ヨーロッパリーグ決勝はPK戦決着。ピンチだらけのセビージャがベンフィカを破り、3回めの戴冠!
さて、昨季ファイナリストのベンフィカと、過去優勝2回のセビージャという「EL常連対決」の見どころは、「決定力で勝るのはどちらか」でした。両者とも、人数をかけて攻め込むというより、ロングパスやスルーパスを駆使して、少ない人数で点が獲れるチーム。ベンフィカはリマとロドリゴの2トップ、セビージャはラキティッチ&バッカのホットラインが機能するかどうかがポイントです。
しかし結果は「120分間スコアレスでPK決着」。これだけ聞くと、お互い守備優先で腰を引いて守り合ったゲームを想像しそうですが、決定機が多く、エキサイティングなゲームでした。よりチャンスが多かったのは、PK戦で敗れて2年連続準優勝に終わったベンフィカのほうで、ポルトガルから集結したサポーターにしてみれば、「無念」のひとことでしょう。14分に、ガイタンが右サイドから蹴ったFKをGKが弾き、フォローしたガライが至近距離から打った左足シュート。45分にDFマキシが中盤を全力で駆け抜けてDFの裏に飛び出し、浮き球パスをGKベトの目の前で合わせた一発。そして同じく前半の追加タイムに、ガイタンがセビージャDF陣のミスを突いてGKと1対1になり、ペナルティエリアで後ろから倒されたかにみえたシーンと、前半だけで1点モノの大チャンスが3回。これらを活かせなかったことが、最後にベトにPKを2発ストップされるという最悪の結末につながってしまいました。
シュートがことごとくゴール正面に飛ぶなど、詰めが甘かったセビージャも、100分、ラキティッチの絶品スルーパスがバッカにつながり、背番号9がGKと1対1となったシーンを決めていれば、そこで試合を終わらせることができたでしょう。それにしても、このスルーパスは鳥肌が立ちました。自陣ペナルティエリア前で、ふわっと浮いた球をボレーシュートを打つようにして右サイドのバッカに一直線ですよ。プレミアリーグでこんなパスを出せる選手は、エジルかダヴィド・シルヴァぐらいでしょう。トッテナムやエヴァートンのポジションにいるようなクラブの戦術・技術レベルが極めて高いのがスペインの底力。これは、来季もプレミアリーグ勢は苦戦するだろうなと、あらためて感じた次第です。
PK戦は半ば時の運ですが、セビージャのGKベトが当たっていたというより、カルドソとロドリゴがびびって自滅したというほうがふさわしい攻防でした。いやいや、それにしてもベンフィカは残念。私は、「今季のベンフィカはチェルシーと決勝を争った昨季よりもさらにパワーアップ。ヨーロッパリーグなら優勝間違いなし」と彼らを本命視して追いかけていたので、この結果は悔しいです。とはいえ、両チームとも、持てる力を出し切った、いい試合だったと思います。セビージャのみなさん、優勝おめでとうございます。ぜひ、教えてください。いえ、ヨーロッパリーグの勝ち方ではなく、その3日後の日曜日に、当然のようにリーガ・エスパニョーラを勝つ秘訣のほうです。ぜひ、トッテナム、エヴァートン、ハル・シティの関係各位に伝えてあげたいと思いまして…。(イヴァン・ラキティッチ 写真著作者/Gabrielcorbachobermejo)
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ベンフィカも、セビージャも勝利に値するパフォーマンスでした。
というか、セビージャは昨夏の移籍市場で草刈り場となったのにこの豊富なタレントはなんなんでしょうかね。
バッカにラキティチ、モレーノ、ガメイロとこの夏もビッククラブが狙うタレントぞろいです。
意外と監督のエメリが一番に引き抜かれるかもしれませんが笑
レジェスもみごとに輝きを取り戻していて嬉しい限りです。
リバサポさん>
スペインの中堅クラブは、抜いても抜いても新しい選手が出てくるゾンビみたいなチームが多いですね。何なのでしょう、あの底力。