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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

何も残せなかった18ヵ月…アーセナルがウナイ・エメリ監督をついに解任。

「Unai Emery leaves club」。もはや避けられない結末と認識していたものの、プレミアリーグ18位のノリッジとのゲームを目前に控えたタイミングには、少々びっくりしました。ウナイ・エメリ、解任。クラブの公式サイトで、ジョシュ・クロエンケ氏がその理由をこう語っています。「このたびの決定は、必須レベルの結果とパフォーマンスではなかったことによるもの」。直近7試合で4分3敗と勝利なし。アーセナルの経営ボードは、よく耐えたというべきなのかもしれません。

勝利の味を忘れてからのエメリガナーズは、7戦で15失点。プレミアリーグのウルヴス戦で喰らったシュートは24本、レスター戦19本、ブービーポジションのセインツにも21本を浴びるなど、守備の綻びを繕えなくなっていました。前半のパフォーマンスがまずまずの試合でも、後半になると中盤のスペースを埋められなくなり、最終ラインの混乱がスタート。意図がわからない交代策は空回りし、タイムアップと同時に鳴り響くブーイングは恒例行事と化していました。

しばしば自陣で奪われるぎこちないビルドアップ、適切とはいえないエジルやルーカス・トレイラのポジションとミッション、モチベーションが上がらないニコラ・ペペやマルティネスの起用法。不可解な戦術よりも気になったのは、選手たちの表情と振る舞いでした。オーバメヤンから笑顔が消え、ラカゼットはゴールを決めてもパフォーマンスなし。終盤の勝負どころで、エジルは諦めたような笑顔を浮かべていました。

選手の投票によるジャカのキャプテン就任とその後のトラブル、ストレスを溜めるルーカス・トレイラ…大事な場面でもエジルより若手を重用する姿勢を疑問視されるなど、ロッカールームのマネジメントも明らかに失敗。一部の若手選手が、ボスの英語をネタにしていたともいわれています。真偽のほどは定かではありませんが、こういうゴシップが流れる監督の大半が長くないのは、われわれプレミアリーグファンが今まで見てきた通りです。

1年前の今頃は、プレミアリーグ11戦連続無敗。鮮やかな逆転劇でエミレーツを沸かせていた指揮官が、同じ場所で「エメリアウト」のバナーを掲げられているとは、誰も想像できなかったでしょう。最初のシーズンに、ヨーロッパリーグのファイナルに進出したのが唯一の輝きでした。

マンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョは解任直前の7試合を1勝3分3敗、トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノはプレミアリーグで5試合勝利なしと不振がトリガーになりましたが、前者はサポーターと選手に支持者がおり、後者はCLでは連勝していました。ところが、彼は…。

1ヵ月以上も勝利の女神に見放され、サポーターや評論家からの厳しい批判に晒されながら、選手が支持を表明することもなく、スタッフの信頼を失ったとも伝えられています。これほど寂しい退場を、久しく見ることはありませんでした。おつかれさま、ウナイ・エメリ。うまくいかなかったけれど、あなたは自分らしく戦ったのでしょう…?労りと疑問の言葉が同時に浮かび、今はまだそんな気分ではないとあわてて打ち消します。これがフットボールなのだ。まっすぐ出てくるのは、そんな月並みな言葉だけです。

さまざまな思いを呑み込み、今週末もいつものようにプレミアリーグが開催されます。ノリッジの本拠地キャロー・ロードに姿を現すのは、暫定ヘッドコーチのフレディ・リュングベリと伝えられています。

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“何も残せなかった18ヵ月…アーセナルがウナイ・エメリ監督をついに解任。” への14件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    今までプレミアリーグの面々が微妙な匙加減で繋いできたエメリの首を鎌田が躊躇なく刎ねとばしてしまいました。スパーズサポーターは当分彼を許さないでしょう。
    モウリーニョを仇敵に奪われてしまってからの解任では遅かったように思います。あるいは彼とアッレグリあたりに打診していたものの断られ解任を躊躇っていたのかもしれませんね。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    ポチェみたいな最高級の功労者が容赦なくクビになるのは何か納得し難いというかあんまりだと思う
    エメリが愚将とは思わないけどこの先も改善は出来なかったと思う

    後任候補筆頭と言われるヌノは名将だと思うけどメンデスの使者の様な存在だからグーナーの人的にはどうなんだろう?強くなるのは間違いないだろうけど…

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    監督ガチャの開始?

    モイーズだけはやめてほしい
    ヌーノも解任になるシーズンは本当にボコボコだから控えてほしい

    ミケルアルテタで頼みたい

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    せめてノリッジ戦終わってからでも良かったと思うけどなぁ。
    今回も選手を掌握しきれなかったのか。
    正直今季のアウェイレスターに負けるのも仕方ないし、他にリーグで足下救われたのは快進撃中のシェフィールド。一つ二つのドローが勝ちに転がっていれば、なにか一つ歯車が違っていればまだ選手たちのモチベも繋ぎ止めていただろうけど。
    ポジティブな点とすればグエンドゥジ、トレイラ、ティアニー、レノら若い主力を残したことくらいですかね。
    それにしてもポチェを切ってモウリーニョ呼んでくるトッテナムと、エメリ切ってユングベリが席に着くこのアーセナルのドタバタ感よ…。
    なんだか半年後にはエメリのほうが良かったという声が聞こえてきそうな予感。

  5. エミリー より:

    プレシーズンあたりでは、選手達も明るく、公開される練習動画なども和気あいあいとしてて、期待していたんですが、何かの綻びが、雪だるま式に大きくなって、ここに至ったということなんでしょう。
    とにもかくにも、エメリさんにはお疲れ様でしたと言いたいです。
    成績もふるわず、何がしたかったのか解らなかったけど、嫌いな人じゃなかったですね(笑)

    監督の追い出しに成功した選手達は、これからどういうプレーをするのでしょうか?
    何だか、そんな了見でやってる選手達は、誰が指揮官でもダメな気がするんですけどねぇ。

    暫定とは言え、フレディがアーセナルの監督になるとは、何だか不思議な感じです。
    あまり彼の文句を言いたくないので、頑張ってほしいですね。
    右ウイングを駆け上がるあのガッツを、選手達に注入出来れば、面白くなるのですが。

    まあ、今年は10位内で終われれば大したもんだと思いますね。
    現時点では、そういうクオリティのチームだと思うし、勝てない理由について監督と討論する気合いも見せなかったし、ここから巻き返せる底力も持ち合わせていないと思います。
    チームに、尊敬出来る選手がいなくなってしまった(泣)
    これはとても悲しい事ですね。

    あと、プレーは置いといて、ジャカがピッチに戻ったのは嬉しかったです。
    チームの建て直しには、彼のハートが必要になると思います。

  6. ケイ より:

    エメリ解任は正しい判断だと思いますが決断の時期が悪すぎますね。
    スパーズが中断期間中に決断を下し、正指揮官を呼んだのに対して、ガナーズは連戦が続いている途中から監督経験のない暫定指揮官に任せなければなりません。
    解任ブーストにもどこまで期待できるか。
    CL権争いからは完全に脱落したと考えていいと思います。

  7. ぐなです より:

    何も残さなかったはさすがに可哀想 lol
    確かいつだかこちらでコメントさせていただた記憶があります。エドゥが戻って来たころかな?「エメリが今年もしくじってリュンバーグが監督になる」みたいなこと。

    ほら見たことか、とドヤ顔キめるつもりもないけど、エメリのアーセナルは今シーズンから急に悪くなったわけではないよ。

    分岐点はトレイラが前掛かりな仕事をしはじめた去年の中盤か。スパーズ戦で決めて、さらにその後にバイサイクル、もといオーバーヘッドを決めた試合があったけど。あのあたり。
    彼に新しいことをさせて自分の色みたいなものを出したたかったのかしら。

    移籍金いくらばらまこうが、監督いくら変えようがさしてよくなるとも思ってないけど。まぁ、こうなった以上は。

    それにフレディ。自分は支持しますよ。しょうもないモリー如なんかが来るよりも全然熱い。プレミア他チームの臭いが染みついた監督になんかきてほしくないんだよね。

    責任はヴぇんがるを追い出した連中が取る。失敗してもいい。頑張れ。(ウナイの時も同じこと言った記憶)

    —–
    監督の英語を茶化していたという噂が真実であれば、許して良い範囲を軽く超えています。
    どれほど大好きな選手であろうと、それが事実なら軽蔑しますし支持しません。

    チームの成績の責任は監督が負うべきであると思うし、だからエメリが解任ということには納得はしています。
    ただそれにしても、彼を支えてくれる人が少なすぎたのかなとは思います。
    もしもアルテタやメルティがチームにいたら、エメリを茶化すような若手を許しはしなかったのではないでしょうか?
    チーム全体の雰囲気を作るのは監督だけの仕事じゃありませんからね。
    選手の中にプジョルのような「こわーい先輩(でも誰よりも熱い)」がいたらエメリももう少し楽だったろうにな、と思います。

    いずれにせよお疲れ様でした。
    いつか遠くない未来で敵チームの監督として再会する日を願っています。

  8. リバプール大好き! より:

    エメリはモイーズ、次は、ファンファールが来る(笑)。アーセナルは、ユナイテッドの後を追いかけているだけ。結局、プレミア四位、欧州16位を目指している限り、同じことの繰り返し。優秀な選手は、上を目指し、上を目指さないものは、金を要求する。
    アーセナルの選手で、リバプールとシティで通用する選手はいないと思う。

    ヌーノ、今の現状が変化するとは思えない。クロップもペップも、すべてを根こそぎ変化させた。90年代の、ベンゲルも、根底から変革を起こした。モウリーニョもしかり、彼らの共通点は、結局、明確な独自の優れた戦術とそれを実行に移す激烈なパッション。

    プレミア1位、欧州1位を目指せる監督は、今のところ、アレッグリのみ。
    それは難しそうなので、ユナイテッド化の可能性が高い、
    最悪、ACミラン化しないことを祈る。
    リバプールファンとしては、アーセナルが弱いと、様々な問題があるので、健闘してほしいのだが・・・

    —–
    やっぱりコシェルニーだな

  9. プレミアリーグ大好き! より:

    お疲れさまでした。

  10. プレミアリーグ大好き! より:

    最近、日本語が下手な奴が増えたね

  11. プレミアリーグ大好き! より:

    監督をのまねをしたり、拙い英語をバカにしてた選手も多いとか。
    ホントアーセナルって選手も終わってるわ

  12. 海苔助 より:

    エメリの失敗はファンハールのそれに近いと思ってます。明確なビジョン、戦術は持ってるのに選手が付いてこない。結果ハングリーで言う事聞く若手に依存して全体のクオリティが下がっていく。挙句数少ない言う事聞く選手は身内に血祭りに挙げられる始末。

    反動で戦術やビジョンの弱いソルスキアに移行したのがユナイテッドですが、我らがフロントは如何に動くか。
    リバプールやシティが多分落ち目になる2-3年後に戦える選手は揃っていると思うので、代理人との関係を含めて本格的な若手路線に舵を切るならヌーノは悪くない筋だと思われます。

    何にせよ3年後居ないオバメやエジルに拘ってクラブひっくり返すような選択は避けて欲しいです。ローマは1日にしてならずです。

  13. プレミアリーグ大好き! より:

    盛者必衰、サイクルは必ず巡る
    だけど、遠回りが許されるクラブじゃないはず
    とりあえずエメリさんおつかれさまでした

  14. プレミアリーグ大好き! より:

    目先の結果だけに拘らず、 逆算の監督人事に期待したいです。攻撃ありきの守備、一流を買うのではなく超一流を育てる。新監督人事とあわせて必ずと言って良いほど誰を買うのか?という議論になりますが、今いるアーセナルの未来を担いうる若い選手たちの機会を奪うことのないよう、ヴェンゲルが築き上げたフィロソフィーを大切にして貰いたいです。フロントにも私たちサポーターにも、今一番必要なのは我慢ですね。そのためにも未来に期待を抱かせるロジカルな意思決定に期待しています。

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