トッテナム、スウォンジーも沈黙!欧州で点が獲れないプレミアリーグ勢【前篇】
そして昨日は、ヨーロッパリーグにトッテナムとスウォンジーが登場。トッテナムはウクライナのドニエプル・ドニエプロペトロフスクに1-0とクリーンシートを許し、スウォンジーはナポリに1回しかチャンスを与えなかったにも関わらず、自らも攻撃時のミスが多く、ホームでスコアレスドローに終わりました。トッテナム戦でPKによるゴールを挙げたのは、1月にリヴァプール移籍が取り沙汰された10番、コノプリャンカです。来期、スピードとテクニックを兼ね揃えたウクライナ代表FWが、スアレスやスタリッジと絡む姿を想像するとワクワクしますね。いや、そんな呑気なことをいっている場合ではないですね。欧州カップ戦の話に戻ります。
プレミアリーグ勢は、4試合で1点も獲れていません。ホームで戦ったチームが3つあるにも関わらず、です。誰がこんなに厳しい結末を予想したでしょうか。
「この3日間の決勝トーナメント1回戦を観たなかで」という但し書き付きながら、プレミアリーグ勢が苦戦している理由を私なりに列挙すると、「時期の問題」「戦術の問題」「ボールの獲り方」「センターMFのクオリティ」になります。以下に、これらについてそれぞれ、説明させていただきます。
まずは、大きなお話から。「時期の問題」というのは、「アーセナルとリヴァプールを除くすべてのプレミアリーグのトップクラブが、監督と選手を大きく入れ替えている」ということです。マンチェスター・ユナイテッドのモイーズ監督、チェルシーのモウリーニョ監督、マンチェスター・シティのペジェグリーニ監督、そしてトッテナムのシャーウッド監督。トッテナムだけ、ヴィラス・ボアス監督の解任があったという事情付きですが、彼らもまた大量補強直後であり、これらのチームが少なからずモデルチェンジに取り組んでいる状況。欧州で戦う以前にプレミアリーグが大混戦で、まだ試行錯誤の季節を終えていないチームすらあります。
この状況のなかで、軸となる選手が変わっていないリヴァプールがプレミアリーグでは躍進中ですが、残念ながら欧州に顔を出す権利を得ていません。同様に、エジルとフラミニ獲得以外でメンバーが動いていないアーセナルは、今季はプレミアリーグやカップ戦を制覇する千載一遇のチャンスではあるものの、主力のケガ、スランプ、トラブルなどに悩まされています。冷静に考えてみれば、ヤヤ・サノゴはバイエルン・ミュンヘンのCBに対してワントップで体を張れるほどのレベルではなく、ラムジーとウォルコットが健在でエジルが前半戦の好調を維持できていれば、また違った結果があったかもしれません。もちろんこれは敗戦の言い訳にはなりませんが、彼らが世界王者に勝つためには万全でなければならないのに、現在はトップフォームを維持できていない、ということはいえそうです。
モデルチェンジを図っているチームのなかでは、モウリーニョ監督のスピード感あふれるチーム作りでまとまりを見せているチェルシーがいち早く「ヨーロッパクオリティ」に近づきそうです。それでも彼らとて、ウィリアン、マティッチが定着して現在の戦い方になったのはつい最近のこと。モウリーニョ監督自身が、自分たちは未完成だと再三にわたって発言しています。
そう、プレミアリーグのクラブは、総じて過渡期を迎えているのです。
同様にモデルチェンジに取り組んでいるレアル・マドリードや、補強によってチームを強くし始めたばかりのパリ・サンジェルマンあたりとは互角に戦えるかもしれませんが、昨季までのチームをベースに積み上げ式で強化を進めているバイエルン・ミュンヘン、バルセロナ、(CLでは戦いませんが)ユヴェントスなどと当たると、まだ縫製がきちんとできていないプレミアリーグ勢は、綻びが目立ってしまうのでしょう。
おお、まだひとつめの話しかしていないのに、ずいぶん文字数を費やしてしまっていますね。この稿、次回「敵を知って戦えているか?欧州で点が獲れないプレミアリーグ勢【中編】」に続きます。更新、急ぎますので何とぞご容赦を。(イェウヘン・コノプリャンカ 写真著作者/Oleg Dubyna)
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