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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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プレミアリーグからメンバー総とっかえ!大凡戦トッテナム、EL初戦は納得のドロー!?

チャンピオンズリーグに続いて、ヨーロッパリーグの2014-15シーズンも開幕しました。プレミアリーグ勢で出場するのは、トッテナムとエヴァートンの2チーム。昨季FAカップ準優勝で出場権を獲得していたハル・シティがプレーオフで敗退したため、今季は少しさびしい顔ぶれとなります。いいサッカーを観たいというのが第一ではありますが、UEFAランキングで上位となり、プレミアリーグからの欧州カップ戦への出場枠を確保するためにも、ヨーロッパリーグに出場する2クラブにはぜひがんばってポイントを稼いでもらいたいものです。

さて、トッテナムです。私は、ポチェッティーノ新監督と、今季の新しいトッテナムに期待しているのですが、ここ2年同様、プレミアリーグとヨーロッパリーグを並行して戦うタイトなスケジュールをどう乗り切るかが、このクラブの喫緊の課題だと思います。今季のグループリーグは、厳しい組み合わせとなりました。セルビア・スーペルリーガで2013年まで6連覇の名門・FKパルチザン・ベオグラード、ギリシャのアステラス・トリポリス、デンバ・バやオルジャイがCLプレーオフでアーセナルを苦しめたベジクタシュ。曲者揃いのうえに、消耗させられるトルコやギリシャへの遠征があります。初戦のFKパルチザンとのアウェイ戦はいきなり山場。できれば勝ち点3をもぎ取り、後の展開を楽にしておきたいところです。

この試合で、ポチェッティーノ監督は大胆なことをしてきました。サンダーランドと引き分けたプレミアリーグ4節から、GKロリス以外全員違うメンバーです。トップにハリー・ケイン、両サイドにはレノンとタウンゼント。中盤にはパウリーニョとベンタレブが並び、新加入のベン・デイビスが左SB。スタンブリやファシオといったフレッシュな名前もあります。アデバヨル、エリクセン、シャドリ、ラメラら現在の主力を休ませたこのメンバーで勝てれば、週末のプレミアリーグには影響はないでしょう。所属する選手を目いっぱい使ったターンオーバーは、果たして機能するのでしょうか。

ゲームが始まると、20分までは一進一退、中盤でのせめぎ合いが続きます。攻守の切り替えが速く、パルチザンにシュートを許さないトッテナムでしたが、タウンゼントの突破にしか攻撃の糸口を見出せません。先にチャンスをつかんだのはパルチザン。24分、スローインが直接ゴール前に落ち、最前線のラゾヴィッチが至近距離からシュートを放ちますが、GKロリスがブロックしてホームチームの先制はならず。トッテナムはパウリーニョやタウンゼントのミドルシュートで応戦。27分にはCKのクリアをヘッドでつなぎ、最後は左にいたハリー・ケインが左足で狙うものの、うまく当たらずGKルカッチを脅かすことができません。44分、カウンターからパルチザンのパンティッチが右に持ち込みますが、シュートは枠を捉えられません。

前半は0-0。トッテナムのハリー・ケイン、パルチザンのラゾヴィッチとも、縦に入ってきた楔のパスをうまくMFにつなげず、前を向いてボールをもらっても思い切りのいいシュートが打てません。両チームとも効果的な攻撃ができず、シュートが少ない45分。トッテナムのベンチには、ラメラ、エリクソン、ソルダードが控えています。レノンとハリー・ケインが機能しないなか、切り札投入はあるのでしょうか。

後半は、ホームのパルチザンペースでスタート。トッテナムが反撃に出たのは、59分にタウンゼントとパウリーニョを下げ、ソルダードとラメラがピッチに入ってからでした。61分には、速攻からソルダードのクロスにハリー・ケインのヘッドがわずかに届かず。62分にも右からのクロスをソルダードが左足で合わせますが、当たりが薄く、シュートは左に大きく外れます。66分、パルチザンの速い展開にトッテナムのマークがずれ、右サイドで2人がフリーになりますが、ボールを受けたラゾヴィッチがもたついている間にベン・デイビスが戻ってクリア。パルチザンが絶好のチャンスをつぶします。76分、MFグリヴィッチが右から突破し、中のイリッチのヘッドに合わせたのがパルチザン最後のチャンス。これが外れると、ホームチームにはこれ以上、ゴールを奪うためのアイデアはありませんでした。

トッテナムが中盤でボールをつなげるようになったのは、ラメラのドリブルでタメが作れるようになった残り15分を過ぎてからです。しかし、フィニッシュのひとつ前のプレイでハリー・ケインが周囲と合わず、パルチザンを脅かすシーンはありません。結局トッテナムは枠内シュートゼロ。それでも、アウェイ戦としては悪くない、してやったりの勝ち点1です。

いやいや、凡戦でした。この後行われたエヴァートンVSヴォルフスブルクが派手でおもしろいゲームだったので助かりましたが、順番が逆だったらうっかり寝落ちしていたかもしれません。トッテナムにとってよかったのは、主力の過半の選手が遠征疲れを残さず、プレミアリーグ5節のWBA戦に出られることと、若い選手や出場機会の少ない選手に真剣勝負をさせられたこと。そしてもうひとつは、最大のライバルと目されるベジクタシュがホームで引き分けたので、グループリーグをトップで通過するうえでは一歩前進したことでしょう。

ポチェッティーノ監督にとっては、どこまで確信犯でどこからが誤算だったのでしょう。「ヨーロッパリーグの遠征はドローでOK。大事なのは、次のプレミアリーグで勝つこと」という目論見であれば、この着地はお見事です。

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