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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

やはり最後はアレクシス・サンチェス。アーセナル、ラスト1分からの見事な大逆転!

今季のプレミアリーグには、チャンピオンシップから昇格した3クラブに加えて、新しいクラブが2つ誕生しました。「FCディ・マリア」と「FCサンチェス」。ケガ人だらけで大スランプの両クラブが、それでもぎりぎりで踏ん張って、プレミアリーグでチャンピオンズリーグ出場権を争えるのは、何でもできるワールドクラスが奮闘してくれているからにほかなりません。上記クラブ名については、半分は、「他の選手たちもがんばって!」という叱咤激励の意を込めていっておりますが、残りの半分は新エースを純粋にリスペクトしています。彼らは、すごい。チャンピオンズリーグ・グループステージ第3節、アンデルレヒトとアウェイで戦ったアーセナルは、やはり「FCサンチェス」でした。

直近のプレミアリーグでは、ハル・シティにホームでドロー。ガナーズは、今がいちばんどん底なのではないでしょうか。ラムジー、アルテタなど負傷が癒えた選手たちはトップフォームに戻っておらず、ケガ人は未だに増えている状態。この日のアンデルレヒト戦はシュチェスニーが出場停止で、第2GKのオスピナは負傷離脱。彼らのGKはダミアン・マルティネスという苦しいチョイスです。CBモンレアル、右SBチャンバースも、ヴェンゲル監督の苦渋の決断。ベジェリンとモンレアル、どちらで行くか、指揮官は相当迷ったのではないかと思います。

アンデルレヒトは、アーセナルとしては、たとえアウェイでも負けてはいけないチームです。ベルギーリーグでチームの得点王のミトロヴィッチは20歳。中盤の中心、ホンジュラスのアンディー・ナハルは21歳。10代~20代前半の選手が極めて多い彼らは、いわば「プレミアリーグ予備校」。チェルシーやマンチェスター・シティにこれから買われていくような、経験値の小さい選手が並ぶクラブに、強豪国の代表クラスを揃えたアーセナルがやられるシーンは想像したくありません。

しかし、いざ試合が始まると、アーセナルはなかなかシュートに持ち込めず、前半のチャンスらしいチャンスはアレクシス・サンチェス絡みの2回ぐらい。16分にアレクシスが上げたクロスにウェルベックが合わせたシーンはシュートが大きく左に逸れ、34分にアレクシスが右から裏に走り、背後からのパスを信じられない柔らかさで足元に落とした突破は、DF2人に着かれてシュートを右に外します。結局、前半は両者とも枠内シュートゼロ。後半に入っても試合のペースは変わらず、ボールを支配するのはアーセナルですが、ここぞという場面でシュートが決まらず0-0のまま。前半に続いて、びっくりするぐらいの「FCサンチェス」状態で、FKからのバックヘッド、スルーパスをカソルラに通してGKと1対1に持ち込ませるなど、背番号17を通過しないとゴールしてはいけない、という決まりがあるかのようなエース頼みです。

残り20分を過ぎ、それでも勝つのはアーセナル、最悪でもドロー、ミドルシュート頼みのアンデルレヒトはノーチャンスと信じていたのですが、先制したのは残念ながら、虎視眈々とワンチャンスに賭けていたホームチームでした。モンレアルがマークにいき、メルテザッカーがカバーリングで左に引っ張られているというCBが留守の状況で、簡単にクロスを上げさせてはいけません。中は2対2。フラミニとチャンバースが相手の選手をケアしていたものの、クロスが通った瞬間、なぜかチャンバースはアンディー・ナハルをフリーにしてしまいました。完璧なヘッドに、マルティネスは触れず。ホームチームが金星を挙げる予感が漂い始めます。波に乗ったアンデルレヒトは78分にも右サイドを攻略。DFの中心であるファンデン・ボーレがフリーのシュートをバーに当てる決定的なチャンスを創り、プレミアリーグのトップクラブにとどめを刺そうとします。アレクシス・サンチェスのFKはぎりぎりで外れ、1-0は変わらず、残り時間が3分を切りました。これはさすがに負ける、と思った方も多いのではないでしょうか。しかし、ここからアーセナルは底力をみせます。

44分、アレクシスのパスを右サイドで受けたチャンバースがきれいなクロス。ファーサイドの落下点にいたのは、相手のマークよりひと足早く侵入していたキーラン・ギブス。負けているゲームの土壇場という焦りがちなシーンでしたが、ギブスは冷静にインサイドのシュートをクロスに放ち、ボールはサイドネットを揺らします。息を吹き返したアーセナルの逆転劇はその2分後。左でチェンバレンが粘って創ったチャンスからクロスが上がり、これを受けたアレクシス・サンチェスはシュートを諦めるものの、見事なボディバランスでボールをキープ。背番号17は右に持ち出すと、高速のグラウンダーを中に通します。体勢を崩したDFはクリアできず、こぼれ球はポドルスキの足元へ。途中出場のポドルスキは、完璧な「ごっつぁんゴール」を左足で思いきり突き刺し、アーセナルが勝利をものにしました。

いや、ヒヤヒヤでしたね。クロスへの対応が甘くなる癖が治らないなど、課題は山積みですが、今日は勝ち点3をゲットできたことを喜ぶべきでしょう。サポーターのみなさんは、こういう劇的なゲームは否応なくテンションが上がりますよね。これぞまさに、天国と地獄。アーセナルは負けていれば3位転落だったところが、貴重な勝ち点3でグループステージ突破に大きく前進しました!

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“やはり最後はアレクシス・サンチェス。アーセナル、ラスト1分からの見事な大逆転!” への4件のフィードバック

  1. サッカー小僧! より:

    更新お疲れ様です。

    今日もひどい試合でしたね、正直相手が2点目取り損ねてくれたおかげで、たまたま
    運良く勝てました、という試合でした。
    CLは勝つことが大事とはいえ、ほんと内容に進歩のかけらも感じません。
    失点の仕方も同じような感じでしたし、まぁ違ったのは最後逆転できた、ってこと
    でしょうかね、たた問題は、守備陣よりむしろ攻撃陣にありますが・・・。
    無意味なボール回しをするから、相手にそこを狙われてカウンター喰らうわけで。

    この試合も輝いていたのは、サンチェスでしたが、自分はFCサンチェスでも
    いいと思うんですよね、実際彼はそれだけの活躍を見せていますし・・・。
    問題は、監督がその事を分かっているのか、ってことです。
    チームとって大事な選手は誰なのか、いい加減監督はそこをはっきりさせるべきだと
    思います、どう見ても噛み合っていないウィルシャーをいつまでも起用していると
    チーム自体分解しかねません、といっても、監督が変わるようにも思えませんが・・・。

  2. makoto より:

    サッカー小僧! さん>
    シンプルに、アレクシスとエジルを中心に、カソルラ、ウォルコット、チェンバレンらを2列目に並べて、ラムジーとアルテタ、ウィルシャー(できればこのポジションを冬に補強したい)が後ろに構えるサッカーにしたほうが強そうですよね。

  3. ガナ吉 より:

    やはりジルーがいないとPA内で深さを作れないのが痛すぎると思います。
    昨季もジルーがいない時の停滞感が気になりましたし…

    あとクロスを簡単に上げさす癖はなんとかならないのでしょうか…
    ハル戦もですが、フィニッシャーのマークを外した事よりも原因はここにあるかと…

  4. makoto より:

    ガナ吉さん>
    ジルーは、ポストプレーヤーとしても一流ですしね。クロスについては、ハル・シティ戦はウィルシャーが何もしなかったので、さすがに中がかわいそうですが、アンデルレヒト戦は外も中も今イチだったですね。チャンバースは2対2なのはわかっていたはずなので、マークを外してはいけません。

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