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忍び寄る時代の終わりにどう抗うのか…岐路に立った元王者・バルセロナ

ファーストレグにいなかったマスチェラーノ、プジョルは間に合わず、雪辱戦となるはずだったホームでの第2戦では、メッシ、ブスケツ、ジョルディ・アルバまで不在。ただでさえメッシ依存度が高くなったバルセロナに、このマイナスをはね返す力はありませんでした。それにしても、ホームで0-3は予想外。スペインVSドイツ第2弾は、圧倒的な組織力を見せつけたバイエルン・ミュンヘンの完勝に終わりました。

「メッシの不在」「少数精鋭化させたことがアダになり、負傷者続出で選手不足に陥った」「バルサ経験が浅い選手のスタイル習熟度の低さ」「ビラノバ監督の手腕(?)」…さまざまなメディアによるバルセロナの敗戦の解釈は、ざっとこんなところでしょうか。「バイエルンとの2試合で、バルサ王国の終焉を云々するのは時期尚早」という声もありますが、私は、少なくとも黄信号である、と思っています。なぜなら、ACミラン戦での完敗や、2試合とも勝てなかったパリSG戦との準々決勝など、こうなる予兆はさまざまなところに現れていたからです。

バルセロナの哲学は、テクニックと戦術理解度のベースが高く、そのスタイルにしっかりはまる選手が20人いて初めて体現できるものだと思います。しかし、ここ数年で新しく入った選手は、必ずしもバルサスタイルにフィットする選手ばかりではありません。ビジャは大きなケガがあったとはいえ、このチームに加わる前よりパフォーマンスが下がっています。アレクシス・サンチェスやテージョは大試合で活躍するにはレベルや経験が不足しています。ソングもまだ機能しておらず、期待からはほど遠い1年を過ごしました。メッシどころか、シャビやイニエスタ、ピケが欠場したときの代役も厳しい状態です。そもそも、これだけクオリティの高い集団を創り上げ、維持すること自体、相当難易度が高いのです。一部の若手を除く主力選手の成長が期待しにくい状況のなか、このままでは緩やかにレベルが下がっていってしまうでしょう。

第2戦が終わった後、ピケが「補強が必要」と語っていましたが、間違いなくこのチームは大きなテコ入れを必要とする時期にきています。「もう終わりだ」と決めつけるのは勇み足ですが、「今季末に手を打たないと、失速し続ける可能性がある」という危機感のもとに、次のチームづくりをしないといけないのではないでしょうか。少なくとも、来季以降は少数精鋭というコンセプトは捨てて、将来を見据えて選手層を厚くし、ターンオーバーを導入して主力とサブメンバーのレベル差を埋めにいったほうがいいと思われます。

しかしまあ、普通に考えれば、チャンピオンズリーグで4強に残り続けているのに「不調だ」「やばい」といわれるのは、放った光があまりに眩し過ぎたバルサゆえの特別な現象です。それでもこのクラブは、絶対王者の奪回をめざして激しく動くでしょう。来季に向けて、バルセロナがどんな手を打ってくるのか、今から楽しみです。

そして、2年連続で決勝進出を果たしたバイエルン・ミュンヘン。昨夜はメッシがいないと見るや、プレッシャーをかける位置をさらに前においてバルサの自由を奪うという、レアル・マドリードにもできない戦術で堂々と勝ってしまうあたり、欧州最強の称号は彼らにこそふさわしいと思います。シュバインシュタイガーとハビ・マルティネスを中心とした中盤の守備とパスワークは鉄壁。今季、彼らに勝ったのはBATEボリゾフ、レヴァークーゼン、アーセナルのみ。3点奪ったのはBATEボリゾフだけです。ここにゲッツェが加わり、グアルディオラが指揮をとる来季は、どこまで強くなるのでしょうか。おっと、その前に5月25日、サッカーの聖地・ウエンブリースタジアムにてドルトムントとのチャンピオンズリーグ決勝ですね。一発勝負だけに、何が起こるかわかりませんが、今のバイエルンが負けるイメージはない、というのが正直なところ。ドルトムントが勝つとすれば、先制点を獲って専守防衛、でしょうか。とはいえ、レアル・マドリードに勝ったチームに対して油断は禁物です。

かくして注目のスペイン・ドイツ対決はドイツの完勝に終わりましたが、これをもってドイツが上、というのは早計でしょう。ドイツの2チームは素晴らしいサッカーを披露しましたが、レアル・マドリードのミスとバルセロナのコンディション不良によるところも大きかったと思います。

いよいよ決勝です。初めてのドイツ同士の対決となりましたが、ファイナルらしい、緊張感の高い試合になればと期待しています。

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“忍び寄る時代の終わりにどう抗うのか…岐路に立った元王者・バルセロナ” への1件のコメント

  1. Yours is a clever way of thinking about it.

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