明暗分かれた日本人DF。長友の痛恨のオウンゴールで、サウサンプトンが勝ち抜けにリーチ!
10分、左45度からカーブをかけたジェイ・ロドリゲスのシュートはGKハンダノヴィッチの頭上を越えていきます。中央にいたタディッチとレドモンドのワンツーから左に流れたボールは、ジェイ・ロドリゲスのシュートがGKの正面。フランク・デブール監督が解任されたばかりのアウェイチームは、守備にまわると余裕のなさが目立ちます。セインツはタディッチとレドモンドを中心とした直線的なアタック、インテルはカウンター。イカルディのシュートチャンスは、ファン・ダイクが的確なマークでつぶしています。吉田麻也、ファン・ダイク、ロメウが左右に展開し、タディッチとクコ・マルティナ、ウォード=プラウズとマックイーンでサイドを崩そうとするセインツは、時間が経過するごとにバランスがよくなるインテルの守備を崩せません。30分にはホイビュルグが見事なスルーパスをクコ・マルティナに通しますが、クロスは長友の足に当たり、0-0が続きます。
セインツが攻勢だったゲームは、33分にワンチャンスを活かしたインテルが先制します。右からマックイーンを振り切ったのはカンドレーヴァ。ファン・ダイクが引っ張り出されて不在だったセインツのゴール前は、大混乱に陥ります。吉田麻也は、ニアでクロスをカットするのか人を見るのかはっきりさせるべきでした。左足アウトのクロスがペリシッチに通ると、最初のシュートはクコ・マルティナがカットしたものの、イカルディの一撃はロメウの足が届かずゴールに吸い込まれました。40分、セインツの決定機。クコ・マルティナのクロスをハンダノヴィッチがパンチすると、ボックスの入り口にいたロメウがダイレクトでシュート。強烈な一撃は、エデルに当たらなければ入っていたでしょう。前半終了間際に、セインツに絶好のチャンスが到来します。ホイビュルグが蹴ったボールがペリシッチのひじにヒットし、PK。しかし、インテルのゴールマウスにはスペシャリストがいました。タディッチが右を狙ったキックは、ハンダノヴィッチが完璧な読みとタイミングでセーブ。直後に笛が鳴り、セインツがビハインドを背負ったまま、後半に入ります。
48分、左からのクロスが流れてきたところを思い切りよく狙ったのはホイビュルグ。50分にはジェイ・ロドリゲスが前線でつぶれたところにウォード=プラウズが走り込んで強烈なミドル。ハンダノヴィッチはこれも弾き、セント・メアリーズはため息に包まれます。54分にバネガがクコ・マルティナを抜き、後ろのペリシッチがシュートを放つと吉田麻也がカット。ピュエル監督は、59分にジェイ・ロドリゲスを下げ、チャーリー・オースティンに勝負を託します。プレミアリーグでは好調のストライカーは、欧州の名門からゴールを奪えるでしょうか。
63分、ぽっかり空いた中央に侵入したホイビュルグがひとりかわしてシュートを放つと、ラノッキアがスライディングでブロック。直後のレドモンドのクロスは長友がカット。CKを完璧に捉えたファン・ダイクのヘッドはハンダノヴィッチが上に弾き出します。3発までは防いだインテル守備陣は、直後の4発めでついに追いつかれました。タディッチのCKのクリアをレドモンドが中に軽く浮かすと、ロメウのシュートがバーにヒット。リバウンドを蹴り込んだのは、ファン・ダイクでした。セインツはさらに攻勢を強め、インテルはカウンター狙い。70分、インテルに致命的なミスが出ました。左からのクロスがダンブロージオに当たってコースが変わり、長友の左足に当たったボールはオウンゴール!時間があった左SBは、集中力を欠いていたのでしょうか。74分、インテルはメデルをエデル。ピュエル監督は77分にタディッチを下げ、スティーブン・デイヴィスでチェイシングを強化します。
ロメウのミスを拾って遠めから打ったイカルディの強烈な右足は、フォースターがセーブ。残り時間は10分を切り、セインツが自陣に引く時間が増えています。プレミアリーグよりも一段テンションが高い感動的な応援に後押しされ、セインツはうまく時間を遣いました。インテルにチャンスはなく、セインツのカウンターとサイドでのボールキープが目立ちます。最後にもらったCKを蹴らずにタイムアップ。2勝1分1敗としたセインツは、次のプラハ戦に勝ってハポエル・ベア・シェバがドロー以下なら勝ち抜け決定。次戦に負けても、セント・メアリーズの最終戦でハポエル・ベア・シェバに勝てばOKです。
日本人DFは、明暗が分かれました。失点シーンでは判断が遅れてしまった吉田麻也は、自分の持ち場からの突破は許さずインテルの攻撃を完封。サイドではうまく守っていた長友は、相手の決勝点となるゴールを自らの足で入れてしまいました。オウンゴールで決まったゲームでしたが、サウサンプトンが勝者にふさわしかったと思います。ファン・ダイクは凄い!0-1となってから、闘志をむき出しにして何度も前線に上がっていたCBが、ここぞというチャンスを確実に活かして勝利を呼び込みました。次の夏には、プレミアリーグの上位クラブからオファーが殺到するでしょう。あの強さと高さは、ペップよりもモウリーニョやコンテが興味を示しそうです。いやー、おもしろい試合でした。セインツはよく走りました。この勢いで、決勝トーナメント進出を次戦で決めていただければと思います。
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