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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグの復権なるか?チャンピオンズリーグ2020-21シーズン・グループステージ展望。

2017-18シーズンのチャンピオンズリーグは、リヴァプール、マンチェスター・シティ、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナムと、プレミアリーグから出場した5チームがすべて決勝トーナメント進出。準々決勝でペップのチームに連勝したリヴァプールが、レアル・マドリードとトロフィーを争いました。2018-19シーズンは4チームがベスト8に入り、リヴァプールとトッテナムがエスタディオ・メトロポリターノで激突。ユルゲン・クロップ監督が初めての欧州戴冠を成し遂げています。

プレミアリーグの復権を喜んだのが、ついこの間のように感じられますが、2019-20シーズンはドイツの台頭を許してしまいました。ホームでもアウェイでもチェルシーを殴り続けたバイエルン・ミュンヘンが、準決勝のバルセロナ戦で8-2という衝撃的なスコアを残し、パリを倒して7シーズンぶりのビッグイヤー制覇。ナーゲルスマン監督の下で、コレクティヴなフットボールを徹底したライプツィヒもベスト4に進出しています。ディフェンディングチャンピオンのリヴァプールはアンフィールドの延長戦でアトレティコ・マドリードに逆転負けを喫し、ペップは3シーズン連続でベスト8に留まりました。

前年からリヴァプールとマンチェスター・シティのマッチレースとなったプレミアリーグは、ロンドン勢とマンチェスター・ユナイテッドが混乱に陥り、欧州でのアドバンテージを一気に失った感があります。ペップとクロップが持ち込んだプレッシングによって、クラシックな戦術と化していた4-2-3-1から脱却したのが2年という短い春につながったのですが、2019-20シーズンに入ると、前年のCLファイナルでリヴァプールに敗れたトッテナムがバーンアウト。ジョゼ・モウリーニョの後を継いだオーレ・グンナー・スールシャールは戦術的な合理性を欠き、マウリツィオ・サッリが1年で去ったチェルシーも作り直しとなりました。ウナイ・エメリの下で混乱を極めたアーセナルは、アルテタ監督の必死の立て直しも間に合わず、4シーズン連続でヨーロッパリーグにまわっています。

かくして、ブンデスリーガ勢の背中を追う格好となった2020-21シーズン。10月1日に、チャンピオンズリーグのグループステージの組み合わせ抽選が行われました。プレミアリーグ勢で最もラクな戦いとなったのは、UEFAランキングの平均順位が最も低いグループDのリヴァプールです。ツィエク、フェルトマン、ファン・デ・ベークとプレミアリーグに主力を抜かれたアヤックス、昨季CLのベスト8でパリを敗退寸前に追い込んだアタランタ、アウトサイダーのミッティランという顔ぶれなら、1位で通過できるでしょう。3000kmを切る移動距離も、プレミアリーグ勢で最短。クロップ監督は、クジ運も欧州のトップクラスのようです。

未だポッド2のマンチェスター・シティも、ポルト、マルセイユ、オリンピアコスという与しやすいグループです。アグエロ、ガブリエウ・ジェズス、ギュンドアン、ジョアン・カンセロ、ジンチェンコら主力を欠いているペップは、これならプレミアリーグメインで戦えると胸をなでおろしているのではないでしょうか。セヴィージャ、クラスノダール、レンヌのチェルシーも、ロシアでのアウェイ戦以外に文句はないはずです。問題は、マンチェスター・ユナイテッド。昨季のファイナリストのパリと、4強のライプツィヒを倒さなければ年を越せないグループHは、間違いなく最凶です。

ネイマール、イカルディ、ムバッペ、ドラクスラーが揃って調子を上げているパリは、国内での出遅れをなかったことにしつつあります。マンチェスター・ユナイテッドが必勝を期すべきは、ヴェルナーが抜けた穴をファン・ヒチャンでカバーしようとしているライプツィヒのほうでしょう。マルシアルとポグバがトップフォームを取り戻し、ファン・デ・ベークが早期にフィットすれば、決して勝てない相手ではないはずです。10月21日の緒戦は、いきなりアウェイのパリ戦ですか…。ここでの勝ち点ロストは織り込み済みと開き直って、2018-19シーズンの大逆転劇の再現をめざしていただければと思います。

リヴァプールの王座奪還なるか。ペップはクラブに悲願のビッグイヤーを捧げることができるのか。ギュンドアンやサディオ・マネがコロナウイルスに感染してしまいましたが、どのクラブも主力の不在が言い訳になるような状況に陥らずに、欧州最高峰の大会を戦い抜いてほしいと願っています。半年前は想像できなかった2020-21シーズンのCLが、確かに始まろうとしています。


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