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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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バイエルン・ミュンヘンに死角はあるのか?~CL展望その2

前稿でレアルについて触れましたが、今回はアーセナルと戦う昨季の準優勝クラブ、バイエルン・ミュンヘンです。来季から、ベップ・グアルディオラが采配をとることが決まり、一躍”時のクラブ”となった感があるバイエルンですが、この2年、ブンデスリーガではドルトムントの背中を見続けてきており、ブンデス奪回とCL制覇がテーマ。今季、ここまでは視界良好です。もともと前線の選手の充実度は高く、ここ数年は、シュバインシュタイガーがセンターMFとしてチームのハブの役割を担い、トニ・クロースが仕掛け、リベリー、ロッベンがサイドを制圧し、中でフィニッシュするのがマリオ・ゴメスや得点力の高いミュラー、というフォーメーションが定着していました。絶好調のリベリー、ロッベンは誰も止められないほどの迫力で、このチームはどうなったら負けるんだ、と思考停止してしまいそうになるのですが、しかし、実はこれが両刃の剣。逆にいえば、サイドのふたりが止められるととたんに決め手を欠き、ましてやケガが多いロッベンは毎年、2~3回お休みしてしまう、という状況が続き、それがドルトムントにやられてしまう原因のひとつになっていたのです。また、ディフェンスにおいても、CBの前のスペースをうまく使われて崩されることが課題で、昨季のドイツカップ決勝では、香川とレヴァンドフスキにいいようにやられて大敗。「破壊力抜群だが不安定」。これがこのところのバイエルンの評価だったのではないでしょうか。

しかし、今季、このチームはブンデスリーガ奪回に向けて、実に効果的な補強をしました。クロアチア人FWのマンジュキッチとスペイン代表センターMFハビ・マルティネス。以前から、補強に関してはメリハリがきいたクラブで、”札束合戦には与しない”と宣言しながら、「費用対効果の高そうな若手や中堅選手をリーズナブルに導入」「国内中位~下位クラブで活躍した若手を引き抜き、ステップアップ先として機能」「ここというポジションに金をかけて大物を入れる」という3段ギアを明確にして獲得しています。今季でいえばヴォルフスブルグから獲得したマンジュキッチは国内台頭組、マンジュキッチの3倍以上の値段でとったハビ・マルチネスは大物で弱点補強、といったところでしょうか。これによって中盤が安定し、マンジュキッチはゴメスを押しのけてワントップに定着。得点王争いにも名を連ねています。補強が功を奏したことで、ロッベン離脱という年中行事にも揺れることなく、ブンデスリーガの首位を独走中です。

さて、アーセナルです。これは、レアルよりきつそうですね。何しろ、今季2点以上獲られたのは2回だけ、11月以降は皆無、というチーム相手です。大崩れは望めません。この時期になればアルテタ、ジェルビーニョが戻ってくるとはいえ(ロシツキはどうなんでしょう)、ただでさえ得点力のない今のアーセナルには、アウェイで1~2点獲るのもドローでゲームをたたむのも、ハードル高めでしょう。そうなるとまずは、「アウェイの試合は昨季のチェルシースタイル」でいくというのはどうでしょうか。真ん中にアルテタとヴェルマーレン、サイドにジャック・ウィルシャーとラムジーなど、「とにかく固めますよ」というフォーメーション。獲ったらひたすらジルーに当てて、こぼれたところをカウンター。…戦術としてはわかりやすく、悪くないと思いますが、お笑いのネタ風にいえば、「ヴェンゲルが絶対にいわないこと~!」といった作戦ですね。

もうひとつ、打ち手として機能しそうなのが、CBバトシュトゥバー離脱のスキを突く「2トップ」ですが、これもまた、ブレない折れないヴェンゲル監督が選びそうにない作戦です。すみません。何だか好き勝手なことを言っており、アーセナルファンのみなさんは気を悪くしそうですが、各論の戦術はともかく、言わんとしているのは、

「自分たちのスタイルを貫くのではなく、相手の状況に合わせたサッカー」
「思い切って下がったほうが、守備に穴も開かず、少ない人数でカウンターできる。今のガナーズには有効」

ということ。ヴェンゲルさんが開き直れるかどうかが、もはやジャイアントキリングというべきバイエルン戦勝利への第一条件となりそうです。いかがでしょうか。

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