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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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遅かったエリクセン&デル・アリ…2人の天才の本領発揮でトッテナムは今季CL初のホーム勝利。

チャンピオンズリーグ2016-17グループステージ最終節、プレミアリーグ勢のなかで最も楽しみにしていた試合は、トッテナムとCSKAモスクワの一戦です。CLで本拠地として使ったウェンブリーで連敗を喫し、大会を去ることになった彼らのラストバトル。ポチェッティーノ監督と選手たちのチャレンジの見納めであるとともに、ヨーロッパリーグ出場権を賭けた戦いでもあります。スパーズが勝ちか引き分けなら年明けのELラウンド32へ進出、ホーム3連敗となれば2017年は国内のコンペティションのみとなります。プレミアリーグ最少失点のスパーズには、堅守、走力、速攻を武器に欧州の舞台で戦い続けてほしいと期待しています。

守備の軸であるアルデルヴァイレルトが戻ってきたものの、この日はベンチスタート。最終ラインはカイル・ウォーカー、ダニー・ローズ、エリック・ダイアー、フェルトンゲンの4人です。中盤にはワニャマ、ハリー・ウィンクス、デル・アリ、ソン・フンミン、エリクセン。直近のプレミアリーグ3試合で4ゴールのハリー・ケインは、トップフォームに戻ったのではないでしょうか。立ち上がりに攻め込まれたホームチームは、5分もしないうちに落ち着きました。7分、フェルトンゲンのロングフィードを逆サイドのカイル・ウォーカーが頭で前につなぐと、エリクセンがダイレクトで上げた素晴らしいクロスがデル・アリへ。ヘディングシュートは決まったかに思われましたが、わずかに左に外れてしまいました。9分にはハリー・ウィンクスが縦に長いスルーパスを通すと、右サイドを完全に破ったエリクセンがニアに飛び込んだハリー・ケインにクロス。DFにクリアされたものの、2本とも、これぞスパーズです。

13分、カイル・ウォーカーのパスをダイレクトでラインの裏に流したのはハリー・ケイン。アレクセイ・ベレズツキをかわしたエリクセンがGKアキンフェイワと1対1になりますが、クロスに放ったシュートはGKが足でセーブします。左のソン・フンミンは苦戦気味ですが、右のエリクセンとカイル・ウォーカーがサイドを制圧。21分、カイル・ウォーカーが高く上げたクロスは、落下点に入ったデル・アリがヘディングをうまくコントロールできませんでした。25分、エリクセンの巧妙な浮き球でバシリ・ベレズツキと入れ替わったデル・アリは、GKしか前にいない決定機にシュートを正面に飛ばしてしまいます。優勢なチームが何度もチャンスを逃すと、ノーチャンスだったチームが1発で決めてしまうことがあるのがサッカー。33分、ナトホが前線に放り込んだボールをトシッチが頭でジャゴエフに落とすと、右に回り込んだ10番がロリスの脇を抜き、ボールは左隅に吸い込まれました。

0-1とされたスパーズは、38分に追いつきます。カイル・ウォーカーの短いパスで右サイドに出たエリクセンがファーにクロスを合わせると、かぶったナバブキンの後ろでトラップしたデル・アリが完璧なコントロールショット。アキンフェイワの左手は及ばず、ウェンブリーに歓喜の叫びが轟きます。43分、CSKAのカウンターは、中央から放ったミラノフのシュートをロリスがセーブ。追加タイムが終わろうとしていた46分、トッテナムが逆転に成功します。エリクセンが左のダニー・ローズに浮かしたパスが絶品。左SBが速いグラウンダーを中に通すと、3人いたCSKAのDFは誰も触れず、マークを外していたハリー・ケインがボレーで流し込みます。いい時間帯のゴールで2-1としたホームチームが、ヨーロッパリーグに近づいています。

48分、最終ラインの裏に飛び出したデル・アリは、アキンフェイワの鋭い飛び出しに足を止めます。ハリー・ケインが思い切りよく狙ったミドルはGKがキャッチ。56分にナトホのロングボールをカイル・ウォーカーと競ったミラノフは、トラップが大きくロリスが難なく処理します。61分、ポチェッティーノ監督は、ソン・フンミンをエンクドゥ。ハリー・ケインの直接FKは壁の間を抜けますが、アキンフェイワは慌てず正面でさばきました。おお、アルデルヴァイレルトが投入されるようです。代わるのはワニャマ。プレミアリーグ8節のWBA戦以来となるCBは、大歓声と拍手に包まれてピッチに入りました。69分、ダニー・ローズの速いクロスに、デル・アリはボレーを打ち上げてしまいました。

75分、ボックスの左脇で得たFKは、エリクセンの強いシュートをGKがセーブ。直後、中央にいたエリクセンが前線を走るハリー・ケインの足元に浮き球をピタリと合わせますが、ニアを襲った一撃はアキンフェイワがビッグセーブで上に弾き出します。77分、スパーズがここで勝負を決めました。フェルトンゲンの速いロングフィードが右サイドにいたハリー・ケインに通ると、中央に上がったボールをデル・アリがヘッド。アキンフェイワが弾いたボールは足に当たってゴールに転がり、ラインを越えた瞬間にCSKAモスクワの欧州が終わりを告げます。ナトホのボレーが左に外れると、タイムアップ。トッテナムは、グループ3位で6シーズンぶりのチャンピオンズリーグをフィニッシュしました。

天才エリクセンが繰り出す意外性に溢れたパスと、再三前線に飛び出したデル・アリのセンスのよさを堪能したゲームでしたが、今日の彼らがよすぎただけに、レヴァーク―ゼンに敗れた4節のウェンブリーが悔やまれます。オリンピックスタジアムで苦戦しているウェストハムと、CLのトッテナムを観ながら、ホームの雰囲気が選手にとっていかに大事なのかを思い知らされました。スパーズの選手、スタッフ、サポ―ターのみなさん、ひとまずおつかれさまでした。若い選手にとっては、貴重な経験だったのではないでしょうか。これからのプレミアリーグとヨーロッパリーグで持てる力を発揮していただき、またこの場に戻ってきていただければと思います。

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“遅かったエリクセン&デル・アリ…2人の天才の本領発揮でトッテナムは今季CL初のホーム勝利。” への2件のフィードバック

  1. nori より:

    更新お疲れ様です。
    やっとウェンブリーで勝てましたね(笑)
    本ブログのプレミア順位予想の記事で、今季のスパーズはCLと両立するには層が薄いとの指摘があったかと記憶してますが、その予想が的中しましたね。
    ウェンブリー問題も含め難しい戦いになりましたが、おっしゃるように監督・選手にとって良い経験になったと思います。
    幸いプレミアでは悪くない位置にいますので、今シーズンもCL権を勝ち取って来年リベンジしてもらいたいですね。

  2. makoto より:

    noriさん>
    レギュラーと2番手以下に差があるので、CLとプレミアリーグが「どちらを選ぶか」になってしまうときがあるのではないかと思ってました。ドルトムントもセヴィージャもいないELは、ローマに勝てれば優勝も狙えそうなので、モウリーニョ監督もポチェッティーノ監督もがんばらないといけませんね。

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