ダービーの疲れか、勝てない焦りか…モスクワに敗れたマンチェスター・シティ、予想外の4戦未勝利!
マンチェスター・シティは、試合の入りを失敗してしまいました。前半1分、クロスが手に当たったクリシーがファールを取られると、ナトホのFKにFWドゥンビアがほぼノーマーク。背番号88は、軽く頭に当てればいいだけでした。GKジョー・ハートはなすすべなく、いきなり0-1です。マンチェスター・シティは、この一発で目が覚めたかのように反撃開始。アグエロとヘスス・ナバスがサイドから斬り込んで惜しいシュートを放つと、7分にヨヴェティッチの中央突破で得たFKを、名手ヤヤ・トゥレが得意のカーブをかけたキックで左隅に叩き込み、ゲームを振り出しに戻します。
2週間前にアウェイで2点を奪った相手に対して、マンチェスター・シティは、普段着のサッカーさえできれば逆転できるはずでしたが、ヨヴェティッチ、ヤヤ・トゥレの運動量が少なく、サバレタやクリシーがMFと絡んで数的優位を築くいつもの攻撃ができません。18分にはスルーパスからドゥンビアに裏を取られ、クロスのシュートがGKハートの脇を抜けますが、ボールはわずかにポストの外。相手の逸機に助けられたマンチェスター・シティは、唯一いつもどおりに動いていたアグエロが、ロングパスを競り合った後のこぼれ球を拾って右からニアに強いシュートを放つも、これも枠に収まらず、1-1のまま試合は進みます。
CSKAモスクワの勝ち越しゴールは、オウンゴールかと騒然となったバックパスミスの直後でした。33分、クリシーが自陣左サイドから出したボールは、中央のナトホにそのまま渡る痛恨のミスパス。ナトホはすかさず左にいたドゥンビアにラストパスを送り、15分前に1対1を外していたドゥンビアが、今度は完璧なコントロールショット。CSKAモスクワリードでハーフタイムという予想外の展開です。動かないチームに業を煮やしたペジェグリーニ監督は、後半頭から2枚代え。ヘスス・ナバスをナスリ、ヨヴェティッチをフェルナンジーニョにスイッチして、ヤヤ・トゥレを前に上げますが、この交代は、結果的には裏目に出てしまいました。
後半のマンチェスター・シティを襲ったのは、焦りと疲れ。ヤヤ・トゥレは自分で何とかしようというプレイが多過ぎ、ミルナーとサバレタは裏に抜け出そうとするパスのタイミングが合いません。61分、ヤヤ・トゥレの縦パスを受けて右からゴール前に飛び出したミルナーのシュートは、GKアキンフェイフの足に阻まれます。これが、マンチェスター・シティ最後の惜しいシュートでした。残り30分を切って1点のビハインドを背負ったままのプレミアリーグ王者は、ここから自滅の道を辿り始めます。
69分、カウンターを喰らって対応が後手に回ったフェルナンジーニョがペナルティエリアのすぐ外でファールを犯し、出場時間たった25分で2枚目のカードをもらって退場。74分、フェルナンドに代わって入ったジェコがGKと1対1になりかかるも、アキンフェイフの鋭い出足がそれを許しません。81分には、ヤヤ・トゥレが平常心を失います。彼が受けたタックルはさほど危険には見えませんでしたが、瞬間的に熱くなったコートジボアール代表MFが相手の頭を両手で突いてしまい、文句なしの一発レッド。9人になったマンチェスター・シティの焦りは止まらず、89分に左から縦に抜けたアグエロは、有利な態勢だったにも関わらず、並走していたDFに触れるや否や、明らかなシミュレーションに走ってしまいイエローカード。同点機を自ら放棄してしまったマンチェスター・シティに、これ以上チャンスは訪れませんでした。
1-2、完敗。次節のバイエルン戦とアウェイのローマ戦に連勝すれば、マンチェスター・シティはグループステージ突破の道が開けますが、それとてCSKAモスクワの結果次第。難敵とのゲームを連敗すれば、チャンピオンズリーグ敗退どころか、ヨーロッパリーグへまわるルートも閉ざされます。ここからの大逆転はあるのでしょうか。今回のチャンピオンズリーグでグループステージ敗退に終われば、欧州で惨敗したペジェグリーニ監督は、プレミアリーグで優勝と2位だったにも関わらずチームを追われたロベルト・マンチーニと同じ運命をたどるでしょう。ウエストハムやCSKAに勝てない今の彼らが、ダヴィド・シルヴァ、ヤヤ・トゥレ、コラロフ、フェルナンジーニョ抜きでバイエルン・ミュンヘンに勝つイメージはありませんが…。
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