ロリスのビッグセーブが劣勢のチームを救う!トッテナムはレヴァークーゼンに納得のドロー
立ち上がりは、レヴァークーゼンのペース。前線からのプレスが厳しく、5分を過ぎてもトッテナムはなかなかハーフラインを越えられません。10分、フィンセント・ヤンセンが決めたかに見えたカウンターは、ラメラの浮き球で裏に抜け出したソン・フンミンがオフサイドを取られました。チチャリートとキースリングという警戒すべき2トップに対しては、ワニャマ、エリック・ダイアー、フェルトンゲンがよくついており、20分まで両者ともシュートがありません。
21分、右のワニャマからラメラ、トリッピアーとつながってアーリークロスをGKレノにカットされたシーンは、中央も厚く惜しい展開でした。エリクセンの右からのクロスが流れたところをダニー・ローズが遠めから狙った後、24分にソン・フンミンがおなじみの中央への斬り込みを図ります。デル・アリとのワンツー、メフメディをあっさり抜き去り中央から渾身のシュート。これはDFに当たってGKレノを脅かすには至りませんが、3分後のワニャマのスルーパスからの攻撃は決定的でした。フリーになったトリッピアーの正確なクロスを、飛び込んだデル・アリがヘッドで叩きますが、惜しくも左に外れてアウェイゴールは決まりませんでした。
38分、スパーズが怒涛の攻撃で先制点に迫ります。デル・アリのスルーでフリーになったソン・フンミンが左から持ち込み、落としを狙ったデル・アリのシュートがディフレクションで右サイドに流れると、トリッピアーのクロスに合わせたフィンセント・ヤンセンの強烈なヘッドはクロスバー。フォローしたラメラのボレーはレノが上に弾き出し、レヴァークーゼンは守り切りました。41分、ホームチームが左から仕掛けた速攻は、カンプルのシュートが右にアウト。2分後、左からのパスを受けて素早く左足を振り抜いたチチャリートの一撃も、ポストの脇を抜けていきます。前半は0-0。プレミアリーグとブンデスリーガの3位同士の対決は、ポゼッション57%のスパーズのペースでしたが、レヴァークーゼンの前線には決定力があり、後半はどう転ぶかわかりません。
キックオフ直後、左からのロングフィード一発でチチャリートが裏に抜け出しかけ、接触したロリスが倒れてこぼれたボールをメフメディが無人のゴールに流し込みますが、これはストライカーのファール。納得がいかないレヴァ―クーゼンサポーターのブーイングが、ベイアレーナに鳴り響きます。48分にはラース・ベンダーが右サイドを崩し、グラウンダーをチチャリートがプッシュ。決まったかに見えた瞬間、素晴らしい反応で手を伸ばしたロリスがキャッチし、ピンチを切り抜けます。
早く落ち着きたいスパーズですが、この後もホームチームの猛攻を喰らいます。54分、右サイドからのFKは、ニアに入ったキースリングのヘッドが大きく上にアウト。56分のアランギスの直接FKはロリスがまたもビッグセーブ。直後、左サイドでキースリングがフリーになり、アランギスの左足、チチャリートの頭ときわどいシュートが続くも、いずれもダニー・ローズが体に当ててクリアし、スコアは動きません。62分、左からのパスを中央で受けたメフメディがミドルを放つと、好調ロリスはこれもセーブ。CKを手に当てたように見えたダニー・ローズには、レフェリーの笛は鳴りませんでした。65分、ポチェッティーノ監督は、フィンセント・ヤンセンに代えてデンベレ。最前線に入るのは、プレミアリーグで4戦4発のソン・フンミンです。
68分、左から上がったカンプルがボールを縦に流すと、走り込んだキースリングのシュートはロリスが外に弾き出します。CKはトプラクの頭にぴったりでしたが、守護神が正面でキャッチ。70分にラメラが下がり、ムサ・シソコ登場。後半のシュート数では13対1と圧倒的に押されていたスパーズは、81分にカウンターからエリクセンが右サイドを突破。ひとりかわしてゴールライン際からクロスを入れるも、GKレノの頭を越えられません。
84分、レヴァークーゼンにビッグチャンス。左からカンプルが入れたプラスのボールにエリック・ダイアーが触れず、背後に入ったキースリングは、ロリスの目の前からのシュートを左に外してしまいました。チチャリートは、ここでブラントに交代。残り1分、古巣からのブーイングに送られて、ソン・フンミンがオノマーに後を譲ります。ブラントを中心としたレヴァークーゼンの必死の攻撃に耐えたスパーズが、アウェイで貴重な勝ち点1を手に入れました。
ハーフタイムに、ハカン・チャハノールをバウムガルトリンガーにチェンジしたシュミット監督の対抗策は的確でした。サイドで優位だったスパーズはアドバンテージを失い、後半は守備に忙殺されて足が止まりました。サイドに展開できなくなり、中央に集めるしかなくなったボールを容赦なく狙われる自軍を見たポチェッティーノ監督もまた、まずはデンベレで危険度が増した中央を固め、シソコを入れて押し返すという理にかなった采配を見せました。後半はホームチームが一方的に押す展開となり、結局ゴールシーンはなかったものの、両指揮官の駆け引きを楽しめる見応えのあるゲームだったと思います。
マン・オブ・ザ・マッチはもちろんウーゴ・ロリス。彼の冷静なセービングがなければ、一気に崩れて大差負けという結末すらあったと思います。前半のチャンスを決めていればという悔いは残るものの、トッテナムにとってはドローは悪くない結果でしょう。次戦のウェンブリーでレヴァークーゼンに勝てば、残る2試合を両方ドローで決勝トーナメント進出が決まります。
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