“ヴェンゲルらしさはいずこへ…。現地メディアが「アーセナルが新監督候補をリサーチ」と報道!” への8件のフィードバック

  1. メルティ より:

    これで来季もヴェンゲルなんてことになったら軽い事件ですよ。もはや監督がほいほい代わるチェルシーが羨ましいです笑

  2. ファリ より:

    今季CLを逃し、ベンゲル解任となればエジルが移籍してしまうかもしれませんね。
    契約延長したばかりですがCL圏を逃す、もしくはベンゲルが解任されたときに有効になる移籍に関するオプションが付いているんじゃないかなんて邪推してしまいます。

  3. シャーザー より:

    この記事にある通りクロエンケがベンゲルに頭が上がらない状態で辞めさせる気はない以上ベンゲルが自分から辞めない限り監督交代は起こらないと思います、たとえこれ以上にアーセナルが負け続けたとしても。
    もし監督が代わるとしたら19年夏の契約切れのタイミングでしょう

    個人的に見たい監督はシャフタールのフォンセカですね
    フォンセカならイアンライトが言う「監督しての若さ」「ビルドアップを構成できる監督」に合致してると思います
    別にアーセナルじゃなく噂のあるエヴァートンでもいいですがとにかくプレミアで彼の率いるチームが見たいです
    普段は試合を見たことなかったシャフタールですがシティとナポリに勝ったりとCLでのシャフタールは素晴らしかったです

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    皮肉なことにお隣のトッテナムがベンゲルの理想をほとんど成し遂げてしまいましたね。
    ハリーケイン、デレ・アリ、ダイアーら英国人の育成。
    エリクセン、デンベレをはじめ比較的安価な移籍金で獲ってきた有望な選手をCLで躍動させるまでに昇華。
    プレッシングもカウンターもポゼッションも柔軟に使い分ける魅力的なサッカー。
    ベンゲルが10年かけてできなかったことをポチェッティーノは半分以下の時間で成し遂げてしまいました。

  5. sini より:

    ヴェンゲルアーセナルの停滞はいつから始まったのか。ずっと羨望まじりに見上げるばかりの存在だったので、目障りな隣人のファンとしては、とても寂しいです。是非ともまた強く憎たらしいアーセナルに戻っていただき、最高のノースロンドンダービーを迎えることができたらなと思っています。

    よくヴェンゲルガナーズの終わりの始まりとしてブリティッシュコアの失敗が挙げられていますが、私はもっと早く、2008年のフラミニ放出が、現状へ続いてしまう忌まわしき第一歩だったと見ています。

    あの頃の、フラミニとセスクが最高の補完性で中盤を支配していた頃のアーセナルは、ジウベルトシウバの不振やアンリリュングベリの退団も物ともせず、ファンペルシーやロシツキが負傷でも、テベスルーニークリロナのユナイテッドをリードしていました。ほんの少しの運さえあれば、タイトルは十分とれた筈でした。
    そのチームの中核だったセスクフラミニユニットがたった1シーズンで解散とならなければ、ヴェンゲルが獲得したタイトルの数はもっと多かったでしょうし、その後に続く主力離脱ラッシュも、違う展開を見せていたと思います。
    そういう状況の末にブリティッシュコアがあったとすれば、、、将来を期待された若者達も、もっと違うリアクションを見せていたように思うのです。
    たらればが多いですが、フラミニ自身は当時アーセナル残留を望んでいただけに、尚更勿体なかったと思ってしまいます。

    いずれにせよ、アーセナルがまた憎たらしく強い隣人となることを、恐怖と期待を込めて、願っています。

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    更新ご苦労様です。

    私は何も驚いていません。むしろ昨季との違いが分かりません。本当のトップクラブとアーセナルとの間にある明確かつ残酷な差を改めて感じただけです。それを感じたのが昨季はバイエルンであり今季はシティだったということではないでしょうか?

    個人的にはベンゲル政権の終焉は規定事項だと予想しています。さすがのオーナーでも現状には満足できないはずですよ。むしろ話が複雑になるのはシーズン終盤にいつもの盛り返しを実現した場合でしょう。ELを制したりすれば更にややこしくなります。

    要するに・・・オーナーの本音が現状維持ならばそれを望むことが難しいレベルにまで落ち込む方が今後のアーセナルにとって幸せかもしれないということですよ。もちろんファンとしてあるまじき感情だと思うのですがそこまでいかないとクラブ関係者や私も含めた全てのファンがベンゲルを諦めることが出来ないような気がするんです。
    仮にエジル等の主力がそのが原因でアーセナルを見限るのならそれも仕方ないですよ。クラブとして最優先すべきなのは来季以降のアーセナルの立て直しに魅力を感じる選手と新指揮官にチームを託すことだと私は強く思います。

    一方でアーセナルの監督という立場から去るベンゲルにはクラブ全体で・・・もちろん全てのファンも含め最大限の敬意が払われるべきです。現在のアーセナルは紛れもなくベンゲルが構築したものです。現状との対比として用いられる美しい記憶はほぼ全てが就任当初は懐疑的に見られていたはずのベンゲルが作り上げてきたものです。クラブはファーガソンと同様にベンゲルにクラブに残るよう説得して欲しいですね。

    —–
    アーセナルのターニングポイントはどこにあったのか。酒場での面白い議題になりそうです。

    エミレーツ移転
    CL決勝の敗北
    エドゥアルドの大怪我とギャラスの体育座り
    セスクの移籍
    クリシ・ナスリの移籍
    ブリティッシュコアの失敗
    3バックの導入

    確かにフラミニの移籍も痛かった。

    ほんの少し、転がるボールのバウンドが違っていれば、些細な躓きが大きく運命を変えるものですね。
    たった一つというよりも、いくつものはずみの積み重ねが・・・

    —–
    アーセナルがベンゲルを解任したとしても後任がよほど優れた監督でない限りは数年は低迷すると思います。
    今のアーセナルには闘争心を持った選手が本当にいないので。
    サンチェス移籍時のエルネニーのツイートからもわかるように今のガナーズはただの仲良し集団になってしまっています。
    いくらいい監督や選手を連れて来たとしても闘争心をチームに植え付けるには時間がかかりますしね。

  7. プレミアリーグ大好き! より:

    いちリバプールファンとしては、内心ホッとしているところもあれば寂しい気持ちもある感じです。
    あれだけ強かったガナーズが今では約7年前のリバプールみたいにズルズルと順位を落としているのを見ると「ああ、あと3シーズンくらいはこれが続くのかなぁ。この後が大変だろうなファンとクラブは」と思っています。
    ですが、メンバーを見る限りでは復活するのはそんなに難しい事ではないと感じるのでクラブの首脳陣にかかっているのは間違いないですね。

  8. ルイコスタ より:

    現状を考えると、ファーガソン引退後の低迷のようなことは起こらない、というか既に起こっているので、後任は思い切っても良いような気がします。個人的押しはジャルディム。メンデスコネクションは気になりますが、今の状況を考えたらむしろプラスかと。ラテン寄りの選手が中心かつ値段が張るのを我慢すれば、なかなかのチームに仕上げてくれる予感がします。

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