追加タイムの同点チャンスにフリーでシュート…本田圭祐、マンチェスター・シティにあと一歩及ばず!
このゲームはフジテレビで放映していたので、初めてCSKAモスクワの試合を観た方も多いのではないかと思いますが、始まって5分もすれば、個人のスキルに圧倒的な差があってモスクワに勝ち目がなさそうだということにほとんどの方が気がついたでしょう。前線から追ってもボールが獲れず、マンチェスター・シティの攻撃を9人がゴール前まで引いて必死で守るホームチーム。時折中盤でカットしてもすぐにボールを取り返され、本田圭祐がボールをキープすることで何とか攻撃がつながる様は、まるで日本代表と欧州の強豪の代表戦を観ているかのようです。それでも前半30分まで0-0の均衡が保たれたのは、アグエロがフリーのボレーを外すなど、プレミアリーグの優勝候補が決定機を外してくれたから。そして何と、先制点はカウンターにしか活路が見出せなかったホームのCSKAモスクワでした。
32分、ゴールキックが前線にいた本田圭祐の頭にまっすぐ飛び、これに競り勝った7番がゴール前にそらすと、一瞬のスピードで抜けたトシッチが左足のループシュート!モスクワとしては、最高のゲーム展開です。
しかし、本田のアシストでもたらされた望外のリードは、たった2分のはかない夢でした。34分、ダヴィド・シルヴァが左サイドから持ち込んで通した鋭いラストパスをCBがクリアしきれず、こぼれたボールをアグエロがスライディングで右隅にプッシュして、マンチェスター・シティがさっそく同点。42分にも右サイドでのパス交換からネグレドが左足で軽く浮かした絶妙なクロスにGKもDFも追いつけず、再びアグエロに頭で決められます。ヤヤ・トゥレが珍しくプレイの精度を欠き、コンパニがいない不安定なDFラインがたびたびくれたカウンターチャンスというプレゼントを、前線があれだけフイにすれば、1-2という折り返しも致し方なしでしょう。
後半も、ペースを握るのはマンチェスター・シティです。前半にあったカウンターからの逆襲すらほとんどなくなり、興味はマンチェスター・シティに追加点が入るかどうか、という時間が続きます。ネグレドに代わって入ったジェコが決定的なチャンスを2発外すなど、相手の詰めの甘さに助けられたところはありましたが、前半はまずまずだったヘスス・ナバスを抑え込み、アグエロをフリーにしたら大変なことになるのをDFが学んだことによって、CSKAは絶望的な3点めだけは何とか回避します。
本田圭祐は、フェルナンジーニョとヤヤ・トゥレの厳しいチェックを受けながらも、ひとたびボールが入れば強いフィジカルでタメを作り、チャンスにつながるパスを確実に供給していました。1試合を通じてシュートは3本と、ワントップのすぐ下にポジションをとる選手にしては物足りない数字ですが、トップのドゥンビアと後半から左サイドに入ったムサのエゴイスティックなドリブルが減れば、もっとゴール前に入るシーンを増やせたのではないでしょうか。
スコアが動かないままラスト10分を過ぎると、ペジェグリーニ監督はゲームをたたみに入ります。80分、ダヴィド・シルヴァをナスリ。85分にはアグエロを下げてクリシー。しかしこの交代は、やや消極的だったかもしれません。もう後がないCSKAモスクワは、最後の最後に初めて主導権を握り、猛然と同点ゴールを獲りにきます。本田が蹴ったFKからの攻撃は不発に終わり、中央突破もかなわず、アウェイチームの勝利は動かないと思われた92分…。
左サイドからのクロスがふたりのFWの頭を越えると、裏にいたのはノーマークの本田圭祐。左太ももでのトラップはバッチリ。後はゴールに蹴り込むだけです。しかし、渾身のボレーは、GKハートの軸足に当たってしまい、同点ならず!タイムアップの笛は、その直後。グループ2位を争う大事なゲームは、終わってみれば当初の予想通り、マンチェスター・シティの貫録勝ちです。
次戦はホームとアウェイを入れ替えて、マンチェスターで同じ対戦となりますが、CSKAモスクワが勝利を奪うシーンは想像できませんね。ここ2年、マンチーニ政権下ではなぜかグループリーグを勝ち抜けなかったマンチェスター・シティでしたが、今季はいよいよヨーロッパを舞台にして、スペインやドイツの強豪相手に一騎打ちを挑むチャンスが到来しそうです。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
My hat is off to your astute command over this topic-bravo!