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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

岡崎慎司は一歩及ばず!ドローで畳んだレスター、「初出場で4連続クリーンシート」は史上初!

シンジはわれわれにとって重要な存在。相手の脅威となり、中盤をサポートしてくれるハードワーカーだ。彼を使わなかったとき、私はシンジとカンテという偉大な選手を2人も失っていた。最近ようやく、シンジを取り戻すことができた」。ドローでしのいだプレミアリーグ10節のトッテナム戦の後、ラニエリ監督が岡崎慎司を激賞。さらにチャンピオンズリーグのコペンハーゲン戦の試合前会見では、「(負傷した)スリマニは準備が足りない。リスクを冒したくない」とも語っていたレスターの指揮官の言葉を重ねて、「岡崎がCL初先発!?」と前のめりになった日本メディアが多かったようです。しかし、リスク回避重視の監督は、「岡崎を酷使しない」という自らのルールをここでも守りました。チャンピオンズリーググループステージ第4節、決勝トーナメント進出がかかったゲームの先発は、ヴァーディとアーメド・ムサです。トッテナム戦で78分走った岡崎はベンチスタート。アマーティ、マフレズ、シュルップ、ドリンクウォーターの中盤は、勝つことよりも負けないことを重視したアウェイ仕様のメンバリングに見えます。

コペンハーゲンに主導権を握られるのは想定内。しかし、試合開始から続いた大音量のブーイングと罵声には、ここはトルコか!?とびっくりしました。プレミアリーグでは、高らかに歌い上げるチャントはあっても、選手にもプレイにも関係ないブーイングが一斉に響き渡る試合はさほどありません。9分のドリンクウォーターのミドルはDFに当たってアウト。CKからマフレズが上げたクロスは、ファーサイドのヴァーディの頭上を越えていきます。コペンハーゲンはハイクロスを競った後のボールを狙う作戦のようです。14分、ベルヴィッチが左サイドでアマーティをかわしてシュート。シュマイケルを慌てさせる一撃こそないものの、レスターは時折劣勢になるミドルレンジをしっかりケアしなければなりません。

モーガンのトラップミスをさらったサンタンデールは左からボックスに侵入し、クロスに狙うも当たりが弱くシュマイケルがキャッチ。ヴァーディを走らせる縦パスが通らず、レスターは大半の時間を相手を追いかけて過ごしています。ドリンクウォーター、フートと立て続けに守備のミスがあり、それぞれボールを取り戻そうとしてイエローをもらいました。プレミアリーグ王者は、大陸のアウェイの洗礼を受け、まったく攻められません。前半が終わる5分ほど前に、ラニエリ監督が動きました。2トップだったムサを左サイド、左にいたシュルップを右、マフレズがトップ下の4-4-1-1。44分、マフレズがスルーパスでムサを走らせ、グラウンダーを受けたヴァーディのシュートはDFがブロック。リバウンドを狙ったアマーティのミドルには力がありませんでした。ハーフタイムは0-0。コペンハーゲンに押される展開が変わらなければ、早い時間に岡崎慎司が呼ばれるでしょう。

後半も、サイドからのクロスを中で競らせようとするホームチームの攻勢は変わらず。50分、アウグスティンソンのクロスが流れてきたところをダイレクトで叩いたアンゲルセンのシュートは、フクスがカットして事なきをえました。58分、レスターにチャンス到来。マフレズのパスで右サイドをえぐったドリンクウォーターの速いグラウンダーは、触れば1点のいいボールでしたが、ムサが読んでおらずゴール前を横切ってしまいました。61分、シュマイケルのゴールキックからマフレズが前を向き、ヴァーディがフリーになった瞬間にラストパスを出しますが、ヨルゲンセンが触って通らず。プレミアリーグ王者は徐々に押し始めているものの、コペンハーゲンが必死のディフェンスで危険なコースを塞いでいます。69分、コルネリウスのポストプレーから途中出場のトゥトゥーがクロス。ファーから走り込んできたベルヴィッチは大きく打ち上げてしまいました。この直後、ホームチームに決定機。アウグスティンソンのグラウンダーをニアに入ったベルヴィッチがプッシュしますが、シュマイケルが膝でセーブしてピンチを脱しました。

来ました、岡崎慎司!残り19分、下がったのはシュラップです。中央に移しても、プレイしているうちに右に寄っていたマフレズは、住み慣れたポジションに戻りました。2タッチ以内でシンプルにさばいていた岡崎にチャンスが巡ってきたのは84分でした。マフレズからのパスを受けてドリブルでひとりかわし、2人めと競りながらボックスに入ろうとしたところで転倒。欲しかったファールの笛も、CKを指示するジェスチャーもありませんでした。その1分後、またも日本代表ストライカーがゴールに迫ります。フクスのインターセプトから自陣でパスをもらった岡崎は、ドリブルで上がると並走するフクスにリターン。ファーに上がったクロスをヴァーディがヘッドで折り返すと、ここに入ってくるのはもちろん…!残念ながら岡崎は一歩及ばず、クヴィストがCKに逃れました。

この試合最大の決定機と最高のファインプレーは、90分に同時にやってきました。右からのクロスに競り勝ち、ヘディングをGKの脇に叩きつけたのはコルネリウス、素晴らしい瞬発力で右に飛んで弾き出したのは、カスパー・シュマイケル!このままドローに持ち込んだレスターは、負ければ三つ巴の争いに巻き込まれていただけに、チームの運命を変えたといっても過言ではないビッグセーブでした。チャンピオンズリーグ初出場で4連続クリーンシートは、史上初の快挙。プレミアリーグではボトム10に沈んでいるチームは、勝てばグループステージ突破というゲームでリーチ一発とはいかなかったものの、次のブルッヘに引き分ければ、今度こそ決まりです。

今日のまとめは、「ヴェーディとムサは、前に並ぶとキャラかぶり」「中に置くとマークがきつくなるマフレズの定位置はやっぱり右」「シュマイケルは、今やプレミアリーグ屈指のショットストッパー」「岡崎は必要。相方は誰でもOK」といったところでしょうか。ラニエリ監督と答え合わせをすれば、30秒でOKがもらえると思われますが…いかがでしょう?(カスパー・シュマイケル 写真著作者/Chris 0023)

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