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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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タックル成功率は欧州3位!ウィリアム・サリバはアルテタガナーズの救世主となるか⁉

「CBを補強してくれ」は、ここ数年のグーナーの合言葉になっていました。アーセン・ヴェンゲル監督の下で、19シーズン続けていたチャンピオンズリーグ出場権獲得が止まった2016-17シーズンは、コシールニーとムスタフィがメイン。FAカップを制覇したこのシーズンにプレミアリーグでTOP4をキープできなかったのは、2試合とも5-1で大敗したCLラウンド16のバイエルンショックが尾を引いたからではないでしょうか。ワールドクラスのCBを求める声と、「ヴェンゲルOUT」のプラカードがより目立つようになった2017-18シーズンも、モンレアルを加えた3バックは有効な改善策とはいえず、ヴェンゲル体制で初の50失点オーバーとなりました。

エメリ監督が指揮を執ることになった2018-19シーズンも、前年と同じ51失点。2016年の夏にホールディングとムスタフィが入団し、翌年はマヴロパノス、この年はパパスタソプーロスが加わったのですが、グーナーのストレスは解消されませんでした。スペイン人指揮官の2年めは、3シーズン離れていたCLにチャレンジする年になるかと思いきや、コシールニーが抜けた穴がいかに大きいかを思い知っただけでした。後釜のダヴィド・ルイスは、素晴らしいタックルやカバーリングを見せながらもミスも多く、ムスタフィは入団当初が嘘のような判断ミスを繰り返しています。パパスタソプーロスは、不安定なビルドアップと冷静さを欠いたプレイが目立ち、ホールディングはトップフォームを取り戻せずにプレミアリーグ出場2試合という不本意なシーズンとなっています。

1月に加わったパブロ・マリは、中断直前のウェストハム戦がプレミアリーグデビュー。まずまずの守備を見せてくれたものの、信頼できるかが問われるのはこれからです。4シーズンで5人のCBを獲得したのですが、未だにコシールニーが懐かしいという声が消えません。アルテタ監督の就任以降、ムスタフィが落ち着きを取り戻し、プレミアリーグ10試合で9失点と改善しつつあるのが唯一の希望です。コロナウイルスの感染拡大がなければ、「ムスタフィとパパスタソプーロスを売ってワールドクラスを獲るべき」というプレッシャーは、強まっていたのではないかと思われます。

3月以降、フットボールを取り巻く環境は激変し、アーセナルは守備を強化するどころか、エースを売りに出す必要に迫られるのではないかともいわれています。アルテタ監督の2年めは、ヴェンゲル、エメリ、リュングベリと同様に、不安定な最終ラインをいじり続けるシーズンになるのでしょうか。私は、「仮に補強ができなくても、アーセナルがプレミアリーグのTOP4に返り咲くチャンスは充分にある」と見ています。最大の切り札は、ウィリアム・サリバ。昨年の夏に獲得し、初年度は旧所属先のサンテティエンヌにレンタルすることになっていた選手です。

19歳のフランス人CBは、グーナーが抱えてきた長年のモヤモヤを晴らす存在になるかもしれません。2019-20シーズンは、ハムストリングの負傷と中足骨骨折という2度のアクシデントにより、リーグアン出場は12試合991分に留まっています。これだけ聞いても、私のテンションの高さは理解していただけないでしょう。ここは、サリバがいかに素晴らしいかをデータで証明している「Squawka」に加勢していただきましょう。欧州の5大リーグで900分以上プレイした選手のなかで、彼以上にタックル成功率が高いのは2人しかいないそうです。

サリバの79.2%を上回るのは、82.2%を叩き出したエヴァートンのCBジェリー・ミナと、80.0%を記録したローマのフェデリコ・ファシオのみ。ちなみにアーセナルの選手は、チャンバースが66.7%、パパスタソプーロスは58.1%、ダヴィド・ルイスも57.1%とティーンエイジャーに大きく引き離されています。さらにもうひとつ、出色のレコードを付け加えましょう。タックルで1度もファールをしていないのは、サリバだけ!今季のリーグアンでは、1枚もイエローをもらっていないのです。

パブロ・マリを買い取ってサリバとコンビを組ませ、右にベジェリン、左にティアニー、セントラルMFにルーカス・トレイラとトーマス・パーティーという布陣で、アーセナルがTOP4に食い込めるというのは楽観的すぎるでしょうか。左右にニコラ・ペペとサカ、セカンドストライカーにマルティネッリ…ああ、ここは何としてもオーバメヤンには残ってもらいたいものです。アーセナルは、ウィリアム・サリバとキーラン・ティアニーという素晴らしい「新戦力」を既に手にしていると、声を大にしていいたかったのでした。少し気が早い話ですが、アルテタ軍団の2020-21シーズンを楽しみにしています。


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“タックル成功率は欧州3位!ウィリアム・サリバはアルテタガナーズの救世主となるか⁉” への1件のコメント

  1. ゆゆ より:

    ガナーズとしては夢が膨らむ記事でした。
    サリバは1年目から失敗してもいいから使ってほしいですね。多めにみてほしい。
    ティアニーも復活して、マルティネッリとサカの若手も楽しみです!

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