偏愛的プレミアリーグ見聞録

「6 Arsenal players who could leave this summer as Mikel Arteta looks to rebuild（ミケル・アルテタの再建に際して、アーセナルを去ろうとしている6人の選手たち）」。年明けのプレミアリーグで4勝4分と無敗をキープする若き指揮官は、エースを引き留めることができるのでしょうか。「ミラー」が予想する6人の放出候補のトップに、ピエール・エメリク・オーバメヤンの名前があります。2018年1月にやってきたガボン代表のストライカーは、プレミアリーグ75試合49ゴール10アシストという秀逸なスタッツを残しており、ヨーロッパリーグでも18試合11ゴールとチームを牽引。2018‐19シーズンは、プレミアリーグ36試合で22ゴールを決めて得点王に輝いており、ELでも8ゴール3アシストでファイナル進出の原動力となっています。

「欧州の資格は、オーバメヤンが新たな契約にサインするか、新たなクラブを探すかを決めるための必須ポイントとなっている」。EL制覇というもうひとつのルートを絶たれ、チャンピオンズリーグ出場権が得られる4位に8ポイント差と苦しいポジションに立つガナーズは、プレミアリーグの再開と猛チャージがリーグ屈指のゴールゲッターを囲い込む条件となっています。2人めの候補は、メートランド＝ナイルズ。アルテタ監督の就任後、6試合はレギュラーだった22歳は、右SBでもパパスタソプーロスより序列が下がっています。「本人は、右の後方よりもセントラルMFを好むが、アルテタに好印象を与えられていない」。指揮官の納得を得られないままシーズンが終われば、出場機会が増えるクラブへの移籍を選択するかもしれません。

シーズンローンでローマに移籍したヘンリク・ムヒタリアンも、夏にクラブを離れることになるかもしれません。2018‐19シーズンは25試合6ゴール4アシスト。シャフタル・ドネツクとドルトムントで得点力の高さを発揮し、今季のローマでも13試合6ゴールのアタッカーは、どうしてもプレミアリーグの水が合わないのでしょうか。今回「ミラー」に寄稿したダン・ヘイガースさんは、「アルテタ監督が彼をリスペクトしていた」と書いていますが、既に31歳のアルメニア代表の去就は不透明です。

アルテタ就任後のプレミアリーグ11試合で、2回しか先発がなかったグエンドゥジも、夏の補強次第で売られる可能性があるとのこと。2月のドバイ合宿中に指揮官やスタッフと口論になったセントラルMFは、FAカップでは全試合フル出場と出番は確保しているものの、ダニ・セバージョス、ジャカ、ルーカス・トレイラに次ぐ4番手評価に甘んじています。度重なるミスで信頼を失いかけているパパスタソプーロスも、ベジェリンのバックアッパーが加われば、ベンチで観戦する時間が長くなりそうです。執筆したジャーナリストは、「本人の不満が高まったり、アルテタのプランから漏れたりすれば、喜んで他の居場所を探すだろう」と予想しています。

最後に登場する放出候補は、メスト・エジル。プレミアリーグ18試合1ゴール2アシストという数字は、最高額のサラリーを得ているプレーメイカーにふさわしいものではありません。アルテタ監督が夏に連れてくる人数次第では、「10番を売ってサラリーの原資を確保」という選択肢を取ることになるかもしれません。6つの予想がすべて当たった（オーバメヤン退団は考えたくありませんが）とすれば…アルテタ好みのエキサイティングなチームが完成に近づくのではないでしょうか。ムスタフィの名前がないのが感慨深いガナーズの選手売却ネタでした。いやー。