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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

60分間の恍惚と、ラスト30分の崩壊…勝負は指揮官の差、マンチェスター・ユナイテッド敗退!【前篇】

ミュンヘンという地は、マンチェスター・ユナイテッドにとって、1958年2月に悲しい事故のあった特別な場所。またバイエルン・ミュンヘンという対戦相手も、1999年5月に追加タイムでの2つのCKで大逆転してトレブルを達成した特別な相手でもあります。香川真司、ルーニーをはじめマンチェスター・ユナイテッドの選手たちは、今回もまた、「ミュンヘンの悲劇」の慰霊碑を訪問したそうですね。ルーニーは「慰霊碑を訪問して敬意を表すのは素晴らしいことだと思う。クラブの歴史において大事な一部分であり、忘れてはいけないこと」というコメントを残しています。

バイエルン・ミュンヘンは、マンチェスター・ユナイテッドにとって、特別なライバルなのです。今夜はぜひ、クラブの歴史にもうひとつ、特別な1日を加えてほしい…。プレミアリーグで苦戦が続く今季は、なおさらチャンピオンズリーグでの勝利への渇望が強くなります。不細工でも奇跡でも何でもいいから、「2013-14シーズン、プレミアリーグとマンチェスター・ユナイテッドは強かった」という爪痕を欧州サッカーの歴史に刻んで、何事もなかったように来季のこの場に帰ってこられないだろうか、と。

大量8人をケガと出場停止で失ったバイエルン・ミュンヘンのスタメンは、驚愕の超攻撃的布陣。センターMFで使うだろうといわれていたラームを本職の右SBに置き、中盤にはロッベン、リベリー、クロース、トマス・ミュラー、ゲッツェを並べてきました。4-1-4-1で開始早々からラッシュをかけ、圧倒的な攻撃力で中盤を制圧して2~3点を奪い、試合を決めてしまおうという目論見でしょう。対するマンチェスター・ユナイテッドは、香川真司が左MFで先発。つま先を痛めているルーニーは、痛み止めの注射を打っての出場です。

予想通り、開始早々からバイエルンが攻勢です。ロッベンが右サイドから中に絞ってシュートチャンスを伺い、リベリーがP.ジョーンズの裏を取ろうとドリブルで再三、仕掛けます。マンチェスター・ユナイテッドは、8分にペナルティエリア入り口でルーニーがダンテをかわしてフリーでキープ。左の香川真司もノーマークという絶好のチャンスを迎えますが、珍しくイングランド代表のエースが迷い、シュートをDFにぶつけてアウェイゴールはなりません。

12分、トニ・クロースからのスルーパスでロッベンが完全に抜け出すと、最初のクロスはマン・ユナイテッドがブロック。こぼれを拾い、香川真司を一瞬外して放ったシュートは左に外れ、アウェイチームは難を逃れます。この後もロッベン、ロッベン…。右サイドから斬り込んでのシュートをいかに食い止めるかが、この試合の焦点のひとつになります。マンチェスター・ユナイテッドの反撃は16分。左サイドからのクロスをバレンシアがスライディングで押し込み、ゴールネットを揺らしますが、これはオフサイド。ホームチーム優勢の流れは変わりません。

マンジュキッチに入るボールだけはブロックできているものの、ロッベン、リベリーを捕まえきれず、ゲッツェにゴール前でスルーパスを通されるなど、プレミアリーグの昨季王者に危険なシーンが続きます。バイエルン・ミュンヘンにシュートの正確さがあれば、30分までに2点は失っていたでしょう。しかし、ゲームは0-0。初戦でアウェイゴールを奪われて引き分けているマンチェスター・ユナイテッドは、最低でも1点獲れなければ敗退ですが、できればイーブンのままで終盤の1点勝負に持ち込みたいものです。

バイエルン・ミュンヘンは、サイドで優位を築いて右のロッベン、左のリベリーのラストパスからシュートを狙いますが、ヴィディッチ、スモーリング、キャリック、フレッチャーが中へのボールにきっちり対応。プレミアリーグでの緩さが嘘のように、高い集中力で危険なシュートを打たせません。37分、ロッベンの落としからクロースが右足で狙うも、これも上に大きくアウト。42分、ロッベンの切り返しからのシュートもスモーリングが足元に飛び込み、ゴール前のバレンシアに当たってCK。必死の守備で、前半を0-0で折り返すことに成功します。

そして後半は…「60分間の恍惚と、ラスト30分の崩壊…勝負は指揮官の差、マンチェスター・ユナイテッド敗退!【後篇】」に続きます。

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