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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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最後はウィリアン!完璧なFKで勝利を決めたチェルシーに復活の兆し!

モウリーニョ監督と選手の確執が伝えられ、セスクとテリーがそれを否定するなど、監督解任報道で騒がしくなっているチェルシー。週末のプレミアリーグ、ストーク戦で負ければいよいよなどと報じられていますが、絶不調のチームを立て直して噂を封じるには、勝利を重ねていくしかありません。モウリーニョ監督は、ディナモ・キエフに勝ってグループステージ突破に近づくことができるでしょうか。スタンフォード・ブリッジのチャンピオンズリーグ第4節、この日の最終ラインには、ケーヒルの名前がありません。両サイドにはラーマン・ババとアスピリクエタ、CBはテリーとズマ。セスクとマティッチが戻った中盤にはエデン・アザールがおらず、ウィリアン、オスカル、ラミレス。思うようにゴールが決められないジエゴ・コスタには、そろそろ意地を見せてほしいところです。

開始早々、チェルシーが攻勢。ジエゴ・コスタが左サイドから突破を図り、CKのクリアをラミレスが強烈なミドル。いい立ち上がりですが、プレミアリーグのリヴァプール戦も最初の10分はよかっただけに、このペースをキープできるかに注目です。8分、アスピリクエタの低いクロスに合わせたオスカルのボレーは、タイミングはバッチリながら、GKポクロンスキの正面。自陣でボールを奪った後のスピーディーな攻め上がりは、プレミアリーグで優勝したチームと何ら変わらないように見えます。オスカルに積極性とプレイのアイデアが戻り、右のアスピリクエタがアグレッシブに上がっているのが目を引きます。

キエフとチェルシーの間には、明らかに実力差がありますが、怖いのは0-0のままずるずると終盤に入ってしまうこと。28分、オスカルが仕掛けたカウンターは、アウトを使ったラストパスを受けたジエゴ・コスタのドリブルが大きくなってしまい、シュートに持ち込めません。30分、左サイドにいた好調ウィリアンは、ファーサイドで呼んでいたセスクをよく見ていました。ロングフィードをトラップしたセスクがふわりと浮かしたラストパスは、中のオスカルにぴったりでしたが、DFがヘディングでクリア。リバウンドを狙ったジエゴ・コスタはシュートを打ち上げてしまいます。

34分、押し続けていたプレミアリーグ王者の先制点は、ラーマン・ババが素晴らしいロングパスをウィリアンに通したところで、半ば必然でした。通ればジエゴ・コスタが待っていた高速のクロスをニアで止めようとしたドラゴヴィッチのヘッドは、痛恨のオウンゴール。終了間際には、マティッチのパスカットからセスクが素早くジエゴ・コスタを走らせ、シュートさえ打てればというチェルシーらしい速攻がありました。前半を1-0で終えたチェルシーは、出足のいいインターセプトが多く、今シーズンで一、二を争う出来だったのではないでしょうか。

48分、ホームサポーターが青ざめるピンチを、ズマがぎりぎりで食い止めます。縦パスに完全に抜け出したクラヴェツはシュートを打つタイミングが遅れ、左足を伸ばしたズマのカットで転倒しますが、間違いなく足はボールを捉えていました。51分、左に出たジエゴ・コスタのクロスに、ウィリアンがヘッドで競り勝ったものの、GKポクロンスキがキャッチ。直後、キエフのCKから、デルリス・ゴンザレスが放った強烈なシュートはラミレスがブロック。キエフはハンドを主張するも、背番号7は冷静に胸で受け止めていました。チェルシーは、アスピリクエタとズマの間のスペースをケアしないと、危険な速攻を喰らうシーンが増えるはずです。

56分にピッチに登場したジュニオール・モレアスのミドルをベゴヴィッチがセーブすると、ウィリアンの素晴らしいFKに飛び込んだラミレスのシュートはポストの右。68分のショートカウンターは、チェルシーらしいチャンスでした。ジエゴ・コスタから左のセスク、落としたボールをオスカルが左足で狙うと、ポクロンスキがぎりぎりでセーブ。攻め合いの向こう側で、次のゴールを奪うのはどちらでしょうか。最近のプレミアリーグで守備が不安定だったチェルシーにとって、1-0は昨年と違ってセーフティなスコアではありません。

77分、チェルシーはついに同点を許してしまいました。右からのCKをマティッチが触ると、裏にいたドラゴヴィッチがフリーで強烈なシュート。飛び出していたベゴヴィッチは対応できず、スタンフォード・ブリッジにはアウェイサポーターの歓声がこだまします。モウリーニョ監督は、ここでセスクとオスカルを下げ、ペドロとアザール。モウリーニョ監督は、この危機を乗り越えられるのでしょうか。83分、チェルシーには、この飛び道具がありました。ウィリアンの完璧なFK!右足でドライブをかけた渾身の一撃は、GKの手の先を抜けてゴール左隅に吸い込まれます。キエフの抵抗はここまででした。チェルシーは、アザールの仕掛けからゴールに近づき続け、最後はケーヒルを投入してタイムアップ。グループリーグ突破が視界に入る、大きな勝ち点3を手に入れました。

動きが悪い選手はおらず、復活の兆しが見えたものの、セットプレーでしか点が奪えなかったことと、セットプレーからやられたことが課題です。「結局ウィリアン」ではありましたが、オスカル、ラミレス、セスク、アスピリクエタらが織りなす攻撃には迫力があり、次に期待できるのではないでしょうか。足りないパーツは、ジエゴ・コスタのゴールと、アザールの本格的な復活です。ストーク戦は、胸のすくゴールで、バッドニュースで溜まった鬱憤を晴らしていただければと思います。(ウィリアン 写真著作者/Ben Sutherland)

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“最後はウィリアン!完璧なFKで勝利を決めたチェルシーに復活の兆し!” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    試合前から試合中歌い続けられたモウリーニョチャントが印象的でした。
    「君たち(メディア)が私の終焉を求めていたなかでの試合だった。ファンは新聞を読み、テレビを見て、評論家たちの意見を危機、ブログを読んでいる」「今日の彼ら(サポーター)が言おうとしたことは、素晴らしかった。彼らは『オレたちはあんたがここにいることを望んでいる』と言おうとしたんだ」とモウは会見で言ってますが、今チームをサポートするために何をすべきで、自分たちの歌声で何の愚かな雑音を掻き消すべきかを現地サポーターはちゃんと知ってるんだなと思いました。

  2. そら より:

    やはりアスピリクエタは右足に持ち替えてしまう左サイドより右サイドの方が攻め上がりがスピーディで守備だけでなく攻撃でも貢献できますね。
    ババもまだ遠慮を感じるけどオスカルとの連係や良いロングパスもあったのでしばらく使い続ければアザールのサポートもこなせるようになるんじゃないでしょうか。
    是非ともこの両SBとズマCBでしばらく固定して、後は押し込まれた時にただずるずると下がるのではなく押し返せるDFラインになっていければいいかなと。

    —–
    左はオスカルとババ、右はウィリアンとアスピでしばらく固定してやってほしいですね
    あと、トップ下及びボランチはその時々で調子を見て入れ替えていってほしいです

  3. chelさぽ より:

    今のところ今シーズンのベストゲームだったと感じています。MOMは間違いなくウィリアンですね。

    チームが不調の中、唯一コンディションを維持していたアフロさんはまさにヒーローです。
    試合終盤まで粘り強く守備し、試合を決めるFKは鳥肌ものでした。

    中盤の守備のバランスも復調が見られましたし、ズマのタックルはウォルコットをシャットアウトしたのに続き見事なものでした。
    コスタは守備に貢献できていたとは思いますが、やっぱり痩せなきゃですね。体が重そうに見えて仕方ありません。
    復調か?と騒がれていますが、次戦のブリタニアを攻略して勝ち点3を獲得できればいよいよだと思います。

    あとはアザールにセスクのような発言を期待しているのですが、本人の調子が上がるまではなさそうですかね。

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