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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

FIFAのお偉いさん、「PK&一発レッド」という重すぎるダブルのペナルティはおかしくないですか?

今日は久しぶりに、世のためサッカー界のためになる、いいことをいおうと思います。最近、プレミアリーグやチャンピオンズリーグを観ていて思うのです。「決定機阻止という名のペナルティエリア内でのファールに対して、PK&一発レッド、さらに出場停止という”二重・三重の罰”は重すぎませんか?」と。

現在、一発退場に相当するファールは、「バックチャージなど、選手生命に関わるケガにつながる危険なプレイ」「得点が入る可能性が高い決定機を妨げることを目的としたプロフェッショナルファール」の2つです。その昔のマラドーナをはじめ、攻撃的な選手の大ケガに端を発した前者については誰も異論はないでしょう。問題は、後者です。性善説に立てば、「ペナルティエリア内で、わざわざPKを獲られる判定をもらおうとする愚かなディフェンダーなどいない」と思いますが、いかがでしょうか。

ペナルティエリアの外なら、まだわかります。GKと1対1になりそうなFWをペナルティエリアの外で止めて、シュートが入る確率が高くない直接FKに持ち込んだほうが明らかに得」というシーンがあるからです。しかし、ペナルティエリア内となれば事情は変わります。GKが飛び出していてゴールが無人ならいざしらず、大抵の場合はGKが構えているわけで、決定機もPKも、外す可能性はさほど変わりません。つまり、守るほうにとっては、そこでファールをすることが大きなリスク回避にはなっていないのです。であれば、ペナルティエリア内においては、「決定機阻止の概念は捨てる=PKという大きな決定機が相手に与えられるという罰でよしとする」としたほうがいいのではないでしょうか。

この考え方を最近の主だったジャッジに導入すれば、1月のプレミアリーグでトッテナムの左SBダニー・ローズがジェコに対して犯したファールは、ペナルティエリア内とはいえ、やや外側で危険度も比較的に低く、先にボールに触っているようにみえる状況だったこともあるので「カードなし・PKのみ」です(これについて、後日プレミアリーグが「出場停止処分はなし」としています)。先ほど終わったチャンピオンズリーグ、アーセナルVSバイエルン・ミュンヘン戦で試合の流れを変えたアーセナルGKシュチェスニーのロッベンに対する足蹴りは、「決定機阻止ではおとがめなしで、正面からの危険なタックルに対してイエロー」でしょう。

昨日のマンチェスター・シティVSバルセロナにおけるデミチェリスのメッシに対するファールは、ななめ後ろからでもあり、おそらくデミチェリスは外で止めてやろうと意図していたと思われるので微妙ですが、「外と見做して直接FK+一発レッド」「ペナルティエリア内と判断すれば、PKのみ」「後方からのファールを重く見れば、PK+危険なプレイとしてのイエローまたはレッド」のいずれかとなります。3つめは、実際のジャッジと結果が同じですが、「ペナルティエリア内での決定機阻止=レッド」という概念を持ち込んでいないところがミソです。

「すべての選手にフェアに判定する」を前提とした場合は、ペナルティエリア内でのプロフェッショナルファールを重くするなら「ペナルティエリア内でのシミュレーションも一発レッド」としないとつり合いがとれませんよね。「絶対的な決定機を卑怯な手段で回避する」ことと、「決定機ではない状況を、卑怯な手段でPKという絶対的な決定機にしようとする」ことは、そのインモラルさでいえば同等です。

ヴェンゲル監督もペジェグリーニ監督も、チャンピオンズリーグの判定についてはそれぞれ抗議の声を挙げています。ヴェンゲルさんは、「あれはレッドか?」とおっしゃっており、おそらく私に近い考え方なのでしょう。ペジェグリーニさんは、「PKじゃない。外だ」と主張しているので、こちらは「じゃあレッドね」はあると思います。個別のジャッジについて、後から誤審だ、おかしいと騒ぐのは趣味ではありませんので控えますが、あまりに重すぎる二重ペナルティでゲームのおもしろさが損なわれるという現状については、全体としてルール見直しをすべし、と考える次第であります。

結論。「ペナルティエリア内の決定機阻止は、PKという罰を適用し、イエローはあっても一発レッドとはしない。同時に危険なファールがあったときのみ、レッドの対象とする」。

どうですか?「いいこというなあ、この人。どんないい人なのだろう?」と思いませんか?…あ、「別にフツー」…そうですか。「いい人かどうかは別」、確かにそうですね。失礼しました。

ここで私がひとり大騒ぎしても、FIFAの方々やUEFAのプラティニ会長、プレミアリーグの関係者に届かないのはわかっていますが、誰が伝える形でも構いません。この考え方を日本のサッカー関係者、ひいてはプレミアリーグをはじめ欧州全体、さらに世界に何らかの形で訴えたいと思いませんか。Yahoo!スポーツの海外サッカーご担当の方、これ、ぜひ載せましょうよ。世界に届けたいんです。ダメですか…!?(マルティン・デミチェリス 写真著作者/André Zehetbauer)

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“FIFAのお偉いさん、「PK&一発レッド」という重すぎるダブルのペナルティはおかしくないですか?” への14件のフィードバック

  1. 玄関開けたらパパットライス より:

    いつも更新お疲れさまです。毎日楽しく拝見させて頂いております。私は10年来のArsenalファンですが、毎節のマッチレポートやゴシップ関連その他諸々、Arsenalを手厚く取り上げて頂いてとても嬉しく思っています。普段スカパーオンデマンドでプレミアリーグを視聴していますが、今年は優勝争いをしているというのにライブ中継がなかったり、録画再生なし、挙げ句には配信なしなんて週もあって、Arsenalの扱いの雑さにしばしば憤っている次第です。さて話は逸れましたが、シティDFデミチェリス、アーセナルGKシュチェスニーのペナルティエリア内での決定機阻止のPK&一発退場&次節サスペンデッドは本当に興が削がれますし、その後の楽しみを奪うものであると感じます。

  2. ヨシオ より:

    でもその理論だったら南アフリカW杯で、ウルグアイVSガーナで、ガーナの選手のシュートを、ウルグアイの選手が手で止め、PK,手で止めた選手はレッドカードの場面もイエローなんですかね?それだったらみんな手を使いますね。

  3. makoto より:

    ヨシオさん
    非紳士的行為は、別途ジャッジでしょう。それとこれをごっちゃにして話すとややこしいので、それは別件です。逆に言えば、卑怯なファールのために、微妙に足がかかったものまで厳罰にしますか、という話です。

  4. makoto より:

    玄関開けたらパパットライスさん
    ありがとうございます。ファールの中身にもよりますが、彼らへの罰は重すぎると思います。

  5. DFに対してあまりに性善説に立ちすぎでは? より:

    筆者様の意見の場合、エリア内でも軽度な接触ならチャレンジするDFが増えることも考えられますよね?
    FWに悪質なシミュレーションを行う選手がいると唱える以上、そういうDFがいることも当然想定すべきだと思います。
    そうなった場合、軽度であると判断されたものでも、結果大怪我につながるものもあるでしょう。個人的にはエリア内でのタックルも確実に増えると思いますし、そうなれば痛ましいシーンも多くなると思います。
    そういった点の対処はどうお考えですか?

    あと、これは余談ですが、メッシへのファールは全速力の最中に軽くとはいえ足をかけられる、ロッベンに対するものもトラップの際の着地の瞬間に軸足をかられる、この二つは十分大怪我につながる危険なファールだったと思います。
    幸い二人とも大怪我につながらなかったのはただの結果論だと思っているのですが、あの二つにその危険性は無かったとお考えなんでしょうか?

  6. デリック より:

    二試合とも好ゲームになるはずだったゲームをレッドカードが台無しにしましたね。シュチェスニーのは明らかにボールを取りにいって接触したわけであれでレッドとPKはちょっとどうかと思います。もちろんPKは必要でしょうが、あれで台無しでした。なんなら、PKじゃなくてゴール認めるとかにして欲しいですね、PKだから点が入らない可能性があるわけで、、、

  7. makoto より:

    DFに対してあまりに性善説に立ちすぎでは?さん>
    ケガにつながるファールについては、少なくともいえるのは、後方から(=やられる選手が受け身が獲りづらく、よりケガが起こりやすい状態)に関しては、厳しくすべしだと思います。その意味では、デミチェリスの場合は「PK&レッド」という見方もあるかもしれません。

    私がいっているのは、「決定機阻止について、広くレッドカードを出し過ぎる」ということであって、「危険を承知で行うファール」を許容するということではありません。そこはご認識いただければと思います。

    「一発レッドがあるから、ペナルティエリアでプレイが慎重になる」ということはないと思います。PK取られるのは、それだけで充分痛いですから。大事な試合でPKを献上したことがキッカケで、スランプになる選手がいるくらいです。

    私は、多くのファールは、意図的に危険なタックルを仕掛けているわけではなく、「能力不足」「判断ミス」に起因していると考えています。シュチェスニーのプレイについえてゃ、危険かどうかでいえば、ロッベンの足が落ちたタイミングとシュチェスニーが滑ったタイミングが合ってしまったので、結果的には危険だったと思います。ただし一方で、シュチェスニーは自分が触れないとわかった瞬間に手を引いて体を巻くように逃げようとしており、故意に引っ掛けにいっていないことは明白です。

    あのプレイを、どういう判断でレッドにしたのかが重要ですね。「危険」ということなら、私はイエローでいいと思っていますが、レッドというご意見もあると思われます。「決定機阻止」なら、それでレッドを出すのはやめませんか、ということです。

    「だからいい」といっているわけではありませんが、プレミアリーグでもチャンピオンズリーグでも、普段試合を観ていると、危険なプレイはそこかしこに転がっています。選手の体を大事にするという観点で、そういったプレイをどう取り締まるかについては、私が書いたことと別議論なので、しかるべき方が議論・決定・監視をすればよいと思います。繰り返しになりますが、私がいいたいのは、「PKという厳罰が既に降りているなかで、一発レッドという極刑をむやみに出すべきではないのではないか」という1点です。

    —–
    デリックさん>私も、PKというジャッジは妥当ではあるが、接触プレイについてはイエローでもいいんじゃないかという見解です。ただし、終わったゲームについては「レフェリーの見解に従う」というスタンスでもあります。

    昨季、マンチェスター・ユナイテッドは、レアル・マドリードとのゲームで、もっと微妙なジャッジでナニが一発レッドを取られて負けているので、お気持ちはわかります。応援しているチームの勝ち負けがどうこう、だけじゃなく、両者全力を出し合ったというゲームが観たいですよね。

  8. あなん より:

    シュチェスニーはロッベンの着地した軸足に突っ込んでるので、普通に選手生命を脅かすプレーとしてレッドが妥当じゃないすかね。

  9. ciao より:

    現行ルールだと、決定機阻止の判断基準にファールの程度は問わないとも解釈できますね。ファールで止まった場面が決定機と呼べるかどうかと。
    自分は「シュートコースがそれなりに広く取れ、残る相手が1人(ほぼGK)」という場面が、決定機と呼べる最低ラインと考えていますが。

  10. ciao より:

    ただ、これもPKを攻撃側成功させているからなんですよね。8割以上は成功するものだと思いますが、エジルとアラバのように2度の失敗が1試合に起こる場合も。

    仮にPK+決定機阻止のレッドが無くなったら、「1回だけならPKに逃げられる」と考える選手が出ると思うんですよね。特にGKやCBの選手。
    CKの守備であれば、ポスト横に立つ選手は手を出す覚悟を決める。場合によってはGKと同じようにゴールライン上で振る舞うことも。

    「イエロー1枚受ける引換として、サイコロ振って1が出たら失点を無しにします。ファールもありません」と考えたら、かなり魅力的な救済チャンスだと思うんですよね、守備側にとって。

    他のアイデアとしては「イエローに留めるけど、PKも無しで得点を認める」を考えましたが、ゴールラインを通過してないものを認めるのも変な話だよなあと。
    ラグビーやアイスホッケーの「一時的な退場」なんか面白いと思いますが。20分くらい課せばそれなりに重くなりますかね?

  11. DFに対してあまりに性善説に立ちすぎでは? より:

    返信ありがとうございます。

    筆者様の意見ありがとうございました。それでもペナルティエリア内での決定機阻止のファールでレッドからイエローへの軽減(ケースバイケースにしても)は反対です。その理由についてはやはり怪我の危険性が一番の理由です。

    まず前提として、自分は決定機という場面に関して「GKと一対一の状況に持ち込める」「相手ゴール近くでフリーの状態でシュートに持ち込める」の二点である、と考えています。ですので、その他のシチュエーションでのエリア内のファールは除外しているとご理解ください。
    筆者様があげた後方からのタックルは上の二つのうち、主に前者だと思いますが、後者でも意識の外、あるいは薄いところでの接触で、備えができないという意味で同等の危険だと思っています。個人的に「決定機阻止のファール≒怪我の危険性の高いファール」と考えます。この二つの状況でシミュレーションも考えにくいですし。
    今回のスチェスニーとロッベンのケースもボールコントロールした先と離れた軸足への接触なので。後者に類するものではないかと。

    また、選手の体を大事にするかどうかについても、根本にルール(特に反則に対して)があるのだと思っていますし、そういう点でこの議論に関しても大きく関わるものではないでしょうか?その点で「意図的」であるか、「故意ではなかった」かというのはジャッジに影響がないものです(反則の項目で意図的か否かについて言及があるのは、エリア内のハンドに関してだけです)。

    こういった理由で、守るDF・GKにとって厳しいものではありますがレッド+PKはあってしかるべきではないのかと思います。

    あと、これは筆者様の意見ではないですが、退場でゲーム性が失われる、あるいはビッグマッチだからといった理由ではまったく的外れだと思います。退場に値するファールもゲームの要素のうちですし、試合の重要度に応じてレフェリングの裁量が変わってしまえばルールそのもののブレがますます激しくなってしまいますし。判定そのものが不当でないか、などのレフェリングに対してであれば別ですけどね。

    二回も長々と失礼しました。

  12. makoto より:

    DFに対してあまりに性善説に立ちすぎでは?さん>
    ありがとうございます。何事も「理性的な議論ができる前提で、反論があったほうが物事のクオリティは上がる」と考えておりますので、ウェルカムです。私は、相手に明快な悪意がない限りは、「うるせえよ」というような感情的な対応は絶対にしませんので、遠慮なくお声がけください。

    ご意見については理解しているつもりで、私の考え方とは異なるものの、ひとつの有力な見解であると思っております。1点、私が明確に同意しているのは、「後方からのファールに関しては、故意かどうかに関係なく、厳しく取られるべきである」ということです。

    この議論が大きくなった契機は、1980年代にバルサにいたマラドーナが、当時FWを病院送りにすることで有名だったために「殺し屋」という異名をとった、ビルバオのゴイコエチェアに8ヵ月に及ぶ重傷を負わされた事件だという認識です。86年のワールドカップより、後ろからのファールに関しては厳しく取るようになり、この流れが優秀なFWを守り続けてきたのだと思います。ここについては異論はありません。

    逆に差異があるとすれば、私は「危険なファールに決定機か否かは関係ない」と考えており、この2つを混同させるとやっかいだと考えているところです。人間の眼で、瞬時に決定機かどうかをジャッジする難易度は高く、ロングパス一発であれば、相当遠くからレフェリーは判断しなければなりません。「選手生命」という強い旗を振ってこれが行われれば、「疑わしきは厳罰」となるでしょう。こういった拡大解釈が進めば、サッカーは確実につまらなくなります。「サッカーは興業であり、つまらなくなればファンは離れる」という面は無視できません。安全性とエンターテインメント性は、微妙な天秤のうえで、常に計られ続けていくものなのだと思います。

    この話だけで、3日3晩は酒が呑めそうですね(笑)。貴重なご意見・反論、ありがとうございます。

    —–
    あなんさん>
    「決定機阻止」ではなく、「危険なプレイ」としてジャッジしたということが明確であれば、意見の違いがあったとしても、私はレフェリーのジャッジを100%尊重し、異議は表明しません。そこが微妙だなと思ったので、今回、ジャッジ基準をテーマに書かせていただきました。おっしゃっている内容については個人的には異論はありますが(=レッドかどうか)、その判断はありだと思います。

  13. makoto より:

    ciaoさん>
    ご意見、ありがとうございます。プロフェッショナルファールの重みづけとジャッジメントをどう捉えるか、というお話ですね。いただいたご意見について仕分けをするならば、

    1)ゴール前でボールを手ではたく、といった振る舞いに対しては、「決定機」「危険」とは別に、「非紳士的行為」という観点で厳罰にするべきと思います。2010年に南アフリカでスアレスがしたことは、その後のゲームをすべて出場停止にしてもいいくらいだと思っています。手を使わないというのがサッカーの最初の前提なのに、それを覆す行為は、この競技の魅力に対する侵害であり、挑発です。

    2)危険なプレイに関しては、これも相応の罰則適応でいいと考えます。「エリア内だからPK+危険だからレッド」ということですね。私がいっているのは、あくまでも「相手を故意に倒したわけではなく、非紳士的な行為でもない決定機阻止のみならレッドまでは要らない」ということですので。危険なら、それはそれで取るべきです。

    3)ラグビーやホッケーの「シンビン」の導入は、おもしろそうと思う一方で、問題をより複雑化させそうですね。取られたチームの監督が、今までであれば「あれは退場ではないだろう」といっていたのが、「1点めはシンビンは厳しいし、2点めの退場はシンビンに留めるべきで…」などといっていることを想像するとうんざりします(笑)

    この話は、今現在ピッチで起こっていることをどう捉えるか、が重要だと思っております。ペナルティエリア内で大ピンチになった、というオープンな状況で、PK覚悟のファールをするDFは多いですかね?PKは止められることもある、という楽観的な考え方で無茶するDFはほとんどいないのではないでしょうか。守っているほうのリスク判断としては「PKはリスクが極めて高く、やったら1点」ではないかと思います。「PKに逃げられる」と考えるほどの不利な状況は、後方からのファールや無人のゴールに飛んだボールを手でクリア、などの手段が必要なくらいの絶対的不利で、それであれば「危険なタックル」「非紳士的行為」という「別件逮捕」をすればよいと思います。

  14. makoto より:

    いつも楽しく記事を拝見させて頂いています。

    今回の記事にかんしては、筆者様の結論である「ペナルティエリア内の決定機阻止は、PKという罰を適用し、イエローはあっても一発レッドとはしない。同時に危険なファールがあったときのみ、レッドの対象とする」には全面同意です。
    しかし、筆者様の考えと今回の現実のジャッジにおけるズレは、おそらく「決定機阻止」に対しての私たち視聴者と現場のレフェリーの違いにあるのだと思います。
    記事中で>>現在、一発退場に相当するファールは、「バックチャージなど、選手生命に関わるケガにつながる危険なプレイ」「得点が入る可能性が高い決定機を妨げることを目的としたプロフェッショナルファール」の2つです。>>とありましたが、過去何十、百試合のジャッジを見ていると決定機阻止・危険なプレーどちらに関してもプロフェッショナルファール・意図的なものであるかは二の次で、結果として決定機を防いだらイエロー+結果としてファールが危険であればイエローという合わせ技のような形で、特にPKに関しては一発レッドが提示されることが多いと感じます。
    このジャッジ基準に対する曖昧さ(人間が流れの中で判断していることなので仕方ない部分もあるのですが..)が今回のようなケースの根本の問題だと思います。
    コメント欄にもある通り、ファールというのは意図せず「判断ミス・能力不足」で起こってしまうことが多いものです。
    今回の試合で言えば、ボアテングのPKを与えたファールは間違いなくエジルのフェイクに引っ掛かった「能力不足」によって生まれたものです。
    しかし、現実にレフェリーはPK+決定機阻止によるイエローを提示しました。
    その基準で言えば、バイエルン側のPKで決定機阻止+危険なプレーでレッドカードが提示されたのは妥当なジャッジ、少なくとも公平性は持ったジャッジに感じました。
    シュチェスニーよりもロッベンが先にボールに触っていて、結果として危険なファールになったということは事実ですから。
    それと決定機阻止に関して広くレッドを出しすぎるという部分に関しては、DF側がそのファールを犯す前に後手を踏んで大ピンチを迎えているということなので、結果としてギリギリの際どいプレーが多くなってしまっているという状況はあるのではないでしょうか。

    長文失礼しました。

    —–
    たぬきさん>
    いちばんの問題は、ダニー・ローズの件などもまさにそうなのですが「決定機の定義があいまいで、かつ実際の適用範囲が広すぎる」ことなのでしょうね。DFは、一瞬の判断でボールめがけて足を出しており、そうじゃなければ間違いなく「危険なプレイ」になるので、「決定機だ」「決定機じゃない」ということを考えてプレイしていないと思います。結果論で裁かれるとなると、DFの選手が自己の責任でプレイをコントロールできなくなるので、曖昧さは極力排除すべし、ですね。

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