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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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即戦力を獲れないアーセナル。新任ディレクターのエドゥは悪い流れを変えられるか?

プレミアリーグ3連覇をめざすマンチェスター・シティと、初制覇をめざすリヴァプール。シーズンの始まりを告げるコミュニティシールドで激突する2強が、2019-20シーズンもマッチレースを展開するのでしょうか。両者に共通するのは、短期的な弱点解決と中長期的な強化を両にらみで施す補強のうまさです。チキ・ペギリスタイン&ペップ・グアルディオラVSマイケル・エドワーズ&ユルゲン・クロップ。敏腕SDと名将のコンビネーションはそれぞれに秀逸で、チームのコンセプトにフィットする選手を的確に獲得できています。

彼らに迫るクラブはあるのか、あるいはセカンドグループの4チームで確率50%の椅子取りゲームが繰り広げられるのか。3番手の最有力候補は、1年半の沈黙を破ってタンギ・エンドンベレを獲得したトッテナムではないでしょうか。若手の育成に定評があるポチェッティーノ監督は、次のシーズンも新たな原石を磨き上げるでしょう。スパーズの若手ブレイクの象徴だったライアン・メイソンが、アカデミーでコーチを務めるのも楽しみです。昨季プレミアリーグで8ゴール12アシストという数字を残したエリクセンの去就が気になりますが、ポジションごとに多彩なタレントが揃っており、これといった穴がないのもアドバンテージです。

フランク・ランパード監督のチェルシーは、アザールの移籍と補強禁止処分が激痛ですが、他クラブに貸し出していた選手をうまく活用できるかどうかが成否を分けるポイントでしょう。監督経験1年というキャリアは不安ではありますが、コンテ監督の下でプレミアリーグ制覇を経験したメンバーが数多く残っているのが強みです。心配なのは、マンチェスター・ユナイテッドとアーセナル。前者はタイプの違う監督を次々と招聘したこともあって中長期的な視座に乏しく、後者は主力の高額サラリーや経営的な不振が響いて補強予算を確保できていないのがネックです。

かつてはプレミアリーグの2強といえば、赤い悪魔とガナーズでした。イングランド国内のスカウト網を整備したファーガソンと、フランスを中心とした外国人選手の青田買いをいち早く敢行したヴェンゲルがいたチームが、今やクラブ運営手法や強化戦略で後れをとっているのは皮肉です。スポーツディレクターを招聘するべきといわれていた赤い2チームで、先に動いたのはアーセナルでした。2000年代前半に「ザ・インヴィンシブルズ」の一員だったエドゥアルド・セザール・ダウド・ガスパール、通称エドゥ。2011年にコリンチャンスのFDに就任し、その後はブラジル代表のコーディネーターとして評価を高めたガナーズのレジェンドは、テクニカルディレクターとしてスカウト部門を管掌すると報じられています。

即戦力をひとりも獲れていないガナーズは、新ディレクターとともに厳しい状況を打開することができるでしょうか。新戦力の獲得もさることながら、急ぐべきは構想外の選手の売却でしょう。エルネニー、ジェンキンソン、ムスタフィなど、中堅以下のクラブにニーズがありそうな選手を早く放出できれば、ライアン・フレイザーやナビル・シェキルなど移籍希望&お手頃価格の選手たちや伸びしろがあるCBの獲得にドライブがかかります。古巣に戻ったばかりのエドゥが、短期間でどこまで自分のカラーを打ち出せるかはわかりませんが、あちこちに微妙な条件のオファーを出して交渉は進展せず…となっている現状を変えていただければと思います。

「アーセナルは、私の心の中で常に特別な場所に置かれていた、偉大なクラブに戻ってこられたことに興奮している。強力なスカッドがあり、才能あふれる若い選手たちがいるね。チームに変化をもたらすサポートができることを楽しみにしている」(エドゥ)
「彼の到着は、われわれの最終的かつ重要なジグソーパズルのパーツのひとつだ。新しいフットボールインストラクチャーを開発し、われわれを前進させてほしい」(ラウル・サンレヒ)

プレミアリーグのトランスファーマーケットは、残すところ28日。ブラジルで培ったディレクターとしての手腕と、選手を見る確かな眼に期待しています。

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“即戦力を獲れないアーセナル。新任ディレクターのエドゥは悪い流れを変えられるか?” への2件のフィードバック

  1. トマシュ より:

    未だににやけながらFM05でたまに遊んでる自分には、エドゥなんかバリバリのスカッドプレーヤーなんだけど、こういう形で帰ってきてくれたのは嬉しい限り。

    ただ、SDだかTDだかしらないが、そんなポジションを設けただけでチームがよくなるなんて幻想だとも思ってる。そもそもエドゥが選手リクルートを担当するということが、どういう理屈でチーム再建に寄与するんだい?サンレヒさん?まず形からってこと?

    まぁやってみなきゃわからんし、やる前からケチをつけることもないですけど。とにかくおかえり。

    個人的にはエドゥもいいけどリュングベリにものすごく期待してる。エメリがもう一年下手を打ってリュングベリが救世主に、などと妄想してます。なのでネルソン、エンケティア以下の若手は全員手放しちゃだめだよ。

  2. エミリー より:

    エドゥ!おかえりなさい!
    大好きな選手でした!
    チームが無敗を続けてる試合で、オウンゴールしてしまい、その後自らの足で取り返し、安堵のあまり目に涙を溜めながら祝福されるシーンがあった気がします。

    格安で即戦力な選手の、南米系コネクションでももたらしてくれるといいですね。
    にこやかな笑顔で、オーナーから資金を捻出させちゃったりして(笑)
    アーセナルには馴染みのない役職ですが、とにかく頑張ってほしいです。

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