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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

”子どものケンカ”に勝利なし!激怒のバイエルン、イギリスのタブロイド2紙をスタジアム出入り禁止!

ワールドカップにおいても、過去何度も死闘を繰り広げてきたドイツとイングランド。最大の因縁は、1966年にウェンブリーで行われた決勝戦で、2-2の延長10分にジョフ・ハーストが決めた勝ち越しゴールでしょう。バーに当たって真下に落ちたこのシュートがゴールと認められたことで、イングランドは4-2で勝って初めてワールドカップを制覇することになりましたが、ドイツのみなさんは未だに「あれは入っていない」と主張しているそうです。その24年後、1990年のワールドカップでは、当時の西ドイツはPK戦全敗のイングランドにPK4-3で雪辱。さらにそこから20年、2010年の南アフリカで、44年前の出来事を相殺するかのように、MFランパードの明らかにゴールインしていたミドルが認められず、イングランドはドイツに1-4と敗れています。

さて、みなさんお忘れかもしれませんが、今回のチャンピオンズカップ準々決勝は、プレミアリーグ優勝クラブと、世界チャンプともなったブンデスリーガ制覇クラブの一騎打ちなのです。両国の威信がかかった戦い、プレミアリーグとブンデスリーガのどちらが強いのかを賭けたバトル、というと大げさでしょうか。何にしろ、両者とも相当、頭に血が上っています。そんななかで、セカンドレグを前にして、ちょっとしたバトルがありました。バイエルン・ミュンヘンが、イギリスの悪名高きタブロイド紙「サン」と「デイリー・ミラー」を出入り禁止にしたとのこと。

事の発端は、第1戦の90分、バイエルンのシュバインシュタイガーが2枚めのイエローカードをもらって退場したことです。自陣でボールキープしたルーニーが、味方にパスを出した直後に飛び込んできたシュバイニーの足が入ったこのプレイ。私は「前からとはいえ危険なタックルではあったので、取られても仕方ないかな」と思いましたが、「あれでイエローはないだろう」という方もいるのは想像できます。ただし、ベップ・グアルディオラ監督とシュバインシュタイガーが「ルーニーがダイブしてシュバイニーを退場に追い込んだ」とコメントしたのは、さすがに言い過ぎでしょう。自陣でパスの出しどころを失いかけていたルーニーに、そんな危険なギャンブルをする余裕などなかったと思いますし、そもそも近年、プレミアリーグでルーニーがダイブして相手のファールをもらいにいったシーンなど観たことがありません。

さあ、積年のライバル国から、挑発が入りました。売られたケンカは買わねば…とばかりにデカデカと見出しを立てたのは「サン」「デイリーミラー」です。ただし、問題となったのはケンカの買い方でした。イギリスのタブロイドらしい、といえばそうなのですが、これは子どものケンカですね。何しろ見出しが、

「YOU DIRTY SCHWEIN」(汚い豚野郎)

です。Schweinというのは、ドイツ語で豚のこと。シュバインシュタイガーという名前は、「豚舎の近くに住む人」あるいは「豚舎が多いSchweinsteigというエリア出身の人」といった意味があるそうです。西ドイツ代表GKと、F1ドライバーで「シューマッハー」という方がいらっしゃいましたが、こちらは靴屋さんで、ドイツには職業由来、地域由来の名前が多いようですね。サンとデイリーミラーがほぼ同時に「SCHWEIN!」と囃しているということは、はなから豚と煽りたくて、ネタがないか狙っていたのかもしれません。これに怒ったのが、バイエルン・ミュンヘンです。彼らは、ルーニーにダイブなどと失礼なケチをつけてケンカを売ったことなどすっかり忘れて、「侮辱的だ」と激怒。かくして、イギリスのタブロイド紙連合は、来週のアリアンツ・アレナで取材許可証をいただくことができなくなりました。まあ、彼らは全く堪えてないと思われますが…。

バイエルン・ミュンヘンは、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦で、サポーターがアーセナルに対して侮辱的な横断幕を掲げたということで、今回のマンチェスター・ユナイテッド戦ではスタンドの一部を閉鎖するというペナルティを課されています。因縁浅からぬ両国だけに、要は「どっちもどっち」だったりするわけですが、熱くなるのもほどほどに。この決着は…うーん、「ピッチでつけましょう」とは言いづらい。何しろ強すぎます、ベップのバイエルン。

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