イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

カイ・ハヴェルツ&プリシッチ!復調気配の2人のゴールで、チェルシーがリールに完勝!

プレミアリーグのマネージャーで、最もターンオーバーに長けたトーマス・トゥヘル監督は、大事な試合の前線にツィエク、カイ・ハヴェルツ、プリシッチを並べています。チャンピオンズリーグ・ラウンド16のファーストレグ。スタンフォード・ブリッジで迎え撃つのはリーグアンで11位のリールです。

中盤センターはカンテとコヴァチッチ、アウトサイドはマルコス・アロンソとアスピリクエタのベテランコンビ。3バックはクリステンセン、チアゴ・シウヴァ、リュディガーで、ゴールマウスに君臨するのはもちろんメンディです。クリスタル・パレス戦で7回しかボールに触れなかったルカクと、クラブワールドカップの決勝で負傷したメイソン・マウントはベンチスタート。ジョルジーニョとヴェルナーは、勝負どころで起用されるのでしょうか。

チェルシーの最初の決定機は4分。リュディガーのサイドチェンジがアスピリクエタに届き、ツィエクとパス交換したWBがニアに高速のクロスを通すと、走り込んだカイ・ハヴェルツの左足ボレーは浮いてしまいました。チャンピオンズリーグとクラブワールドカップの決勝で連続ゴールを決めた史上2人めのアタッカーは、今季プレミアリーグで17試合2ゴール2アシスト、CLは5戦1ゴールと真価を発揮できていません。

何とか結果を出したかったカイ・ハヴェルツは、7分にも決定機に絡みます。カンテ、アスピリクエタ、プリシッチとつながった右からのアタック。ボックス右で縦パスを受けたドイツ代表は、切り返しからボットマンをかわして放った振りの速い左足シュートをGKレオにセーブされました。浮かない表情で立ち尽くしていた29番は、30秒後にスタンフォード・ブリッジのサポーターを歓喜の渦に巻き込みます。

左からCKを蹴ったのは、プレミアリーグで3戦連発の好調ツィエク。フリーで走り込んだカイ・ハヴェルツのヘディングは完璧で、ピッチで跳ねたボールがゴール左上に突き刺さりました。トゥヘル監督はガッツポーズ。攻め続けて先制したチェルシーのゴールラッシュかと思いきや、その後の80分でオンターゲットは2本のみでした。

11分、レナト・サンチェスのクロスに対応したリュディガーのキックは後方に逸れ、メンディを試すような弾道でバーを越えていきました。直後のCKからの混戦は、マルコス・アロンソ、リュディガー、チアゴ・シウヴァが冷静にシュートをブロック。プレミアリーグ参入が噂されるジョナサン・デヴィッドは、13分のミドルを打ち上げてしまいました。

リールのフィニッシュばかりが目立っていた18分、右にいたカンテがファーに入れたクロスがフリーのマルコス・アロンソへ。丁寧にいきすぎた左足ボレーは、レオの正面です。リールのチャンスは35分。マルコス・アロンソを振り切ったバンバのクロスがクリアされ、シェカが右にいたバンジャマン・アンドレにつなぐと、左足のコントロールショットはメンディががっちりキャッチしました。

40分に左からカットインしたのはレナト・サンチェス。2人かわして放ったシュートは、右に逸れていきました。前半は1-0。後半開始直後にプリシッチが仕掛けた速攻は、ラストパスを右で受けたツィエクのシュートをボットマンが足に当てます。51分、コヴァチッチが負傷リタイアとなり、ロフタス=チークがセンターに入りました。

53分、アスピリクエタの縦パスでゴールライン際まで走ったのはカンテ。ファーに浮かしたクロスにチェリクが触り、こぼれたボールをマルコス・アロンソが強打しますが、チェリクが冷静にブロックして追加点を回避します。58分、左からドリブルで上がったカイ・ハヴェルツの左足シュートは、ファーポストの外。トゥヘル監督の2枚めは60分、膝を痛めたツィエクに代えてサウール・ニゲスです。

待望の2点めが決まったのは、62分。自陣から持ち上がったカンテがボックス手前で優しいラストパスを左に転がすと、並走していたプリシッチはGKが飛び出した瞬間、体勢を崩しながらも右隅に流し込みました。こうなると強いチェルシー。3バックとセントラルMFのポジショニングは隙がなく、クロスもシュートも的確にコースを切っています。70分にCKからの二次攻撃でボットマンが放ったヘッドが、最後のオンターゲットでした。

80分にマルコス・アロンソとプリシッチがお役御免となり、サールとヴェルナー。2-0で完勝したチェルシーがベスト8に近づきました。MVPは、序盤のアタックの主役となったカイ・ハヴェルツか、勝負を決めるゴールを生み出したエンゴロ・カンテか。15本のシュートを打たれながら要所を締めた守備陣にも、拍手を送りたい一戦でした。

カラバオカップ決勝、FAカップ、リールとのセカンドレグと大事な試合が続くなかで、コヴァチッチとツィエクの負傷は懸念材料ですが、この日ゴールを決めたカイ・ハヴェルツ&プリシッチと、途中出場のロフタス=チーク、サウール・ニゲスが穴を埋めてくれるでしょう。昨季の欧州王者は、ノックアウトラウンドも順調なスタートです。(カイ・ハヴェルツ 写真著作者/Дмитрий Пукалик)


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す