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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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激論キャラガーVSネビル第2弾!「ウナイ・エメリは合わせるべきか、貫くべきか!?」

プレミアリーグ関連のさまざまなテーマについて掘り下げる「スカイスポーツ」の名物番組「マンデー・ナイト・フットボール」。ジェイミー・キャラガーとガリー・ネビルは、マンチェスター・ユナイテッドのモウリーニョ監督の去就問題だけでなく、アーセナルの新指揮官ウナイ・エメリのチームづくりについても激論を繰り広げています。こちらの論点は、「監督は自らの哲学を貫くべきか、選手や相手に合わせて戦い方を変えるべきか」。プレミアリーグに来たばかりのスペイン人ヘッドコーチについて、「今の選手たちは彼の戦術に適していない。1月までは彼のほうが選手に合わせるべき」と主張するのはキャラガー。リヴァプールのOBとことごとく対立するネビルは、「フィットしない選手は外して違う選手を使えばいい。彼がポリシーを貫かなければ、ドレッシングルームをコントロールできなくなる」と反論しています。

「GKにプレッシャーがかかっているのに、なぜ後ろから組み立てようとした?ムスタフィは走れないのに、なぜハイライン?」。数年前に、アーセン・ヴェンゲルがエティハドのマンチェスター・シティ戦でカウンターに徹して勝利した試合を挙げたキャラガーは、スタイルを捨てずとも工夫はできるとコメント。「アカデミーならいいけれど、アーセナルは勝たなければならない」。選手たちをプレイしやすくするための戦術のチューニングは、プレミアリーグのライバルクラブもやっていることであり、状況に適応しなければトップレベルには上がっていけないといっています。

「ボールをうまくさばけるGK…チェフがダメならレノだ。ハイライン?ムスタフィが無理なら新しいDFを入れればいい。前からのプレスをエジルができなければ、外すだけだ」。いちいちケンカ腰(性格?パフォーマンス?)のネビルは、グアルディオラ、クロップ、ポチェッティーノはプランAを研ぎ澄ませていると主張しながら、キャラガーをいじり倒しています。「1年めは5位~6位、2年めにTOP4に加わって優勝をめざす。彼のアイデアを定着させる3年がかりのプロジェクトだ」。早いタイミングで哲学を曲げるのが最も避けるべきことというのが、マン・ユナイテッドOBの見解です。

この議論に触れて、私は4人の監督を思い出しました。クリスタル・パレスを改革しようとして選手を混乱させ、プレミアリーグ4試合ノーゴール4連敗という散々な戦績で解任されたフランク・デブール。長年クラブに貢献したコーチの残留を断り、自前のスタッフにこだわって選手たちの反発を招き、最後は不振を理由にクラブを追われたデヴィッド・モイーズ。4-2-4の導入を時期尚早として見送り、戦い慣れた4-2-3-1に戻してから、6戦めで3-4-3を見出してプレミアリーグ初年度優勝を成し遂げたアントニオ・コンテ。前任者のスタイルを変えずにシーズンに臨み、両SBを守備的な選手にスイッチして堅牢な守備を手に入れたレスターのクラウディオ・ラニエリ。一気に改革タイプ、ソフトランディングタイプなど、手法も成否もさまざまですが、最大のポイントは「選手がついてきているか」だと思われます。

「僕らは新しい監督と哲学を得て、ハードワークを続けないといけない。今までとは違う戦い方をしようとしているのだから。難しいことだけど、やり遂げたいね(ムヒタリアン)」。アーセナルの選手たちのコメントからは、覚悟は伝わってきますが、戸惑いは感じられません。「完成度が高いプレミアリーグ最強クラブと、敵地スタンフォード・ブリッジのチェルシーに負けただけ」のエメリ監督は、ネビルさんがいうように当面は選手を代えながら戦術を浸透させ、最適な11人を見出す方針でいいのではないでしょうか。いずれ、キャラガーさんの指摘を考えなければならなくなるかもしれませんが、今のチームに必要なのは明快なコンセプトとその継続性でしょう。

キャラガーはバレンシアネタを持ち出し、ネビルは「意固地」「意見を変えるな」と大人げないツッコミを連発。モウリーニョさんの去就も、エメリさんの戦い方も、プレミアリーグ開幕から2試合で云々するのはあまりにもせっかちなのですが、2人ともショーマンに徹して話を盛り上げてくれており、フットボール談義はやはり楽しいなと思います。マンチェスター・ユナイテッドは、次戦はトッテナムとの「補強不満対決」、アーセナルは、エミレーツにウェストハムを迎えて「出遅れ新監督対決」です。両者とも敗れたら、再来週の番組はさぞかし盛り上がるでしょうね…。

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“激論キャラガーVSネビル第2弾!「ウナイ・エメリは合わせるべきか、貫くべきか!?」” への4件のフィードバック

  1. ペップの街 より:

    開幕2連敗と言ったって、最強シティとチェルシーに負けただけじゃないですか。
    しかもシティに0ー6で負けたわけじゃないし、チェルシー戦に至っては勝つチャンスも十分ありました。
    長期政権の後に結果を求めすぎてコロコロ監督の首をすげ替える愚を犯したら、それこそマンUの二の舞じゃないかな。
    アーセナルの2連敗よりもマンUの取りこぼしの方が深刻だと思うんですけど。
    もちろん、2人の監督にとっては、それこそ「放っておいてくれ!余計なお世話!」な話題なんでしょうけど。
    All or Nothing なんで観られないんでしょうか?

  2. ゆゆ より:

    アーセナルファンですが開幕3連戦で勝ち点4取れれば上出来だと思っていたので次勝てば全然オッケーだと思ってます。
    それにしても悲観的な意見の方も多いですね(笑)
    監督変えただけでいきなり勝てると思ってるのは楽観的過ぎると思います。
    エメリにはスタイル貫き通してほしいと思います!

    —–
    方向はある程度明確ですし、新戦力もフィットさせている最中。強敵2試合は手堅くチェフでいくのもわかります。
    あと数試合で地盤を固めた頂き、軌道に乗ることを信じています。
    個人的にはトレイラ、グエンドゥジ、レノを思い切った使い続けてほしいですね。
    そしてエジル、復活してくれ。

  3. エミリー より:

    アーセナルに必要なのは、トップ5以外との対戦での取りこぼしを無くすことだと思います。
    まずは格下にはしっかり勝つ!弱い者いじめをキッチリする!
    話はそこからだと思います。
    なので、ウェストハム戦は めっちゃ大事!!!
    3連敗はさすがに笑えません。

  4. レン より:

    all-or-nothingシティ編日本語字幕版は
    9月中旬になる見込みです。
    海外では早速評判高いですね。
    本編のアメフト版やラグビーのオールブラックス版もかなり面白いので待つ間におすすめ致します笑

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