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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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アーセナルは幸運のモナコ、チェルシーはパリSGと再戦…CL1回戦組み合わせ決定!

ヴェンゲル監督が、モウリーニョ監督にここまで圧勝するのは久しぶりでしょう。いえ、プレミアリーグの話ではなく、チャンピオンズリーグ。それもサッカーではなく、クジ運の話です。ロンドンの2チームは、それぞれフランスのクラブと戦うことになったものの、好対照のドロー。チェルシーは、昨季チャンピオンズリーグ準々決勝のリターンマッチとなるパリ・サンジェルマン。アーセナルは、今季リーグ・アンで6位にくすぶっているモナコです。「すべてのチームが難しい相手だ。レヴァークーゼンは典型的なドイツのチームで、バーゼルは何度かチェルシーに勝っている」と語っていたモウリーニョ監督は、そうはいってもブンデスリーガ3位のクラブやシャフタル・ドネツクあたりとやりたかったでしょう。「この海には何匹かのサメがいる」と、欧州の強豪クラブを警戒していたチェルシーの指揮官は、このラウンドで当たる可能性があったクラブのなかで、いちばん大きくて獰猛なサメを引き当ててしまいました。

とはいえ、今季のパリ・サンジェルマンは、昨季と比べると今ひとつ。リーグ・アンでは1-1のドローが多く、マルセイユに首位の座を明け渡しており、直近の戦績もリールにドロー、ギャンガンに1-0の敗戦と追撃モードとはほど遠い状態。バルセロナと同じ組で戦ったチャンピオンズリーグでは、9月に競り勝ったライバルに対して、最終節での再戦でメッシ、スアレス、ネイマールにゴールを奪われるという敵将ルイス・エンリケ監督におあつらえ向きの負け方でグループ2位に沈んでいます。ズラタン・イヴラヒモヴィッチ、カバーニ、ラベッシが並ぶ最前線は脅威で、昨季までプレミアリーグで共に戦っていたダヴィド・ルイスとチアゴ・シウヴァの「ブラジル代表CBコンビ」は容易に攻略できる壁ではないものの、今季のチェルシーのクオリティなら、自慢の得点力に陰りがみえるパリを返り討ちにできるのではないかと思います。

ヴェンゲル監督にとっては、名古屋グランパス監督就任直前の1994年まで、7年にわたって指揮を執っていたモナコは忘れられないクラブでしょう。モナコでの評価がなければ、日本にいながらプレミアリーグのトップクラブに声をかけられることもなかったに違いありません。3年前のこの季節に、ロシアの実業家であるリボロフレフ氏がオーナーとなって大きな投資が行われたフランスの名門クラブは、たった2年で方針転換。今年の夏にはチームの中心だったハメス・ロドリゲスをレアル・マドリードに売却し、現在はコストを抑えたクラブ運営を志向しています。

アーセナルは、夏のプレシーズンマッチにおいてエミレーツで彼らに0-1と敗れていますが、決勝ゴールを挙げたラダメル・ファルカオという牙は、マンチェスター・ユナイテッドに抜かれました。現在のチーム得点王は、プレミアリーグに所属していたフラムから移籍したディミタル・べルバトフ。パリとは対照的に、モナコはここ4試合をすべてクリーンシートで4連勝しているものの、ベンフィカから1点も奪えなかったクラブに勝てなければ、アーセナルはベスト8に入る水準にないといわれても仕方がありません。バルセロナ、ACミラン、バイエルンに行く手を遮られ、4季連続で16強止まりに終わっているアーセナルは、エミレーツで久しぶりのベスト8進出を決めてくれるでしょう。

【チャンピオンズリーグ2014-15 決勝トーナメント1回戦組み合わせ】
※左のチームが初戦ホーム
マンチェスター・シティ(イングランド) VS バルセロナ(スペイン)
パリ・サンジェルマン(フランス) VS チェルシー(イングランド)
アーセナル(イングランド) VS ASモナコ(フランス)
レヴァークーゼン(ドイツ) VS アトレティコ・マドリード(スペイン)
ユヴェントス(イタリア) VS ドルトムント(ドイツ)
シャルケ04(ドイツ) VS レアル・マドリード(スペイン)
シャフタール・ドネツク(ウクライナ) VS バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
バーゼル(スイス) VS ポルト(ポルトガル)

最後に、昨季プレミアリーグ王者のマンチェスター・シティ。バイエルン、ASローマと同居する死のグループで、4戦未勝利からの奇跡的な大逆転を果たした彼らには、ラウンド16ぐらいは楽な相手と当たってほしかったのですが…。緒戦の相手は、昨季と同じバルセロナ。メッシとネイマールがゴールを量産する優勝候補を倒すのは大変ですが、ルイス・エンリケ監督に代わった今季のチームなら、マンチェスター・シティは勝ち負けに持ち込めるかもしれません。前の2人は強力ですが、プレミアリーグ得点王だったスアレスは、未だリーガではノーゴール。シャビとイニエスタは確実に下り坂を辿っており、「バカ勝ちか沈黙か」という不安定さが漂います。エティハドでの第一戦で、今季絶好調のアグエロやヨヴェティッチがゴールを奪って先勝できれば、敵地カンプ・ノウで昨季のように力を発揮できずに終わることはないでしょう。厳しい相手なのは間違いありませんが、2月にはベストメンバーが組めるであろうマンチェスター・シティに、クラブ初のベスト8を期待したいと思います。

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“アーセナルは幸運のモナコ、チェルシーはパリSGと再戦…CL1回戦組み合わせ決定!” への2件のフィードバック

  1. makoto より:

    いつも楽しく読ませてもらってます。

    私はアーセナルファンですが「幸運の」モナコ、とはっきり言われてしまうと、逆に怖いです笑

    どこが相手でもGLを首位で抜けてきたチーム、そしてGL首位が簡単じゃないことはアーセナルが身を持って体験してます苦笑

    データだけ見ると守備がしっかりしてそうなので、1st legでアウェイゴールを取られて引き分けようものなら、そのまま畳み込まれそうです。

    シティ×バルサ、パリSG×チェルシーが決まったときには、もうバイエルンを覚悟してましたが、とりあえず違くて良かった。
    いまの心境はこれに尽きます笑

    これからも更新楽しみにしています。

    —–
    むんさん>
    おっしゃるとおり、「モナコ=楽」ではないとは思いますが、スペイン3強+バイエルンと当たる確率が2/3もあったガナーズにとっては、最高のドローでしょう。久しぶりのベスト8を、ぜひ実現してほしいですね。

  2. モウ より:

    チェルシーはパリとになってしまいましたね〜
    せっかく首位通過したのに、モナコより明らかに強いと思われるパリとは(笑)
    アーセナルはめずらしくくじ運が良かったですね!

    去年はパリとはぎりぎりの戦いでしたが、今年はもっとしっかり勝ちきりたいですね!
    優勝候補筆頭ではないですが、優勝目指すために強豪を倒して勢いに乗りたいです!!
    ダビドルイスと当たるのは、複雑ですが(^_^;)

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