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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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これぞオリヴィエ・ジルー!怒涛の4発でチェルシーはTOP通過決定!

フランク・ランパード監督のマネジメント力をリスペクトする昨日の記事で、「負傷者がいなくなり、出場機会が少ない選手のモチベートという新たな課題を抱えている」と書いたとき、最初に頭に浮かんだのがオリヴィエ・ジルーでした。アーセナルに在籍していた頃、「女性が選ぶプレミアリーグで最もセクシーなプレーヤー」というメディアの企画でNo.1の称号を得たこともあるストライカーは、34歳になっても得点力は衰えていません。

チェルシー移籍後、2017-18シーズンの後半戦はプレミアリーグ13試合3ゴールとおとなしかったものの、2018-19シーズンはヨーロッパリーグで14戦11発という素晴らしいスタッツを残し、優勝の原動力となりました。昨シーズンは、公式戦25試合10ゴール、プレミアリーグでは18試合8ゴール。ユーロ2020に出る気満々のベテランは、ティモ・ヴェルナーの入団によって出場機会が減ると予想され、夏にはラツィオやインテルに移籍すると伝えられていました。

最終的には1年の契約延長オプションが行使され、ブルーズ残留決定。シーズンが始まると、プレミアリーグ8節までの出場時間は3試合33分に留まりました。インターナショナルブレイクに母国フランスのメディアの取材に応えたジルーは、「プレー時間が大幅に減っているので、状況を変える必要がある。1月には何らかの決断をしなければならない」と冬の移籍を示唆。最近2年は、トランスファーマーケットが近づくたびに移籍ゴシップのネタになっていたのですが、多くのブルーズサポーターが「今度こそ出ていく」と覚悟を決めていたのではないでしょうか。

そんななかで迎えたチャンピオンズリーググループステージ5節、セヴィージャとのアウェイゲーム。3勝1分でグループステージ突破を決めていたクラブにとっては、勝てばTOP通過が決まる一戦です。今季はカラバオカップしか先発出場がなかったジルーは、2ヵ月ぶりのスターター。開始8分、中央からドリブルで突進したカイ・ハヴェルツのラストパスを受けたベテランストライカーは、右足のトラップから淀みない動きで利き足のコントロールショットを放ち、幸先いい先制点を記録しました。

ハーフタイムは0-1。後半の始まりを知らせる笛は、ジルーのショータイムの開演を告げる合図でもありました。54分には、コヴァチッチのパスを受けてボックス右に流れ、巧みなチップキックでGKパルトールをかわして0-2。74分の3点めはこれぞジルーで、カンテのアーリークロスを予想してニアに入り込み、完璧なヘディングをGKの頭上に突き刺しました。83分にPKを蹴らせてもらったのは、自身が倒されたからか、ハットトリックのごほうびか。右隅へのキックは、パストールが逆を取られなくても決まっていたでしょう。

この日の4ゴールで、今季のスタッツは10戦6ゴールとなりました。ヴェルナーは7ゴール、タミー・アブラハムは5ゴール。どうしてもチェルシーから離れるというなら、プレミアリーグ通算86ゴールを決めてきた稀代のポストプレーヤーの矜持として、「スーパーサブでチームのリーディングゴールゲッター」という見えにくく輝かしい数字と満面の笑みを残していただければと思います。0‐4で完勝したチェルシーは、グループステージTOP通過を決めました。4ゴールの点取り屋とともに、ブルーズ入団以来の公式戦12試合でクリーンシート9回のエドゥアール・メンディもリスペクトしたいと思います。未だ2失点以上のゲームがゼロとは…素晴らしい!


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“これぞオリヴィエ・ジルー!怒涛の4発でチェルシーはTOP通過決定!” への1件のコメント

  1. n より:

    まさにプロ。素晴らしい姿勢です。chelsea TVで観られる、試合後のアスピリクエタとの2人のインタビューがとても良かったです。よい仕事を終えた大人の気持ちよさが伝わります。

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